2009年10月31日土曜日

ゼミの感想

【論文】

・獺
クラウド・コンピューティング(CC)をセキュリティ・アイデンティティ(プライバシー)・イノベーションという三つの切り口から分析していくやり方は、画一的な視点ではなく多角的な視点にたって物事を分析できる、国内では未だ分析されておらず、また、海外でも分析しきれていないという点で、非常に良いなと思いました。ただ、金先生が指摘していた様に、CCを分析していく上で、多くの切り口があるにも関らず、なぜこの三つの観点に分類したのかを説明し、説得できなければならいということは重要だなと思いました。もちろん、僕たちの班にとっても。そして、どのように分析を進めていくのかに迷ったら「構造化」すること。構造化して、分類したそれぞれのセグメントをさらに細かいレイヤーに分類すること、つまり、一つの現象に対する思考の深さを増し、それらを統合的に捉えることの重要性を実感しました。CCは個人的にすごく興味がある分野なのでこれからも楽しみにしています。

・美食
googleと日本の出版社との付き合い方をアマゾンキンドル(電子書籍)という視点から考えていく方法は興味深かった。プレゼンの中で、アマゾンキンドルのメリットと共に、従来の出版ルーツと、出版社の電子書籍化に伴うこれからの出版ルーツの違いに言及した部分があったが、非常に分かりやすかった。ただ、出版ルーツを変えることは取次や書店の存在意義を脅かすことになりかねないので、それらの存在との折り合いをどのようにつけていくのかなどの課題も残っているのかなと感じた。また、日本で発売されているアマゾンキンドルからダウンロード出来るのは、まだ英語で書かれたコンテンツだけなので、日本での普及にはもう少し時間がかかるのかなと、個人的には思った(英語だけのコンテンツなので、使用するユーザーが限定されると推測できるため)。いずれにしても今後の展開が楽しみです。

【4期プレゼンツディベート】

今回初めて4期が中心になってゼミを運営しました。内容はディベート。先輩達は積極的に議論に参加してくれただけでなく、楽しんでもいてくれたように思う。議論のやり方、どのように議論を進めていくのかを決めた過程はとても良かったと思う。ただ、個人的に議論中に若干集中力が薄れてしまった感があった。初めてのディベートでとても緊張していたということもあるが、ディベートテーマに対して自分が持っている答えとは逆の立場からの議論を要求されることの難しさを実感した。ディベートは難しい。
もうすぐ、本当に4期がゼミの中心となって、ゼミを運営していかなければならない。タイムマネージメントや司会進行を始め、難しい作業ばかりだと実際にやってみて驚いた。4期は2・3期に比べて人数が多いので、一人ひとりが主体的に、一人ひとりがリーダーという気持ちでゼミに参加することがこれまで以上に求められるのかなと思った。今回のディベートのやり方などを一生懸命、中心になって考えてくれた栫井、もえを始めとする皆さん、お疲れ様でした。

21.10.30 ゼミの感想

【論文プレゼン】

今回は割りと進んだと思う。どういう構造で論文を構築するかがこれからの鍵となるだろう。領域ごとのある程度の内容を掴んだら、先手を打って次の構造を考えるべきだ。

【ディベート】

我々の驚くべき強運によって全勝することが出来た。鬼のような強さを誇ったニクソン曰く、ディベートに必要なのは集中力だ。満遍なく相手に対して反論するだけでは、些細なポイントが問題になってしまい、本質的に出し抜くことが難しい。だから、一つの決定的なポイントを見つけ出し、そこを徹底的に攻めることが勝つための近道だ。また、話し方も大切で、格式ばった言葉で話す必要は無い。分かりやすく簡単な言葉で話す。友達とファミレスで雑談するときのように。

今回のディベートはコンテンツとしては面白かったが、いささか悪ふざけであった気がする。もちろん、僕もその大きな一因だが。原因はいくつもあるだろうが、そこを論じても不毛だろう。ともかく、みんなとの連帯が深まってよかった。

2009年10月30日金曜日

【ホンヨミ!】考具【山本】

 
 マンダラートやオズボーンのチェックリスト、カラーBATHなどなど、様々な興味深い考具が本書では紹介されている。しかし、それらすべての考具と同じくらい(もしくはそれ以上)衝撃的だったのが、本書で紹介されている、作者神田昌典氏の「実際に行動に移す人は1%しかいない。だから成功するのは簡単だ。」という言葉だ。もし最後にこのような言葉がなかったら、この本を読んだ後「面白かったな」と思うだけで、本書に載っている考具を、私はただの1つも実践せずにいたと思う。

 このようなことは、考具だけでなく、様々なことに該当すると思う。講演会や人との出会いやもちろんゼミでも。ものすごく心揺さぶられる話や自己啓発される本などに出会っても、実際そこから学んだことが行動に移らないことがよくある。なにごともまず吸収し、自分の生活の中に意識的に取り入れることの大切さを改めて実感した。

 また、人の心を強く打つものでさえもこのようになかなかその人の行動にまで影響しないのだから、広告が消費者の購買意欲を掻き立てることは本当に大変なことなんだなあと改めて思った。そして広告業界で長年生きている作者だからこそ、そのような特性に誰よりも気づき、心砕いているのだろう。

【ホンヨミ!】広告【山本】

 
 佐藤可士和氏のデザインの話が非常に興味深かった。私はいままで、さまざまな本や授業内でしばしば耳にする“デザイン”という言葉に対して何か釈然としない印象を持っていた。しかし、佐藤氏の文章を読んで、“デザイン”という言葉が持つ多様な働きのうちのひとつを知ることができた。また、佐藤氏のようなメディア・ニュートラルの視点で(もっというと、メディアという概念の中だけでなく、社会全体の中で)、商品のコンセプト・メイキングを設計する発想はすごく面白いなと思った。

 また、他の章で“広告はメーカー企業のサービスのひとつ”という話が興味深かった。確かに、テレビCMやインターネット広告など、ただ単に商品を紹介するだけでは生活者の購買意欲を掻き立てることはできない。もしかしたら、広告製作者が最も提供すべきものは、商品情報プラスアルファの部分なのかもしれない。

【ホンヨミ】すごい会議【菊池】

 会議の時間の95%は「コメントの交換」に使われている。本書のこの部分を読んだ時、少々ドキッとした。会議をやっていると時々何を議論しているのか分からなくなるほど話が広がることがある。しかも、どれも重要な議論に思えてしまって、なかなか本筋に戻ることができないのだ。実はこれ、単なるコメントの交換だったのではないか。確かに、話が広がることで、思わぬ気づきがあったりもする。しかし、本書で言われている、「明確化のための質問」と「代替案の提示」、「リクエスト」の3つを意識すれば、同じ結果に到達する時間を一気に縮めることができるのではないかと思う。前提として、皆で短期的で明確な目標を共有していることが挙げられているが。

 僕がここで想像したのは、NHK番組『日本の、これから』で司会を務める三宅アナウンサーだ。この番組は、学生から主婦、学者まで、様々な肩書の人々が集まり、ある一つのテーマに関して議論する。その中でよくあるシーンは、感情的になった出演者がどんどん議論を広げていくことだ。しかしこうなると、すぐに三宅さんは軌道修正を非常に上手く行う。単なるコメントの交換ではなく、いかに建設的な議論を行うか、三宅さんは常に意識しているのだと思う。

 実際、会議というのはこの『日本の、これから』に近いと思う。参加者全員が、会議において重要な3つの点を理解しているわけでもなく、ましてや意識する人などほとんどいない。そういう状況において、やはり三宅さんのような、「主人公は議論する人々but軌道修正はしっかり、しかも的をえている」という、そんな人材が重要になってくるのではないか。

【ホンヨミ!】leader ship【金光】

『leader ship』tom peters

父の書棚から。まず、装丁がすごく斬新。ページはカラーで、読んでいると急に文字が反転したり逆になったり、まるでプレゼンを見ているみたい。でもこの本のように文字での細かいニュアンスよりも言いたいことをダイレクトに印象に残したい!というときはこの方法もありかも。伝えるため、だから。

リーダー論としても、生き方論としても面白かった。だんだん代替わりが近づいているので、上級生の立場と下級生の立場両方に置き換えながら読んでみた。
リーダーは何か問題が起こるとわくわくするような人材なのかというのが第一印象。リーダーという仕事が好きなのか、その座が好きなのか、向き不向きもある。

今日の企業を成功させている要因、成長を続ける役者は
・挑戦が大好き
・早い時期から責任ある立場を望む
・自由、独立、そして指揮権を切望する
・自分個人の人的資本の構築に夢中になる
・仕事よりも大切なものがいくつもある
・非常に凝縮されたキャリアの時間のことを考えている
らしい。仕事以外の時間も大切にする、幅が広い人間であること。今日講演会でも同じようなことを聞いた。この本いは「リーダーシップとは人間関係だ」とも断言されている。これも講演会と似ている。共通しているものは真理に近いのかもしれない。信頼性というのはもっともソフトに見えるけれど実は長い目で見ればハード。このような、学術知識、点数では測れないものこそが大切なんだと思った。リーダーだけでなく、人として。そして自分よりも実力のある人を認め、積極的に採用していくことこそチーム全体を良くする。全員がそうだったらつまらないけれど、同じような自覚を持つことはどの立場でも大切じゃないかなと思った。

2009年10月29日木曜日

【ホンヨミ!】話を聞かない男、地図が読めない女【金光】

『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ バーバラ・ピーズ

少し前に話題になった本を初めて読んでみた。今週はジェンダー系の本を読んだ。
必ずしもこうじゃないでしょ!と思いながら読んだけれど、面白かったのはこの本が日本のものじゃないということ。あくまでも「平均的な」「傾向として」書かれているけれど、なんとなくわかるところもある。そしてそれは国や文化が違っても同感してしまうのは不思議だった。本当に脳に原因があるなら当たり前かもしれないけれど。

大まかにいうと、男と女は得意としてるものも苦手なものも違う作りになっているということ。
男は駐車場に車を入れるのは得意。話には解決策と結論を用意してあげたい。
女は話はただ聞いてほしくて、地図を読むのは苦手だけどわからないものをひとに聞くことに抵抗はない。
といったようなものが豊富な具体例とともに紹介されている。
女性として読んでも、当てはまらないところは多々あった。一方的に話すことはしないし、コミュニケ―ションの方が作業よりも好きな男性もいる。でも、これを知ることで、意識はしなくても相手に対して少し余裕を持って接することができたらそれは収穫だと思う。
男女で区切らなくても、人はみんな違うものだから、だから自分の考えが受け入れらなかったり理解してもらえず、互いに嫌な思いをするのはナンセンスだと思う。違うんだーってことが前提としてあれば、わかりあえた時は嬉しいし、カリカリすることもなくなる。相手の気持ちを考える、きっかけとして読める本だと思った。

【書評】女脳【金光】

『女脳』 矢内理絵子 茂木健一郎

女流棋士の矢内さんと茂木さんの対談を基にした本。
印象的だったのはNHKのプロフェッショナルなどご自身の仕事で様々なその道のプロと会っている茂木さんが、彼らの共通点として「自分の中に基準がある」ことと言っていたこと。他人からの評価とかを気にしている人じゃなくて、自分の中で設定したことを目指すうちに、トップになったりとか。そしてそれは「自分自身をライバルにする」こと。ライバルは金のワラジをはいてでも探せとも書いていた。友人でも親友でもなくライバルこそが、良い結果を生むということだと思う。銭谷さんが言っていた、なれあいではない緊張感のある関係が良いアウトプットを生むっていう言葉はこういうことか!と思って納得した。

ライバルはライバルでも自分自身をライバルにするのは一番難しい。メタ認知、自分自身をマネジメントしてコントロールすることができる強さがないとダメだと思う。

勝負は嫌いって言い続け、思い続けていたけれど、実は自分は勝負好きなのかなーとふと思った。相手がいない競技しか知らないけど、勝負に向き合うときの自分は繕ったり、ごまかしたりできない素というか裸の自分だったと思う。それでもいかに堂々とできるか。ちょんってつついたらへなって倒れちゃうような弱い自分を必死にしゃんとさせてたけど、本番に向かうまでの自分を冷静に考えたら普段わからない自分を見つけてた気がする。自分の中身の新しい一面を見られる、今思うと。今は前よりちょっとは強くなったのかな。

あと、極めること。私にとってあこがれの言葉。極める。匠。一流。こういう言葉が好き。意味も。だから、こういうのにならないと不安。もちろん今はなれてなんかないけど、そういうのに将来なれるのかっていう不安が大きいのかも。自分はいろんなものに興味がわくからこそ余計に。でも、羽生さんみたいなスタイルが一番素敵かなと思う。将棋っていう自分の軸、持ち場を発揮すつものを持ちつつそれだけじゃなく好奇心旺盛で、視野も広い。そういう人に、私は、なりたい。

ゼミの感想

前回の感想です。遅れてしまいすみません;;
【民主党プレゼン】
FCCの話、よく知らなかったので今回構造的に理解することができとても役に立ちました。色んな企業が電波事業に参加していき、これからどんどんコンテンツも面白くなっていくことを期待したいです!
プレゼンとしては宮村さんの発表が非常に参考になりました。「記者クラブ制」についての発表はトピックがカタくて非効率的な感じなんで、説明もそうなりがちなんですが、とても構造的にビジュアルチックにプレゼンされていてそのギャップが素敵でした。構造的に見てみるとますます「なんであるの?」って感じがしてきますね。。。ネットで新聞記事を検索して読んでいて、「あ、おもしろいなこの筆者・・・」って思った時は、最後まで見てみるとだいたい海外の新聞の翻訳だったりします。日本の新聞は「中立性」を維持することばかり注目して画一的になり、個性がありません。自分たち以外のメディアを第一次情報から締め出し、利益を独占しようとする「記者クラブ制」ですが、そのなかで内容をそろえているのであれば、各新聞の独自性というものがないと思います。人が書く記事に完璧な中立性はないということを自覚したうえで、自分の見解を出し、それが独自の見解であることを読者にもしっかり示すという開き直ったアメリカの姿勢の方がいいのではないのでしょうか。客観性を主張して、それを読者にも信じ込ませながら、実は偏った情報を客観であるかのように報道するよりはいいと私は感じてしまいます。

【論文発表】
一週間という期間でしっかりと成果を出してきたことが、どの班もとても凄いと思います。次回の自分たちの発表にプレッシャーです。
X・・・ツタヤカードの隆盛はまえまえから気になっていたので、X班のテーマにはとても興味があります。ポイントエコノミーをどのように構造的に分析していくのか、とっても楽しみです。
ぱぴこ・・・毎回プレゼンの中身が非常に濃いです。見るのに体力がいります。(いい意味で)一週間の話し合いの密度、がすごくすごく伝わってきます。方針を変えるにしても、ふらふらしてるのではなく、しっかりしっかり話し合ったうえで、目的を持って方針を変えてるのが伝わってくるので(イメージでは、戦車です)見ていて安心感があります。すごいです。
ほっとけーき・・・毎回あたらしい情報を提供していてさすがです。毎回面白いです。ただ、切り口がどこにあるかは少し気になります。非常に面白いトピックなので、是非いい切り口を期待しています。

【presentation kim】
プレゼンに対する「目標」はあっても「手法」を見失っていた時期なので、開催とても嬉しいです。是非みなさんのプレゼンテクとプレゼン哲学を聞いて吸収したいです。プレゼン、むずかしい。。。

ゼミの感想

タスクをためこんでいて本当にすみません。なんと前々回のゼミ感想です;;

【論文発表】
獺班・・・クラウドコンピューティングという現在の事象をなるべく体系的にとらえていこうという姿勢が伝わってきて、毎回とてもわかりやすいです。現状分析をさらに一段進んだものにするためにエックスファクターを探すということですが、次回いったいどんなテーマに踏み込んでいくのかワクワクします。メンバー全員が忙しいことを考慮してプレゼンは一人の人が作る「獺ルール」は、とてもチームにあってると思います。普遍的にいいものというのは存在せず、常にケースにあわせて変えていける、そのような柔軟性を見習いたいです。短い時間で最大限の効果を出すエッセンス、是非獺班から吸収していきたいです。
美食倶楽部・・・プロセスを可視化するという手法をとりましたが、おおむね好評だったみたいで安心しています。自分の力不足を感じ、結果だけでなくプロセスも積極的に外部に発表して、一緒に考えてもらう、みんなに4人目の「美食倶楽部」になってもらう、そんな目的で行いました。ただこのやり方にはリスクもあります。ダメなプロセス、つまり弱味をさらけ出すことは「他の班はライバルである」という競争意識を減退させ、結果の質を落とす可能性もあるかもしれません。何が論文班とゼミのために一番いいのか、よく考えていきたいと思います。
ほっとけーき班・・・できるだけ画を使うというアイディアはとても面白く感じました。ただそうなるとどうしても口頭での情報が多くなりがちなので、問題のビジュアル化をもっととりいれるとか、キーフレーズは文字でいれる、という手法をとりいれると無敵な感じではないかと!政治のオープン化はとても興味深く、様々な事例をどのようにほっとけーき班がまとめていくのか楽しみです。

【民主党プレゼン】
農作物の関税、輸出入、食料自給率など、国に関係する問題がたくさん出てきました。普段ITについて勉強していると、世界との壁があまりないので、世界規模で一番いいものを利用すればいいという考えになりますが、現実問題ではそれぞれの国の「国力」を考えることも大事なわけで・・・ たとえ価格が低くなくても、自国の農業は保護しなくてはいけません。バランスがとても難しいです。
私は教員免許更新制度についてプレゼンしました。私のプレゼン、質疑応答の時間が、論点そのものよりプレゼンしたトピックへの質問が殺到する場合が多いんですが、もしかしてプレゼンわかりにくいですか?(涙)反省材料です。ブログ等で自浄制度について考えていただきありがとうございました!後期の授業で「教員評価」についてレポートを書くことにしたので、おもしろい事例があったらどこかで紹介しますね!

ハロウィンについてリーダーシップをとってくれてことえちゃんに感謝です!自主性に脱帽です・・・

2009年10月27日火曜日

【ホンヨミ!】リーダーは半歩前を歩け【大賀】

姜尚中著「リーダーは半歩前を歩け-金大中というヒント」(2009年、集英社新書)
2009年10月27日読了

※先週は2冊しかアップできず、申し訳ありませんでした…!今週4冊あげられるように出来得る限り努力します!!!!

***

 私は副代表だ。代表ではなく、副代表。「副代表っていわゆるサブ的存在っていうか、補佐役でしょう?一体何をしているの?」と尋ねられることは多々ある。そういう時、私は堂々と、「確かにパッと見は地味なことをしているけど、ゼミ全体をサポートする役割を果たしている」と自負するようにしている。実際のところ、どれほどまでにゼミに貢献できているかはわからないが。それでも私は今の自分の役職―すなわち副代表というのが好きだ。多分、向いているんだと思う。自慢ではないが、私はあまりリーダーには向いていない。小学校くらいから現在に至るまで、リーダーになったことが無いわけではない。しかしあまり上手くいった試しが無いのだ。自責の念も込めて言えば、私は何でもかんでも一人でやろうとする癖があるため、「下を引っ張っていく」という姿勢に欠けているのだと思う。今でもその傾向が強いから、何というか…本当に向いていないのだろう。
 上記のような理由から、私は巷で流行りの「リーダーシップ論」が嫌いだった。どうせ読んだって、活用のしようが無い。だって私はリーダーになんかなれっこないんだもの。そう思っていた。そんな私がどうして本書を手に取ったのか。‐それは、著者である姜氏の「はじめのことば」に惹かれたからだ。彼は言う。「自分はリーダーには向いていない。だからこそ、客観的にリーダーを見て論じることができたのだ」と。ああなるほど。確かにそうかもしれない。リーダーが書く自画自賛的な「リーダーシップ論」よりもむしろ、リーダーでない凡人が書くそれのほうが正しいのかもしれない。
 姜氏は本書において「7つのリーダーパワー」を提示している。先見力、目標設定力、動員力、コミュニケーション力、マネジメント力、判断力、決断力だ。中でも最も印象に残ったのは「決断力」である。何かを決断するということはリスクを背負うことであり、また、他者からの批判を受けることでもある。それでもリーダーは「決断」しなければならない。凡人たちは、リーダーの決定に従えば良いが、リーダーは多大なリスクを背負った上で「決断」しなければならないのだ。だから、リーダーは孤独なのである。その孤独に耐えられるか否かが、リーダーに必要とされる力だ。

 だれかを崇拝し過ぎると、本当の自由は得られない。

 以前もここで書いたかもしれないが。私の大好きなキャラクター、「ムーミン」に出てくるスナフキンの言葉だ。彼のこの台詞は現代人の状況を言い表している。姜氏も本書において冒頭で述べているのだが、「現代の人々は自由から逃走し、誰かの下につくことを望んでいる」のだという。本当の自由を得ることをせずに、あえてだれかの下に従っているのだ。その方が楽だから。当たり前のことだ。だが、リーダーとなるべき人はそうであってはならない。たとえどんなに辛いことが待ちうけようとも、自ら考え行動しなければならない。たとえ孤独であろうとも。―はたして、このようなことが、私に、そしてあなたに、できるだろうか。

書評 審判 フランツ・カフカ著

かねてから読みたいと思っていた小説のひとつだったが、文面が退屈すぎて途中をスキップしてしまった。退屈なのもそのはず、なぜならこれはただの小説ではなく警告書だ。

ある朝、K(恐らくカフカがモデル)は、突然逮捕される。理由は最後までわからない。しかし、日々の暮らしは意外なことに普通に進んでいく。逮捕の執行人も監督人も登場するが、制服でなく普通の服をきており、どうも「それらしく」ない。審判が行われる場所も、隣人の部屋だったり、ボロアパートの一室であったり屋根裏部屋であったりと明らかにおかしい。

彼を物理的に拘束したのは最後の最後の処刑用の道具だけであって、それ以外はわけのわからない「罪」のみが彼を拘束する。Kは30歳で銀行の幹部を務める。何か悪いことをした覚えは一切ない。しかし罪はどうやらあるらしい。ネタをばらして申し訳ないが、最終的にKは処刑される。その罪もわからないまま。確かなのは目の前にある現象だけで、とらえどころの無い巨大な執行機関の実態に触れることは不可能なのだ。

二つ恐ろしいことがある。それは「情報」と「人の心」だ。逮捕以前は何気なく接していた隣人が、「徐々に」変わっていく、しかも見えないところで。誰に言ったわけでもないのにみんなKの逮捕を知っている。この二つをコントロールすることが出来れば、大人ひとりを死に追いやることなど容易いことなのだ。そういう社会を僕たちは生きている。

こうした「社会の罠」という視点以外に、もう一つの見方がある。それは、Kは裁かれる人全てであるという視点だ。刑務所に収容される人の大半は、自分の罪の「正当性」を認めないらしい。社会のせいにしたり、家族のせいにしたりする。アル・カポネにして「俺は社会のために奉仕した。その仕打ちがこれか」と刑務所で嘆いたそうだ。国民の大ブーイングによって辞任したニクソン大統領も、政権を陥落させた麻生首相も自分が悪いとはつゆ思ってないだろう。つまり、裁きとは本質的に不条理であって、それ以上のものではない、という見方だ。

金ゼミでは最先端のビジネスを扱う。クラウド、ライフログ、グーグル、SNS、サイバーポリティクス。これらを扱うとき、そこに道徳の問題を入れることはナンセンスだとまでは言わないが、少なくとも建設的ではない。ただし、それを突き詰めた先に管理社会がありえることを、心で忘れてはならないと思う。

1023ゼミの感想

・民主党
やるたびに、わたしってこんなに世の中のことわかってなかったんだーと実感します。記者クラブについて、昔勉強をしたのですが、結構抜け落ちていてびっくりしました。わたしは、さっさと記者クラブなくなればいいのにと思っていて、民主党にそのような動きがあって、上目線ながら非常にうれしいです。既存メディアと権力の癒着、記者クラブを持っているメディアのゆとり教育。日本の政治報道が甘いといわれる所以だと思います。もっとジャーナリストは初心を忘れず、スクープを探して飛び回るべきで、それを奨励するような環境が整えばいいなと思いました。

・ 論文
斉藤さんの、ぱぴこに対する指摘が秀逸だったと思います。成功しているモデルの問題発見ができたら、さらに一歩進めるし。そういう視点を持って議論に望みたいなと思いました。どの班もものすごい分析をしていて、正直脱帽でした。かわうそも新たに決まったテーマと共にがんまります!

2009年10月26日月曜日

書評 経営戦略を問いなおす 竹内

この本ではシナジーに関する記述が興味深かった。
多角化を行う際、基本的には関連分野によるシナジーを考えて新規参入する商品カテゴリーを決定する。しかし、この本書では、このような関連多角化だけでは不十分だとしている。

ダイナミックな多角化の例としてキャノンが挙げられている。キャノンはカメラと事務機に絞って多角化を行った。一見なんのシナジーも見えない組み合わせだが、主力事業がイメージのインプットとアウトプットという形でつながっている。この主力事業を同一の研究開発拠点で行うことにより、他の光学メーカーにはない非凡な結果をもたらしている。このように、セオリー通りではなく、少し視野を大きくしダイナミックなシナジーを得ようとする考え方もあるのだなと勉強になった。

もうひとつ、心に残ったのは、ビスマルクの「愚者が経験にまなび、賢者は歴史に学ぶ」という言葉だ。歴史の勉強を軽んじてきた自分には堪える言葉だった。もはや歴史をどう学べばよいかわからないほど触れていないので、試行錯誤しながら取り組んでいきたい。

1023ゼミの感想

【民主党】
 今回、一連の民主党プレゼンを通して、マニフェストだけでなくさまざまなことを知ることができてとても勉強になりました。
 今回のプレゼンでは、特に記者クラブについてが印象深かったです。今まで記者クラブへの批判の記事を見ても、自分はその対立軸がいまいち漠然としていてわかっていませんでしたが、今回のプレゼンで、何故こんなにも記者クラブを解散させることが難しいのかはっきり知ることができてよかったです。また、自分のプレゼンに関しては、直前まで組織論と雇用問題のどちらをやろうか迷っていましたが、いずれにしてももっと議論が盛んになるような情報を提示する必要があったなと思いました。

【三田論】
 今回、プレゼンをするにあたって、ひとつひとつの用語や数値に対して、もっと説明や裏づけとなる情報を示す必要があるなと思いました。何気なく使っているプラットフォームという言葉の定義や、“角川が成功した”という文脈での“成功”とはなんなのか、そしてその“成功”を裏付ける数値はなんなのか、次回のプレゼンまでにもっと詰めていきたいです。

1023ゼミの感想

民主党
FCCについてのプレゼンは興味深かったです。民主党に政権が変わってから最も話題になっているといってもよいトピックにも関わらず、まったくついていってない自分が情けなくなりました。新しいテーマにアンテナをはっていこうと思います。また、記者クラブの仕組みも興味深いです。特殊なものですが、本当に世界の基準に合わせてオープンにするべきなのか議論が必要な気がします。基本的に日本国民は危機管理意識が少ないし、経験もない。そんな人たちにただ情報を流し続けたところで混乱するのではないかと思う。専門家など一部の人しか知らない情報があっても良い気がする。

論文

X
まだまだ調べがたりないことは自分たちでもわかっているので、客観的になにが足りないのかを考えながら調査していきたいと思います。引き続きご指導お願い致します。

ぱぴこ
相変わらずすごいですね。時間かけていることがよく伝わってきます。僕自身興味あるテーマなので、期待しています。

Gov2.0
genarativityという切り口が面白かった。まだ僕自身うまく理解できてないが、次回のプレゼンを見て復習したい。もともと興味のなかった分野なので、とても勉強になる。

1023ゼミの感想

4分プレゼン - 民主党
民主党の政策という一つのテーマについて、これだけ様々な視点・分野からの知識を得る事ができた事は大変有益でした。ただ、それと同時に、自分自身の普段からの政治に対する感度の低さを、途中何度も痛感し、改めて反省する機会にもなりました。
今回のプレゼンの中では、日本版FCC導入の話が印象深かったです。金先生が描いてくださった、放送・通信/振興・規制の図を通して、FCC導入の是非について、どこの部分で論点が生じているのかという事を掴めた事は特に勉強になりました。
自分自身のプレゼンに関しては、結局具体的な論点を示す事ができなかった事も含め、個人的に反省すべき点の多いものでした。菱木君が仰っているように、いくら多くの事を調査してきたとしても議論に結びつかなければ本末転倒なので、深く反省し次回での改善に努めます。

論文
Xチーム:
Lifelog Businessや行動ターゲティングなど、個人的にも凄く興味のある問題が絡んでくる内容で、大変興味深かったです。

ぱぴこぱぴこ:
内容はもちろんのこと、皆さんの発表態度が素晴らしく、自分自身見習うべき所がとても多かったです。

ほっとけーき:
前回の質問に対してきちんと調査して答えるという態度・姿勢には完全に脱帽でした。見習いたいです。金光さんの発表中に出て来たgenerativityというワードからの切り口が興味深かったです。

ゼミの感想

●民主党プレゼン

 短時間で、これだけ多くのことを吸収できたのはとても有意義でした。日本版FCCの話は最近よくネット上で見かけましたが、今回のゼミで問題の本質がどこにあるのかようやく理解できた気がします。また、周波数オークションに関して、これは以前『市場を創る』でも競争のメカニズムの観点から触れたことがありますが、今回は日本国内の問題という観点から理解することができました。三部作シリーズ、参加申し込みました。誰か一緒にいきましょう。

●論文

 どのグループも、分析が素晴らしく、焦りを感じさせるものでした。論文を書くことは恐らく、

知識のインプット→分析→仮説を立てる→実証

というプロセスの繰り返しになるのだと思います。私たちのグループはようやく軸が決まり、新たに知識のインプットを始める段階に入ったばかり。以前のプレゼンの時点ではあまり進展していなかったという結果だけに、焦燥感もかなりある。そのような中で、クラウドの3つの要素を俯瞰しその関係性を分析していくということを忘れずに、常に視野が狭くならないよう注意して進めていきたいと思いました。

2009年10月25日日曜日

ゼミの感想

・民主党プレゼン

 個人的に記者クラブの話が気になった。いろいろな本で記者クラブについての話は出ていて、その情報はほとんど、情報の独占や閉鎖的などマイナスの言葉で書かれていたため、存在意義について考えたことはなかった。批判を受けてもなお存在するのだから、恩恵を受ける何かがあるはずだ。同時に平等に記者たちに情報が与えられるという側面もあるが、「水面下の情報共有」ができるという点が以外と重要ではないかと思った。政府の情報を限定された集団であれ公開する場がなくなってしまえば、政府が本音をもらすこともできなくなり、ガス抜きをする場がなくなってしまうのではないだろうか。

・論文プレゼン

 ぱぴこ班の発表の延長線で、プラットフォームビジネスの話が出たが、自分もはっきり理解できていなかったため勉強になっただけでなく、プラットフォームの本質をつくような内容の論文になっているのだなと感じた。と同時に自分たちの班が今取り組んでいるテーマもまさにプラットフォームビジネスが関わっているではないかと気付いた。クライアントが複数存在し、それらが相互作用することで互いに利益を得られる環境を提供することが条件、そしてクライアント同士のマッチメイキングをする。できる限り少ないコストで。六本木ヒルズをプラットフォームビジネスの例として先生が提示されたが、現実世界でも最近の商業施設はプラットフォームビジネスとして成り立っているものが多く、それらの重要が高まっているということに改めて気付いた。

ゼミの感想

【民主党政策プレゼン】
日頃の自分の勉強不足を反省しました。テーマについてのそもそもの知識・理解が欠如しているため、せっかく論点を提示していただいても、そのそこからの自分の考察へと発展させることができませんでした。プレゼンターの方々には大変申し訳なかったです。今度からは、せめてトピックについて事前に少しでも調べてくるなどして、もう少し議論に参加していきたいと思います。

3週にわたる民主党プレゼンを通じた個人的な反省
まずプレゼンターの立場から、
・情報の取捨選択
・制限時間をしっかり守る
・論点の明示(漠然としたものでなく、できれば限られた議論時間で話し合えるようなものを提示したい)
聞き手の立場から、
・聞いて理解することに集中する
・最低限のインプット

【三田論】
・チームX
とても面白いテーマだと思いました。人々の行動履歴といった個人情報をいかに上手く利用するかということが、最近非常に注目をあびているようですね。竹内くんの言うように、ポイントを獲得できる媒体がさまざまなところが難しいところかもしれませんが頑張ってください。
・ぱぴこ
今回もまたすばらしいプレゼンでした。テーマ設定に多少変更があったにもかかわらず、ここまでのプレゼン仕上げてくるところにはもはや脅威さえ感じます!メンバー全員がとてもよく調べ、勉強しているのだなと感じました。プレゼン自体も、とくに4期生の栫井さんや山本さんの上達振りがものすごいです。
・ほっとけーき
みなさんとてもよく調べてきているなと感じました。集めた情報をどう分析・解釈し、今後ほっとけーき班はどんな提言へとつなげていくのかとても楽しみです。またプレゼンの冒頭で前回の質問に答えていて、そうした配慮は本当にすばらしい、見習いたいなと思いました。

ゼミの感想

【民主党】
政権が民主党に変わったことは大きなことなのだ、ということを感じることができました。
この間、留学生と話していて、「Liberal Democratic PartyからDemocratic Party に変わってどうよ!」みたいなことを聞かれたのですが、みんなのプレゼンのおかげでいろいろ意見や変化を言うことができました。皆さん良いプレゼンありがとうございます。それと同時に、普段から政治にはもっと敏感になった方がいいと思いました。
自分には関わりがないかなぁと思いがちですが、結局は自分たちの生活や今後に直接的に関わることだなと思いました。

【論文】
*ほっとけいき
それぞれが頑張っているというのが見えたプレゼンだったと思います。
たぶんこの時期は2年生も3年生もとっても忙しい時期だと思うのですが、
もっと皆で話し合う時間がつくれるといいと思います^^

*ぱぴこぱぴこ
皆で共有が出来ている感じがしました。誰がやってないとかそういう努力の差が感じられなくていいグループだなと思いました。

*ポイントカード
かなり3人の個性が強い班だと思うので、今後が気になります!

かぜに負けるな!

【民主党】
今回でみんな終りましたが、民主党政権で変わることってこんなにあったんだなと思いました。自分は高速道路無料化というマスコミにもよく取り上げられていたテーマにしてしまったので、毎プレゼンでいろいろ新たな知識が入ってきて楽しかったです。今回いろんな切り口から民主政権を取り上げましたが、実はたどっていくといろんな問題は別々じゃなくてつながっていて、またひとつの切り口で見ても立場によって利害感情が逆になるという当たり前のことを再認識しました。日本版FCCの問題はたどっていけば天下りにもつながっていました。記者クラブと政治家は、本来なら緊張感のある対等な関係で、利害関係とは異なるつながりであるべきなのに両者が楽なほうに走った結果、囲いの中の仲良しの関係になってしまったように見えました。

【論文】
ほっとけいきは一週間再び各自が情報収集を行いました。集まれる時間が少なかった分、個人の責任が問われます。今回はぎりぎり発表にこぎつけました。締切までにまとめる作業は楽ではないですが発表の機会があることは、メリハリもつくし客観的な視点、FBも得られる大切な場だと感じました。
余談ですが、ほっとけいきのチーム名の生まれは「とけい」からの連想です。「景気」だけでなく「契機」にすると本質という意味もあります。残された時は長くないですが、チームメンバーでの向上心は確実に高まってきたと思います。バラバラの個々の情報とパワーを集めて、Gov2.0の本質に迫る!ほっとけいきはこれからさらに良くできると思っています。

ぱぴこ★ぱぴこ
スライドの統一感はもちろん、知識を共有しあっている感じは伝わります。そして二年生が本当にチーム結成前よりも堂々としていて、後ろで見守る先輩という図式はぱぴこの定番だなと思いました。また、ほっとけいきでも政府主導のプラットフォームを扱うので、自分たちもプラットフォームの定義を明らかにする必要があるなと思いました。

X
3人のpptスタイルが全然違うのでまた新鮮な感じでした。一番、普段の生活に密着しているテーマなので個人的にすごく興味があります。「ポイントカードをお作りしますか」といろんなお店でよく聞かれますがそのデータが裏でどうなっているのか、どんなメリットがあるのかよくわかりません。渡される規約はとても細かいし…消費者の視点も時々思い出しつつ研究していただきたいな、と思いました。


他の班を見ていて思ったことは、ゼミでの中間発表は決して叩かれる場ではなく、自分たちの研究を透明化して、自分たちには見えなかった視点でのFBやアドバイスをもらうことができるチャンスということです。「何かを得よう!」という姿勢で臨むことが大切だと思います。
ゼミ生の質問に、その場限りで繕ったりうまくごまかして答えてほっとするようとするよりも、その人がくれた新たな意見を理解して研究の参考にする。そうすれば自分もありがたいし、質問してくれた人も納得できて、結果的にプラスになると思いました。

ゼミの感想

【4分間民主党】

普段あまり触れることのない政治というフィールドに触れることができるいい機会だと思う。通信と放送の部分はまだまだ理解が浅い部分が多いので、しっかり勉強しておきたいと思う。

【論文】

論文に関してはこれからという感じ。フィールドワークなどでしっかりと知識をつけた上で自分たちなりに社会に出せる付加価値というものを追求していきたいと思う。これからこの3人でどのようなアウトプットが出せるのか非常に楽しみです。

【プレゼン】
僕のようなプレゼンのへたくそな人が選ばれていいのかって感じですが頑張ります笑 個人的には銭谷さんが、僕の中ではスライド作成で参考にしている一人なので、普段どのようなことを考えてスライド作成をしているのかが気になります。金ゼミはみなプレゼンが非常にうまいのでプレゼンテーションKIM、非常に楽しみです。

2009年10月24日土曜日

1023ゼミの感想

【4分間プレゼン】
全てに浅さを感じた。すごく調べているんだろうけど
結局何が言いたいのか分からないプレゼンが多かっ
たように感じた。
プレゼンはあくまでもネタの共有、議論の前段階に
過ぎないもの。プレゼン自体が素晴らしくとも議論に
結び付かなくては本末転倒なのではないだろうか。
自分は議論のためのプレゼンを意識したppt作成を
頑張っていきたい。

【論文】
どこの班のプレゼン内容を聞いているだけで、とても
おもしろい。論文作成に置いて、何をやるにしても重要
であろう。自分も論文作成において、全ての工程までと
は言わないまでも楽しみを感じながら進めていきたい。




21.10.23 ゼミの感想

【民主政権】

今回のテーマに関しては、自分の理解が行き届いておらず難しいと感じることが多かった。さらに後半からは体調が悪くなり、頭がぼんやりとしていたため、有意義に過ごすことが出来なかった。金ゼミでもマスクの人が多くて、体調管理の大切さを痛感した。

【論文】

チームの皆がかなり進んでいることに驚きました。反対に、僕たちはまだアウトプット・インプットの両方でかなり出遅れているんじゃないかなと思っています。このあたりが正念場だと思います。一つ大切だなと感じたことは、プレスやヒアリングから得た実用的な知識を、概念的あるいは構造的に観察し、表現しなければ、論文としての学術性を得ることが出来ないのではと思いました。僕は「戦略対応」とか「コンサル」とかを意識しすぎて、実践性に奔りすぎていたような気がします。もちろん、そこも大切ですがそういうものは僕のような素人が出す前にプロがいくらでも考えています。僕たちに求められているのは、現象を俯瞰的に観察し、それを独創的にカーブアウトする。そして、それを知の塊として概念化・構造化することだと思います。

1週間経ってまた1週間

 ゼミ後の疲れというものは「1週間が終わったー」というものと「ゼミでの緊張感がとかれたー」という2種類の疲れがどっときてすさまじいものがありますが、もはや最近毎日がそんな感じになってきました。1週間がばかみたいにはやいです。

【民主党プレゼン】
 とりあえずFCCについて共通理解を持てたのがよかったんじゃないかなーと思いました。自分自身FCCについて「なんかアメリカにある放送規制とか行ってる機関を日本にも取り入れるかどうかでもめてる。社会規制とか経済規制とかいろいろあるんでしょ。」という陳腐な見解しかなかったもので。
 規制と振興の面を分離すべきだという金版FCCに僕は賛成です。去年論文をやっていたときも、ケータイ規制に総務省が入り込むのか、はたまた第三者機関で行うのかといったものが議論されていました。そこではやはり国が規制に立ち入ると表現の自由に抵触するといった議論が中心でした。国はしっかりと啓蒙活動や振興のためのガイドラインを立て、基盤を整備することで、第三者機関などが規制を行うことが出来るようにしてやるのが1番いい立場でしょう。
 で、やっぱり去年のケータイ規制で問題になっていたのは総務省等における話し合いでの透明性の問題。去年は総務省の検討会に2回、お邪魔させていただきましたが、それは内部で話し合われたことに関しての発表会みたいなもので、中でどのような議論がなされたのか、またそこでどういった意思判断で決定が行われたのかということはほとんど見えないものでした。恣意性を排除するためにも透明性はもっと増していくべきだと去年の論文の時にも思いました。

【論文発表】
 1週間という期間はあまりにも短くて、なかなか手探りの中進めていきました。うちの班は方向性がちょくちょく変わっているんですが(ゼミ後の話し合いでも変わりました)、そこにいたるめの武器はありますが、その武器を装備できる体作りができていないといったような印象です。竹内君から指摘された以外にももっと多くのデータを集めて議論に説得力を持たせるようにいかんなーと改めて思い知らされました。これは論文だけじゃなくて作文等を書く際にも重要なことで、データがあると説得力が出るのと文章がしまるんですよね。
 あと、うちの班の特性として4人全員いるときにしか集まらないといった方針をとっていたのですが(2回の合宿を含め)、3年が2人もいるとそろそろ限界が見えてきました、もちろん2年生の2人も忙しいです。これからはいかに効率よく集まり、効率の良い意見交換を行うことが出来るのかといったことも念頭に置いていかねばなりません。

【pk】
 ぶっちゃけ大事なのは自分らしさです。生きてく上でもプレゼンでも。没個性時代に強い個性。
 プレゼンはその人の性格がよく表現されていると思います。適当に作ったプレゼンはすぐにわかりますし、自信のあるプレゼンはその人がどれだけの力を注いでいるのかもすごくわかります。
 「テレビばかり見てると馬鹿になる」とか言いますが、プレゼンの本や、人の意見をまるまるのみこむ必要性なんか一切ありません。テレビで評論家が言ってる意見をまるまる飲み込む必要性もありません。いかにそれを自分なりに咀嚼して身につけるか。自分なりの色が1番大事なんです。

ゼミの感想

【民主党】

今回のゼミまで行われた一連の民主党プレゼンは、政治に対して疎い自分にとっては、新たな知識を得る非常に良い機会でした。自分は環境問題を扱いましたが、一番興味深かったのは「日本版FCC」について。日本版FCCは金先生もtwitter上で頻繁に議論していますが、何のことだか全く分からなかったので、今回のプレゼンを聞いたことで、透明性(独立性とアカウンタビリティの向上)を高めるために、放送と通信における振興と規制を分離した仕組みを構築していくべきだという基礎的な考え方を理解することができました。しかし、このテーマに関してはまだまだ理解不足な部分も多いと痛感しているので、自分でも色々と調べていきたいと思います。また、自分のプレゼンに関しては、環境問題という誰しもが知っているテーマを選択したので、たくさんの質問がくると思い、準備していたのですが、全く質問がこなくて残念でした。一方で、誰でも知っているからこその質問のしにくさみたいなものがあったのかもしれないと思い、、それなら、自分がもっと議論しやすい論点を提示するべきだったなとも反省しています。聞く人の立場で、これ大事ですね。


【論文】


・X
ポイントエコノミーについて。そもそもポイント制度の目的は、購買の活性化や個人情報の獲得と同時に顧客の囲い込み、ということでした。その通りだと思います。その中で、ここで企業が欲しい個人情報は年齢、性別、名前も大事ですが、それ以上に顧客の購買履歴なのかなと思いました。例えば、20代男性のAさんは、ツタヤでBという音楽CDと、XというDVDを借りていき、10代女性のCさんはコンビニでMという雑誌と、Fというお弁当を購入していきました、というような。これらの購買履歴を男女別、年齢別などで統計を取っていくと誰が何に興味を持っているのかなどを分析できて、商品購入までの効果的な広告(広告というよりは情報)を打てるのではと思いました。実際に、ウェブ上での行動履歴の分析を基にした行動ターゲティング広告は企業の収益増加につながり、以前から注目されている分野なので、それに通じるものがあるのかなと思い、個人的にはX班のテーマには興味があります。

・ぱぴこ
非常に準備されているのが伝わってきました。それでいて、発表する内容をメンバー全員で共有されていることも伝わってきました。そのことは当然であり、簡単なことのように思われるかもしれませんが、とても難しいことだと思います。また、質問に対する山本さんの姿勢には脱帽しました。どんな質問にも答えようとする彼女の積極的な姿勢は本当に素晴らしかったです。答えの部分で、先生に間違いだと指摘された時もありましたが、そういうことを気にせずに、まずは自分が対応しようとすることは非常に勇気のいることだと思います。これは、自分も見習わなければならないと感じずにはいられませんでした。

・ほっとけいき
僕たちの班は、個々に調べるテーマを割り振り、テーマについて個人で調べてきた内容を共有するという形式をとっています。ただ、実際に会うということがなかなか出来なかったのが残念でした。やはり、実際に会って議論した方が伝わりやすいなと個人的には感じました。ですが、会えない分はスカイプ会議などで補い、個々が責任を持って発表につなげられたのではないかとも思います。チームの状態・雰囲気は確実に良くなってきているので、この気持ちを最後まで維持していきたい。


プレゼンをやって改めて感じたことがある。自分がするプレゼンの内容・知識は自分が知っているのは当然だけど、聞き手は何も知らないということ。この当たり前の事実を忘れて、情報量を増やし過ぎて何が一番言いたいのかを伝えきれなかったり、情報量が多いが故に早口になり、スライドの展開も早くなり過ぎて、聞き手にとって理解のしにくいプレゼンになってやしなかったかと感じた。勇気のいることだけど、「選択と集中」の実践が大事だと痛感。聞き手の立場で、これを意識し続けることが自分には必要だなと感じた。

1023ゼミの感想

こんばんは!おーがです。ゼミ生の中で風邪が流行ってますね。かく言う私も昨日から喉の痛みが酷くて大変です。皆さんも気をつけてくださいね。

●はじめに
今回のゼミでは予定がキツキツで、大幅に時間がオーバーしました。私のタイムマネジメント能力に問題はあるのかもしれません。ですが、春学期から何度も呼びかけているにも関わらず、個々人の時間に対する意識が低いのではないかと感じました。しょーじき、一人でタイムマネジメントするのは結構大変です。注意散漫になって議論に参加できなくなったりもします・・(汗)今後は皆の中で時間に対する意識を高めてほしいと切に思いました。来週のゼミでは是非四期生の方々にタイムマネジメントをやってもらい、何か思うところがあれば言ってもらいたいです。

●民主党プレゼン
どのプレゼンも中身が濃くて、なかなか一筋縄ではいかないものでしたが、皆さんのわかりやすい発表のおかげで非常に理解が深まりました。ありがとうございました。新聞やテレビで一方的に与えられるだけの情報を享受していると、「なんとなくわかったつもり」になってしまいます。ゼミの中でもっとこういう機会が増えれば良いと思いました!
個人的に興味があったのは「日本版FCC」と「記者クラブのオープン化」です。どちらのテーマも、以前個人的に参加させていただいた新聞記者の方々との研修会で扱ったものでした。金先生からお話のあった日本版FCCについても少し扱われました。ただ、「社会的な基準」に基づいた上での規制は現段階のBPOが重要な役割を果たしているため、特に必要性が見えませんでした。ですがこのたび先生のお話を聞き、日本社会においてはEconomicsな視点に基づいた規制がされていないという問題点に気が付きました。日本はどうしても「表現の規制」というと、社会的意味合いが強く、「言論の自由が・・・・・」という問題になりがちです。その視点は非常に偏ったものであるということを実感しました。
また、「記者クラブのオープン化」について。記者クラブについては私も疑問を感じています。記者クラブに対して発表された情報の引用だけが「取材」と言えるのかどうか。政府が公開しない(したがらない)ような情報にアクセスすることも必要ではないか、そう思うからです。しかしだからといってメディアが記者クラブを自ら進んでオープン化するとは思えません。やはり大手メディアにとって記者クラブは便利な制度であり環境だからです。よって、民主党の「政治主導型社会」の理念に基づき、政治家や各省庁がイニシアチブをとって「オープンな会見」を心がけてしまって良いと確信しました。・・ただ、記者クラブに代わる新たな「囲い込み」(?)環境が生まれる可能性はゼロではないとは思いますが。

●論文発表
全部で3チームが発表しました。準備期間が一週間しかなかったにもかかわらずよくできていたと思います!まずは私達の班について。時間配分に関しては完全に練習不足でした。今回はあまり集まる時間がとれなかったのが原因です。今週以降は少なくとも一週間に一回は必ず全員で実際に会って話す機会を設けようと決めました。またフィードバックとして新たに「インターネットを用いた選挙活動」がテーマにあがりました。実は論文で扱ってみたいことのひとつだったので、うれしいです!頑張って調べます。
論文チームXは、先週よりも格段にメンバー間の意見のコンセンサスが計れていたのが良かったです。ポイントカードを経済に当てはめるという視点がわかりやすく説明されていたので理解が深まりました。ポイントカードという仕組みが日本独自のもの(戦略?)だとは知りませんでした。切り口がTSUTAYAの事例に特化し過ぎていたように思ったので、違う事例を調べてみても面白いのではないでしょうか!
ぱぴこ班は、ブレスト→論文の目的を見出だす、という流れがちゃんと汲まれていたのが凄かったです。角川×youtubeの成功例から、プラットフォームビジネスの理想形がどのように生まれるのか・・・とても楽しみです。
また、全体的に、四期生のプレゼン能力が上がりまくっていると感じゾクゾクしました。(嬉しさ&焦り)

●おわりに
プレゼンテーション・キムという新たな企画が生まれましたね!どうなることやらどきどきです。ただ、自分に言い聞かせるようでアレですが、周りと比較して焦りを感じるのではなく、自分なりに自分らしいプレゼンを目指す姿勢は忘れないでいたいですね。
来週は四期生企画!間に合うか間に合わないかの瀬戸際ですがなんとしても参加したいとこです!頑張ってくださいね!!

ゼミの感想

今日もお疲れさまです。

【民主党プレゼン】
今回も自分が知らない話がたくさん出てきて、大変興味深く聞かせていただきました。
特に、日本版FCCの話はツイッターで金先生と中村さんの会話を見ていたものの、まるで知らない話だったので、直接金先生からお話を聞くことが出来たことはとても良かったです。BPOの報告書はたまに読むのですが、あまり重大な意味を持つ抗議が届くことは少ないように見えます。あくまで主観ですが。なので、たとえ独立機関にしてもあまり仕事はなさそうだな、と思ってしまいました。先生方が何年も話し合って決着のつかない内容を、民主党が今後どうまとめて実行するのか、気になります。

【論文中間発表】
私たちぱぴこ班は、先週壁にぶつかって金先生と面談をし、方向を修正しました。それが水曜の夕方で、水曜の夜から1泊合宿で改めて話を進め直し、まとめました。1週間で進んだ終着点までの道のりが、少ないものに感じられてしまうかもしれません。しかし、UGCモデルを分析し、角川と比較したことで知ったこともあり、無駄な数日ではありませんでした。先週斎藤さんもブログに書いていましたが、論文は1本の線に沿って進むものではないと思います。この寄り道が、今後何かをするときに役に立つことがあるかもしれません。そうした意味で、この1週間は、ぱぴこにとって充実したものであったのではないでしょうか。
次の発表までに、新たな切り口とそこから得られたものをみなさんにお見せできるように、がんばりたいと思います!

自分自身のプレゼンについての反省です。まず、褒めていただけて凄く嬉しかったです。とだかさん、まりあんぬ、金先生、評価シートに書いてくださったみなさま、ありがとうございました!
プレゼンを得意分野に変えたい。そういう自分の姿勢に対して、いつもフィードバック・アドバイスをたくさんくださるぱぴこの3期生2人に感謝しています。三田論は想像以上に幅広く、たくさんのものを学ぶ機会で本当にありがたいです。

【プレゼンテーションkim】
そんなアドバイスをくださる人たちがいる金ゼミだから、しっかりまとめたら素敵なものが出来る気がします。それを読んで、どういったプレゼンが良いものなのか知るだけでなく、そこから得られるものを自分の得意とする分野とうまく絡めて、自分色のプレゼンを作り上げなくては!
と、思ったら自分が入っていました。びっくりしています。読んだ本・いただいたアドバイスを自分なりに噛み砕いてプレゼンしようと思います。がんばらねば。

金ゼミにおいて、スライドを使ったプレゼンも大切ですが、それよりも大事なのは派生すべき議論です。より良い議論が今後出来るように、いろいろ4期生も考えています!

2009年10月23日金曜日

【ホンヨミ!】ITにお金を使うのは、もうおやめなさい【菊池】

 『クラウド化する世界』の著者、ニコラス・G・カー氏の2005年の著書。4年前にもかかわらず、クラウド化が進む中で生じている現象をあらかじめ予想していたような内容もあった。もちろん、本書にはクラウドという言葉は一言もないのだが。現在、クラウドコンピューティングの進展により、多くの企業は無駄な投資を回避する手段を得ている。自前のサーバーを構築することは必要条件ではなくなり、必要な分だけを借りてくれば良い。ハードに限らずソフトも、より低コストなあちら側からのサービスとなり、従来のソフト販売のビジネスモデルから脱却しつつある。

ITへの投資が大幅に減る現象を、本書の著者は「ITのインフラ化」という視点から述べている。ITのインフラ化とは、今までは差別化要因と見られていたITへの投資が進み、誰もがそのような戦略をとるようになるにつれ、IT技術がコモディティ化してしまうことだと言える。

しかしコモディティ化とは、誰もがそれなりに満足できる水準を持つことでもある。水道というインフラに誰もが満足しているように。この誰もが満足している中でひたすら技術開発を続けても、技術の供給過剰(オーバーシューティング)が進み、その分の上乗せコストを嫌いほとんど使われなくなる恐れがある。現在、ネットブックのような、必ずしもハイスペックではないパソコンが、その安さから人気を集めているが、これもこのオーバーシューティングの結果であると言える。

クラウドとはこのITのインフラ化・コモディティ化の延長に存在する破壊的イノベーションなのだと思う。インフラとなっていたITは、クラウドによってさらに低コストで使用できる道が拓かれたのだ。

最後に、本書を通して、インフラ化から破壊的イノベーションの流れという思考のフレームワークを得られた気がする。このパラダイムシフトが起きるタイミングを、これからじっくり観察してみたいと思った。いつかはクラウドもコモディティ化が待っているのだろう。

【ホンヨミ!】プレミアム戦略【金光】

プレミアム戦略  遠藤功



本の筆者の意図をくみ取ってよめなかったような気がした。
プレミアム戦略――ブランドについての話。読んでいるうちに、ブランドは商品だけれどまるで人間のようだな、と思った。
「すべての人にアピールするプレミアムは存在しない」「カスタマーよりファンを作る」これはブランドが目指す形。安売りしないというのがプレミアムの価値を高める。誰に対しても八方美人ではなく、少しマニアックかもしれなくてもそこでのファンを作れる価値を維持することが大切。

「ストーリーがあるもの」消費者は商品とそしてその裏にあるストーリーにも重きをおいている。そのストーリーを知り、それを身につけることで自分自身のストーリーも増えるような気がするからではないか。結果だけではなく、いやむしろ軽視されそうなプロセスを重視するという事実は少し新しかった。

また、「主観があること」がブランドの作り手として求められる。あっちこっちへなびくものはブランドとして確立できない。そしてブランドが確固としていても、消費者に「判断基準のもとになるべき自分」があって初めてプレミアム市場は成り立つ。自分も相手も主観を持つこと。持っているけれど流されてしまうのではだめ。

そして「世界共通、グローバルを目指すこと」。

こうして見ていくと、それをそっくりそのまま人にもあてはめられそうだ!と思った。プレミアムと呼ばれる商品であってもそれは人が作り出す。プレミアムという言葉の持つイメージには「高級」「贅沢」のほかにも「特別」がある。人がひとりひとり違って特別な存在であるように、商品もまたそのような存在になっていくことがプレミアム化なのかもしれないな、と思った。

【ホンヨミ】「買う気」の法則【池亀】

「買う気」の法則/ 山本直人

90年代以降、消費者の「買う気」の構造は大きく変化した。景気の悪化を受け、現在消費者の間では低価格志向が広がり、また若い人を中心に消費行動自体も変化しているそうだ。それに応じて、作品として切り離された「額縁広告」はすでに衰退した。今の広告に求められるのは、単に低価格をうたうだけでなく、「買う気」を高める新たな戦略が必要らしい。本書にあるクロスメディアのABCDモデルというのは面白かった。ここでは詳しく述べないが、このモデルとしては、消費者の心理と行動状況に応じた以下の4つの広告戦略が提示されている。

・モデルA=Attention「喚起重視型」
・モデルBBlend「情報融合型」
・モデルCConsumer「消費者生成型」
・モデルDDevelopment「周辺開発型」

これらを図で表したものを見るともっと分かりやすいのだが、ともかく、マーケティングにどのモデルを選択し、そして何より消費者の「買う気」を刺激するような情報設計をする必要があるとのことだ。

本書でもう一つ印象に残った内容がある。それはマーケティングの際、マーケターに求められる能力の一つを「思いやり」(言いかえれば、対人理解力とでもなるか?)としていることだ。広告をつくる際、徹底的に消費者の側に立って物を考えられる人が、消費者に気持ちを動かし、また「買う気」を呼び起こすこともできるのだろう。

【ホンヨミ】ウェブ進化論【池亀】

ウェブ進化論/ 梅田望夫

3年以上前に書かれた本ではあるが、とても興味深い内容だった。中でも面白かったのが、第四章の「ブログと総表現社会」である。ここでは、既存の検索エンジンの「能動性」という限界について示されている。ここで言う「能動性」というのは、現時点で検索エンジンを用いれば、関心を共有する書き手と読み手が、検索エンジンに入力された「言葉の組み合わせ」を通して出会うことまでは可能であるが、それは依然として能動的なメディアであるということだ。またもう一つ問題点として、今の技術では、検索対象の表現行為がテキスト情報ではなく、写真、音楽、映像といったマルチメディア情報になった場合、それを検索するシステムなどが現在は全く存在し得ないということがあげられている。このように当然ながら、「言葉の組み合わせ」すら入力されていない状態では、検索エンジンは何も返すことはできないのが現状である。

このまま受動性という面でのブレイクスルーがない限り、総表現社会の可能性はそこでとどまるとして、筆者はここで「検索エンジン×自動秩序形成システム」の構築に期待を寄せている。それは、検索エンジンは提供者は、世界中のウェブサイトに「何が書かれているのか」ということを俯瞰できるとともに、世界中の不特定多数無限大の人々が「今何を知りたがっているのか」ということも正確に俯瞰できる可能性をもっているからだ。

本書にはこの他にも興味深い点がいくつか述べられていた。あとでこの本の参考文献をチェックしてみようと思う。

【ホンヨミ!】クラウドの衝撃【菊池】

 本書はクラウドコンピューティングの仕組みや、その運用のされ方まで、よく網羅されている。特に目新しい事項はあまりないのだが、ある程度知識を掘り下げていくという意味では価値ある一冊だろう。

 クラウドという概念が登場する前まで、ユーティリティコンピューティングやグリッドコンピューティングなど、クラウドにかなり近いものはすでに存在していた。それらの境界線は非常に曖昧で、今もなおはっきりと違いを説明している書籍はほとんどないが、本書では、これらの技術とクラウドでは一体何が違うのか、わかりやすい要素に分解し説明されている。そこでキーワードとなっているのは、分散と集中、そして利便性である。例えばグリッドコンピューティングは、分散したリソースを用いるのに対し、クラウドはベンダーによって集中管理されている。歴史的に見て、コンピューターシステムの世界は分散と集中を繰り返してきたというのは自明であり、本書でも触れられていた。そのような中、このクラウドは「集中」へと向かっているのである。さらに、以前獺(かわうそ)班のプレゼンで勝部君が言っていたように、クラウドの本質の一つとして言えるのは、「規模の経済性」である。前述のベンダーによる集中管理というクラウドの性質に加え、この規模の経済性は、データセンターの集約化を促進している。なぜなら、データセンターがデカくなればなるほど、コストが下がり利益率も上がるからだ。

このように、クラウドが集中化に向かっている中で、はたして今後、分散はどのような形でやってくるのであろうか。その一つの在り方として、ネットがP2P型に分散し、巨大な処理能力を備えた並列計算空間は完成するのであろうか。それが近い未来か遠い未来かはわからないが、その分散のあり方というものを想像してみるのも面白そうだ。

2009年10月22日木曜日

【ホンヨミ!】小さな家【斉藤】

 小さな家 ル・コルビュジュエ

 建築家のル・コルビュジュエが、隠居後の両親のために立てたスイスのレマン地方の湖畔の家についての設計からエピソードに至るさまざまな説明が記載されている本だ。たくさんのデッサンと少ない文字で100ページ足らずであるが、建築に限らず物事の本質を突くような言葉が並べられている。

 特に私の印象に残ったのは、窓の設計についての記述だ。ル・コルビュジュエ氏は、建築の中で最も難しい部分は窓だと言っている。なぜならば、窓をつくることは限りなく広がる風景を任意に切り取るという行為だからだ。住居人はその切り取られた風景をその家が存在する限り一生目にし続けるわけである。たとえどんなに壮大な美しい山の風景でも、起床から就寝まで見続けることになったとしたら、威圧的で見苦しいものになったりはしないだろうか。窓から見える景色は、日常生活の中で常に付き合っていかなければならない景色である。そう考えると、どの建築家もきっと熟考に熟考を重ねた上で、どこに窓をつけるか、を決定するのだろうか、と当たり前であるけれど不思議な気分である。考えたこともなかったことなので、目から鱗だ。

【ホンヨミ!】テッラ・マードレ母なる大地【斉藤】

 テッラ・マードレ母なる大地 エルマンノ・オルミ

 御存じの方はあまりいないと思いますが、今週はイタリア語週間です。これは世界的なもので、イタリア語学習者のためのイベントが世界各地にあるイタリア文化会館で行われます。東京は九段下にありニューヨークの次に規模の大きいものだそうです。イベントとしては講演、映画の上映、留学説明、イタリア語教育についての議論などがあります。また今週の土曜には東京の大学が集い、イタリア語学習者によるちょっとしたパフォーマンスを発表し合います。慶應は「カラオケ」をやります。イタリアの有名な歌を2曲歌います。私もイタリア語を履修しているので土曜日はパフォーマンスに参加してきます。
 本ではないのですが、水曜日にこれらのイベントの一環として上映されたドキュメンタリー映画「テッラ・マードレ母なる大地」を見に行ったので、そのドキュメンタリーについての感想とさせていただきます。まずテッラ・マードレとは、「良質な食品の生産者と、優れた味覚を持ち人間を尊重する品質を求める人々をつなぐことを世界食生産者コミュニティ会議」のこと。イタリアではトリノで隔年、スローフード活動として世界各国から食物関係者や学生、有識者などが集まって議論やワークショップを通じて食についての課題を考える。日本ではスローフードの初の試みが今年横浜で「スローフード・ジャパン」として行われる。このテッラ・マードレの代表であるスローフードインターナショナルの会長のカルロ・ペトリ―二氏とエルマンノ・オルミ監督の共賛でこのドキュメンタリーは作られた。監督は2008年にトリノで行われたテッラ・マードレの様子をドキュメンタリー風に撮る。世界の食糧不均衡を訴える開発途上国の女性、出稼ぎ途中で息絶えた息子の無念さを語る母親、校庭を菜園にすることに成功したアメリカの高校生。さまざまな人が壇上でスピーチをする姿は、世界の食の問題について強く訴えかけるものだったが、私はむしろ後半の無声映像に強く感銘を受けた。カメラは、ごく普通の老人が営む農業の様子を朝から夜まで、春から冬までをただ単に移す。種が撒かれ、土がかき回され、そして食物は成長し、食される。ただそのサイクルであるが、映像を見て土の「生」を感じた。気がつけば最近土に触れていない。先日国文学の講義にもあったが、土は有機物である。安価・効率を重視した農業では、化学肥料の使用により有機物が死滅してしまうということを忘れてはならない。
 スローフードについて考えることは、同時に自然の営みについて再度認識することができるので、また普段の生活では決して認識することができないので、たまには「効率」という言葉から離れてみるのもいいことではないかと思う。

2009年10月21日水曜日

書評 オーバーアチーブ 竹内

オーバーアチーブ

どうせ組織の一員になるなら、ハイパフォーマーでいたいとは思う。
ただ、ハイパフォーマーになるのは、難しい。そんなハイパフォーマーになるための心構えが本書にはあった。ハイパフォーマー育成の観点からの記述が多かったが、今回はその記述は無視した。

ハイパフォーマーは、問いから答えを導く力に秘密があると思う。
その方法として、問いの細分化、類似項との比較がある。この2つは僕自身いつも意識していることだが、実際に実行するのはとても難しい。特に類似項との比較は、常に自分の知識をアップデートしていく必要がある。比較対象は多いほうが良いし、問いを細分化したときにぴったりと比較できるような例はあまりないからだ。

また、仕事を早める方法論としてフレームをつくるということが挙げられている。これは、なかなかできない。やろうとはしているが、そのフレームが間違っていたら的外れになる。といったように臆病になってしまう。それは、自分の分析力の甘さが原因だと思う。知識を得ることも重要だが、少ない情報から発想して正解の近いところまでもっていける思考力を付けていきたい。

【書評】デザイン思考の仕事術【栫井】

デザイン思考の仕事術/棚橋弘季

ふと思い立ってデザインの本を買おうとしたところ、この本を勧めていただいた。2時間後に購入し、そして12時間後、つまり今書評を書くに至っている。思わずどんどん読み進めてしまった。非常におもしろい本だった。

私はデザイン思考についてもよく知らなかったが、デザインという言葉自体も飾りの意味で捉えてしまっていた。デザインとはそんな狭義なものではなかったのだ。
デザインとは、人の生活の在り方を提案することだ。単にモノを飾る方法を考えることではなく、使う人の視点を研究し尽くし、プロトタイピングを繰り返した上で実践されるものなのだ。プレゼンテーションzenでも学んだが、技術だけがあっても意味がないのだ。人にとって必要なモノの中身があり、それに付随するものとして機能・技術がある。そして同じようにプレゼンの手法にも活かせることだが、人を観察し、人の動きを模倣することは、人にとって使いやすい/見やすいものを作ることにもなる。
本書の内容で特に印象に残ったパートがある。モノが経済上のみのものになってしまい、実際に使われる人々の生活、つまり文化から引き離されてしまっているという話だ。人と製品を離してしまうから、モノの需要がついてこない。結果、モノ余りと言われてしまう。筆者の言うデザイン思考を経たモノは、使う人を常に想定し、文化に密着しているから需要が生まれる。本書に書かれたデザイン思考のプロセスは確かに時間がかかるし大変かもしれない。しかし、このプロセスを経るか経ないかで、顧客の満足度は決定的に変わるのではないだろうか。今私が読み進めているP&Gの本も、「消費者はボス」とあるが、消費者の調査を徹底したイノベーションは結果として勝利をもたらすのである。

この本が与えてくれたヒントはいくつもあるのだが、そのうちの一つは知識を増やすことの大切さだ。それも、ただインターネットやテレビ、本を読んだだけでわかったつもりになってはいけないということである。つい、わからないことがあったとき、ググって「よし、わかった」と思ってしまうことは多い。だが、それはわかったつもりになっただけで、実際外に出て体験しなくてはわかったことにはならない。デザインに必要な発想は、たくさんの知識が絡み合い、反応を起こして出てくるものだが、そのためには他分野に渡って様々なものに触れていくことだ。今の自分にはそれがとても少ない。今すぐに自分一人の知識を4倍にすることは出来ないが、それを可能にしてくれるのがグループワークだ。本書にはグループワークの進め方についても参考になることが書いてある。方法論だけ知っても「わかった」ことにはならないと筆者は言う。ここで学んだことを少しでも理解できるように、三田論などを通して実践していかねば、と思う。

2009年10月20日火曜日

【ホンヨミ!】ウェブはバカと暇人のもの【大賀】

中川淳一郎著「ウェブはバカと暇人のもの-現場からのネット敗北宣言」(2009年、光文社)
2009年10月20日読了

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 なかなか衝撃的なタイトルだ。衝撃的というか、挑発的というか。事実、この本は挑発にあふれている。私のような「インターネット中毒」の人間は作者に言わせればひきこもりやニートと一緒。ただの暇人なのだ。そう言われるとカチンときてしまう。というわけで、本書の最初の方はとにかく、文字通り「イライラしながら」読んだ。WEB2.0は大したことないって言ってるくせに、この作者はインターネットを最大限に利用した仕事をしているではないか。何という矛盾。その癖、インターネットユーザーを馬鹿にしたような語り口。腹が立たない方がおかしい。第一筆者は「インターネットで会話を楽しんでいるユーザーの言葉遣いは稚拙で馬鹿だ」と言っているけれど、それは一種の「ペルソナ」であって、別に彼等が本当に馬鹿かどうかはわからないじゃないか。‐以下悶々。
 しかしふと考えれば、まあ、私だって、インターネットを信じて活用する一方で単なる「遊び」に利用している面もある。梅田氏の言うようなWEB2.0は確かに凄いとは思うが、それがどうした、という感じもする。こうやってキムゼミブログに書き込んでいる今も、別の窓(ウインドウ)では2ちゃんねるが開いているし(ちなみに私は歴史関係のスレが好きだったりする)、うっかり誘惑に負けてニコニコ動画を見てしまうこともあるし、mixiのエコー機能を用いて友人たちと他愛のない会話を繰り広げることだってある。結局のところ、私の生活の大部分を占めているインターネットは「暇つぶし」と「娯楽」の意味合いが強いのだ。
 筆者は言う。「ウェブの仮想世界においては、居酒屋や放課後の教室などで繰り広げられるどうでも良くてくだらない会話がほとんどである」と。確かにその通りだ。その「他愛の無さ」を、やれWEB2.0だ、やれ顧客の素直な意見だ、と言って神格化して利用しているのは企業だが、はたしてそれが正しいのかどうか。本書を読んだ後に色々と考えを巡らせてみると、甚だ疑問である。

【ホンヨミ!】日本のポップパワー【戸高】

中村伊知哉・小野打恵編著『日本のポップパワー』

 それなりに事前知識がある本なのですらすらと読むことが出来た。この本を読んで再び認識し直したのは、ポップカルチャーに対する日本政府の、クリエイター向けの教育や支援システムの欠如だ。
 そもそも日本は従来から文化の保存、発信に対して鈍いような気がする。イギリスではバンクシーといったアーティストが有名だが、彼のスタイルはストリートアートである。待ち中にゲリラ的に描くという手法をとっている。



 











 彼の作品がただの落書きとして消されてしまったこともあるのだが、保存しようという動きも強い。
 以前見たニュースなのだが(ソースは忘れてしまった)フランスかどこかで街中の落書きが問題となっていた。その落書きは、日本でもよくあるただの落書きもあるのだが、日本画のオマージュのような芸術性にとんだ作品も多い。そこで政府は市民に全ての落書きをプリントし、配布した上で、どの落書きを残すべきかというアンケート調査を行ったらしい。
 こういった落書きアートを日本でも残していこうといった動きは少しずつ見えてきているが、国民全体で参加して趣味を文化にといった動きは見えない。
 論文を進めていく上で、角川デジックスの福田社長が、「趣味で文化は育たない」という言葉を見つけた。まさしく日本の現状は、多くのアマチュアクリエイターが存在するものの、それは趣味の段階でしかない。彼らの才能を活かすためのプラットフォームをコンテンツホルダーが作ってやることが必要なのだろう。
 日本のポップカルチャーを世界に広めていく上で、政府が行うだけでなく、コンテンツホルダーがしてやるべきこともあるのだ。

【書評】プレゼンテーションzen【栫井】

プレゼンテーションzen/Garr Reynolds

この本を読んで痛感したのは、自分が今までプレゼンに関して考えていたのは、小手先の技術に偏りすぎていたということです。スライドのテクニックや見せ方しか考えられていなかったような気がします。プレゼンテーションで大切なのは、単純なスライドのテクニックだけでなく、プレゼン全体をデザインすることにあると感じました。デザインということばも、今まで誤った認識をしていたようで、スライドを飾ることではなく、コミュニケーションをわかり易くすることなのだと気づきました。
プレゼンにおいて、視覚的なもののほかに大切なものとして、物語性を持つことがある。プレゼンには、事前に内容を考えて決めるという作業が当たり前だが必要だ。そして決めた内容を、どうすれば聞き手にとってわかりやすく、興味深く受け取ってもらえるか、ストーリー立てて綿密に準備することも必要なのである。スティーブ・ジョブスの魅力的なプレゼンも、緻密な準備あってこそである。
今の自分に欠けていることがいくつも見つかって、反省することが多かった。次回からはこの内容を活かして、自分らしいプレゼンを向上させたいと思う。

この本には、何人かのすばらしいプレゼンターのスタイルが紹介されていたが、なかでも私が好きなのは高橋征義のスライドである。シンプルでわかりやすいし、テンポが良いプレゼンが出来そうだ。ワンフレーズ、ワンスライドの形が好きなので、こういった形を自分のプレゼンに採りいれられたら、と思う。
http://www.rubycolor.org/takahashi/xmldevday8/img0.html

プレゼンの達人が書いた本だけあって、レイアウトも見やすくて、写真が多くてイメージしやすい。得られるものの多い本だった。

ゼミの感想

・論文中間発表
まず獺班。ブログを読んでいて、各々がいろんなベクトルに向かった現状分析をしっかり進めていると感じていました。それを統合して方向性を共有できたら、どんどん進行していきそうだと感じました。再来週の発表で、どんなテーマが提示されるのか、楽しみです。
次に美食倶楽部。プロセスを可視化していくのはとても良いと思いました。それぞれ違うテーマを扱っているので、その方が聞いていてわかりやすいし各班の進め方を見るのはおもしろそうです。
X班。一人でよくこれだけ作ったなあ、と素直に賞賛の気持ちになりました。来週は3人揃うということで、個々人の力が合わさったらどのような発表になるのか楽しみです。
そして、ほっとけーき班。ヴィジュアルを大事にしたプレゼンで、説明されているウェブサイトがどんなものなのか、わかりやすく聞くことが出来ました。全体の画面で1枚だけだと、どうしても口頭説明が多くなってしまう感じがするので、話しているところをクローズアップするとか、ウェブサイト以外の絵のイメージを入れてみるとかすると、もっとテンポ良くプレゼンが進むのではないかと思いました。

自分の班に関しては、4人で緻密に話し合いを重ねた成果が出たと思います。わからないところは曖昧にしないで即質問、すっきり帰る。これがぱぴこのやくそくです。
自分自身のプレゼンも、だんだんすっきり自分を出しながら話すことが出来るようになってきた感じがあります。納得いかないところまでちゃんと突き詰められたおかげだと思います。
質疑応答で、自分が言いたいことが上手くまとまらなくなってしまったことが悔しいです。私はちゃんとすぐに頭の中で考えを言葉に出来ないことが多いので、もっとさっと処理できるようにしたいと強く思いました。

・民主党プレゼン
「バラマキ」という表現はよくニュースなどで聞く言葉で、しかし何がどうバラマキなのかよく理解していませんでした。目的がしっかりしていればバラマキではない。なのに、なぜバラマキと表現されてしまうのか。目的だけでなく、インセンティブ設計であったり引き起こす負の効果まで視野に入れたものでなければ、バラマキと言われてしまう。ほかのバラマキと表現されるもの(子ども手当など)にも当てはめて考えてみようと思いました。

・そのた
ゼミの最初に時間をいただいて、ハロウィン企画の話をさせていただきました。
ふとしたきっかけで自分が前に立つことになったのですが、大勢(といっても20人足らずですが)に説明して、決をとって・・・という作業は案外に難しいです。自分の言いたいことがちゃんと伝わっているのか、この話題に乗り気だろうか、いろいろ悩みながら話したせいで逆に狼狽えていた気がします。フルマインドは大切ですね。
ちなみに、ゼミの後から着々とハロウィン企画は動いています。当日をお楽しみに!

2009年10月19日月曜日

1016ゼミの感想

三田論

三田論皆さんのプレゼンはどれも興味深く聞かせていただきました。
どの分野も自分がしらない分野ばかりなので、とても勉強になります。

うちのグループについてちょっと話します。
僕らのグループは、論文に対しての取り組み方が少し特殊です。
実際に会って議論するという時間が他の班に比べ、極端に少ないからです。ただ、タスクに対しては、しっかり遂行しようということになっています。
情報を共有して、それぞれの議論点を上げ、それを担当者がまとめてプレゼンするという形で行うことになっています。ただ、今回に限ってはその流れがうまくいかず、スライド作りを一人で行ってしまいました。それを決めたのが、水曜の夜だったからです。スライドに落としこむ時間が1日しかなく、他のタスクの関連から3人の足並みがそろわなかったことが原因として挙げられます。反省します。しかし、その点に関しては、3人で話し合い、まとまったつもりです。

僕らの取り組みが見えにくいということもあり、問題が大きく見えてしまったものと思います。なんだかんだいって、この3人は同じ方向を見ているので、当事者たちは問題に感じていません。皆さんにはご心配をおかけして申し訳ありませんでした。今後も三田論に関して精一杯取り組んでいきますので、ご指導の程よろしくお願いします。

民主

今回も多様な視点に触れられ、とても楽しかったです。特に、田島さんの教員免許についてのプレゼンには考えさせられました。特に義務教育の時期には学校の時間は一番長い時間であるし、先生は一番長い時間触れ合う大人です。教師の負担がとても大きくなりますが、充実した勤務環境など国全体で支援して欲しいものです。

1016ゼミの感想

遅くなって申し訳ありません。

・三田論
前回から進んでない、という金先生の指摘は、その通りだと思いました。知識量が多いのは確かで、それを示さないと評価はされない。次回はXファクターをきちっと示したいです。ぱぴこ班はものすごく分かりやすくて、方向転換したのにすごいなとおもいました。やるかやらないかはすべて気持ちの問題だなと思いました。あとオープンIDの話や、行政の話など、色んな知識が吸収できて楽しかった。どこの班もカラーが出ていて非常におもしろかったです。

・民主党
農政が思った以上に難しくて、どうしたら理解してもらえるかというのをかみ砕きすぎて、言葉づかいが荒くなってしまったのが反省です。本当は減税とかJAの話もしたかったのですが、4分という枠だと中々難しくて残念でした。あと内容ばかりに気をとられてスライドがおろそかになってしまったのが心残りです。あと、政治を考えるにしても、経済の知識がどうしても必要で、切っては切り離せないんだなと思いました。

1016ゼミの感想

【三田論】

・美食倶楽部

最初に一週間の流れを紹介するプレゼンの仕方がすごく良いなと思いました。一連のMTGの流れを示すことによって、聞いている側の理解も深まるし、論理飛躍をより防げると思いました。プレゼンの中の“googleは著作権問題など様々なしがらみがあるが、出版社は未来性がある”という話がとても印象的でした。

・獺

 戸高さんもブログに書いていらっしゃいましたが、ブログなどを見ていて、獺班は現状分析・現状把握がすごく進んでいるなと思いました。プレゼンに関しても、プレゼンターは一人ですが、皆でちゃんと共有されているのだなと思いました。Xファクターがどうなるのか、すごく楽しみです。

・ほっとけーき

 テーマがとても興味深いです。アメリカとは違った日本ならではのオープン化はどういったものが望ましいのでしょうか。また、誰かが言っていた(菊池君だっけ?)「オープン化は必ずしも政府が進める必要はないのではないだろうか」という意見もとても興味深いです。

  ネオ茶の間時代と言われる現在、私たちはグループではなく個人単位でメディアを使用し、情報を受信・発信しています。もしかしたら、国の情報においても、 ○○庁や○○市という単位でなく、○○庁に勤める誰誰だとか、○○市の市長という単位で情報発信・受信を行う方が、本当の意味でオープン化が望めるのでは ないかなと思いました。オバマのように。

・竹内君の班

 ポイント・エコノミーとopenIDについて詳しく知ることが出来て良かったです。セキュリテイの問題以上に、企業がopen化に踏み切れない理由をもっと知りたいです。また、1位の企業をどうopen化させるかという話もでましたが、SNSでこの話がでたときにも気になったので、とても興味深いです。

・ぱぴこ

  この2週間、私たちはどのような道筋で論文を進めていくかということと、その上で現状把握・現状分析・他社分析にほぼ全ての時間を費やしてきました。かな りの時間、この“どのように進めていくか”という部分について話し合ったため、比較的議論が迷走せずにすんだと思います。グループワークで一番怖いこと は、メンバーが議論に熱中する余り当初の目的を忘れ、全体を見る視点を忘れてしまうことだと思います。

 上記の通りまだ私たちは情報を集め、分析することしかしていないので、これからが本番だと思います。UGCの理想モデルにどれだけ私たちらしさ(私たちがやる意義)が出せるか、またどれだけ一般化できるかが肝なのかなと思います。ひとに甘えず、地道に取り組んでいきたいです。

【民主党】

 金先生がおっしゃっていた“普遍的な答えはない。文脈から考えること”ということがとても勉強になりました。何に対しても、常に大きな視点と細かい視点を持って文脈を読むことを心がけたいです。

【最後に】

 今回、プレゼンチェックシートを使うことが出来なかったこと、後期から一生命 動いてくれていた村山くんに対して、同じ四期として本当に申し訳ないです。そして忙しい金曜日に毎回用意してくれていた村山くんに対して、今まで自分はあ まりにも感謝の気持ちが足りていなかったと思います。そして自主性も足りていなかったです。今回この大事なことに気付けてよかったです。

2009年10月18日日曜日

ゼミの感想

・論文

 論文は一本の線になっていて、流れに沿って書き進めていくものだと思っていたが、今回のプレゼンを通して考え方が変わった。論文プレゼンは単に途中経過を示すものではない。一回ずつのプレゼンは、完成までの道筋を構成する一要素ではあるが、それはそれで完結型なのかなと思った。一回ごとに、テーマの一要素を掘り下げてプレゼンする。先生は一回ごとに順位をつけると仰っていた。毎回各班ごとにミッションを決めてプレゼンのために全力を尽くす。そうすることにより、それぞれの要素がよりブラッシュアップされていく。論文はそれらいくつもの要素を理論によって繋いでいくものだと思った。ただの一本線ではなく、点と点をつなぐことで完成する線。今回のプレゼンでは、どの班も最初の一歩である「テーマ」という点が完成したのだと思う。これからどの点とどの点を繋いでいくのかをよく考え、また一つ一つの点を魅力的なものにしていきたい。このようにとらえれば、一回一回のプレゼンに向けて頑張ることはとても有意義になる。

 個人的に最近プレゼンを見たり自分が作成していて不思議に思うことがある。まだ文字が発明されていない時代、人間は絵あるいは記号を用いて意思伝達をしていた。そしてもっと伝わりやすいように、と文字が発明された。でも今私たちはプレゼンで何かを伝えたいと思うとき、文字よりもビジュアル化を重視している。意思伝達の方法が逆行しているようで面白く感じたが、何よりも言えることは、言葉と絵は最強のペアだということだ。


・民主党プレゼン

 一番気になったのが農業の話。地方自治に興味があったので、以前「ふるさとの発想」という現・鳥取県知事が書いた本を読んだことがある。そこには主に小泉政権時代の三位一体改革についての批判的な意見が書かれていた。地方の自立競争力を高めるために地方交付税を大幅に減らすというこの政策。しかし競争力がつくどころか、貧しい地方自治体は地方税収のほとんどを交付金に頼っていたために厳しい財政難に陥った。財政的な基盤が整っていないところにムチを与えてもそこから生まれるものは何もないということを学んだ。だからこの生産費が価格を上回る農家には、その分の補てんは政府が行う、という政策は肯定的に見てもいいのではないかと思っていた。しかし議論の中で指摘されたように、不足分は政府が補てんするという保証があれば、自主的に不足を補う努力をしなくなる。努力してもしなくても結局は補てんされる。これでは努力をしていくインセンティブは全く湧かない。民主党は、三位一体改革の反省を生かし、教育や環境など5つの項目に分け、補助が必要な自治体が必要に応じて補助の使い道を指定することができる一括交付金を構想している。農政についても、このように各農家の必要に応じて補てんしていくことを考えなければならない。ただし、政府と農家には情報の不均衡が存在するため、政府が農家について現状把握できるような信頼性のあるシステムが必要だ。そして政府は競争が損なわれない程度に上手く配分していかなければならないと思った。

かけぬけて秋

 1週間ははやいものです。もはや夏休みがとても昔のことのように思えます。

【論文発表】
 ぱぴこ☆ぱぴこ班は意外にも1位でした。ぱぴこ☆ぱぴこのチーム名の由来から話していきます、まだ話していなかったと思いますし。
 世の中にはパピコというそれはそれはおいしいアイスがあります。パピコは2本セットで販売されており、その性質故なかなか1人では買うことをためらってしまいます。
 我々のチームは4人で1つです。パピコは2本で1つ。じゃあパピコを2つにすれば4人で1つだという意味を込めてぱぴこ☆ぱぴことなりました。
 そんなぱぴこ☆ぱぴこが当初考えていたテーマは前回の論文発表の時点で捨て、新たに3つの案を持って挑んだ面談。1つは先生が考えていたテーマと一致していたのですが、結局今回の「角川のYouTube戦略から見るUGCウェブマーケティング」となりました。
 1週間と少しで0からここまで持ってきたのはよくやったと思いますが、この次が大変です。もっともっと全員の知恵を結集させてさらに上を目指していかねばなりません。
 池亀さんがブログに書いてくださっていた、「研究対象を角川の例だけでなく、このwebマーケティングスタイル参考に他の企業にも提言するというかたちで、テーマに広がりがを持たせているのも良いなと思いました」というのも、今後論文の方向性を考える上では頭の片隅においておかねばならないことだと思います。
 大賀さんが書いてくださっていた「ひとつ思ったのは、例えばMAD動画などで、特定の歌手の歌を用いている場合、その歌手に対しての使用料はどのように払うのだろう?という仕組みについてです。(いわゆる、コンテンツの『著作隣接権』ですね)BeeTVのGoodShare形式のような明確な体制が必要だと思います。」という点は、YouTubeやニコニコ動画など、動画共有サイトが基本はJASRACと提携しているはずなのですが、角川の事例をとってみますと、角川からクリエイターに対して広告料の一部が還元されるのは、角川が保有する素材を使ったMAD(つまり他のサンライズとかの素材を使わないだとか)と、ユーザーが出演する動画(踊ってみたとか)に限られていました。その場合、他のUGC(例えばavexチャンネル)にあてはめると、もしavexが権利を保持するコンテンツを他のMADや自分が歌ってみたなどに利用して投稿した場合の利害関係は整理しとかなければいけないと思います。
 他にもみなさんからもらったフィードバックを活かしていきたいです。どうもありがとうございました。

 次に他の班についてですが、まず獺班は、ブログとかを読んでいてもわかるのですが、現状分析の進展具合はたぶん1番だと思います。ただクラウドという広くとても深い分野をあつかっているのでなかなかアウトプットの部分で苦しんでいる段階なんだと思います。でも現状分析の量が多ければ多いほど、これから論文をいかに進めていくのかはわかりませんが、企業へのヒアリングへ行った時に困らないと思います。実際去年の論文でそれは感じましたので。そしてヒアリングから得た知識を組み立てていく際にも新たな視点が見つかって爆発的に進むと思います。
 美食倶楽部は個人的に出版という分野に果てしなく興味があるので、美食倶楽部とも論文をしてみたいと思ってしまうほどの出来だったと思います。僕も僭越ながら意見というか提案というかをさせていただいたのですが、google book searchがある中、いかに出版社が付き合っていくのかということを考える際に、出版社がいかにウェブとの親和性を持ったコンテンツを出していくのかといったことも重要になってくると思います。
 ほっとけーき班はプレゼンのスタイルが変わっていていいなと思ったのですが、「絵+文字」で勝負した方がもっとわかりやすかったと思います。1つのスライドを使ってる時間が長いし、その絵で伝えたかったことを最後に文字として1スライドはさんでいればもっと理解につながったのではないかなーと。
 たけうちの発表は相変わらず分析もしっかりしていてさすがだなと思いましたが、3人の能力が全て結集した時の爆発力に期待です。

【民主党プレゼン】
 農業も奥深いんだなって感じました。補助金が無ければ価格を下げるインセンティブが働き、価格競争が起きる。しかし補助金があるために売れ残ってもその差分が補填されるので価格を下げずに高いままになってしまう恐れがある。よって、補助金を出すならばコスト削減や改良品種の開発にのみ使えるようにし、農家と消費者にwin-winな関係を築けるようにしなければならない。
 でも政府が農家に持っている情報と、農家がもっている知識には雲泥の差があり、そこでの情報の非対称性(取引間の情報格差が大きく、正しい取引が行われないこと)が問題になっているためなかなかうまく進まないのが現状だ。よく大臣が現場視察に赴いているのをテレビで見る機会があるけど、あんなのパフォーマンスじゃなかろうかって斜に構えてみていた自分が恥ずかしい。情報の非対称性を解消するためでもあったんだろうな。

【最後に】
 今回、ゼミの最初にかこいさんとうちやまさんが代表として30日の企画について話し合う機会を設けてくれた。すごくありがたかったし、30日が楽しみになった。
 ただそれを決めるための集まりに寝坊やらなんやらであまり人が集まらなかったのも聞いたので、その辺はもうちょっと協力的に個々が動いても良いんじゃないかなって思ったりもしました。日吉と三田で難しい所はあるだろうけどね。

【ホンヨミ!】考具【金光】

『考具』 加藤昌治

噂の一冊。まわってくるまでもどかしかったので、自分で借りて来ました。
でも金ゼミで実践している内容も多く、意外と新鮮さはありませんでした。

  ・1枚1アイディア
  ・大きい字で書く
などは、最近ノートを書く時に気をつけていることです。紙をけちけち使うのではなく、広々と使うように。1枚1アイディアの方が、アイディアが大切に、重要に感じられる効果があるのはなるほどと思います。
 
  ・タイトルをつける
これは論文チームでのチーム名と同じだと思います。名前をつけると愛着もわくし、イメージもできる――せいしゅんぴんくのときに特に感じたことです。
 
  ・カラーBATH 
「顔に見えるものを見つけよう!」と幼稚園の時にポンキッキでやっていた募集を思い出しました。確かに何か一つテーマをきめてあたりを見渡すと、意外なものに気付いたりします。初めて行った場所だと全体に平等に注意を向けます。だから初めての場所では細かいところも気がつきます。だんだんなれてくると必要なところにしか気がつかなくなる。だから気がつくと机が汚れているのかもしれません。

オズボーンのチェックリストとIDEOのブレストの秘訣はメモしておきました。でもメモするだけでは世の中の99パーセントの人と同じ。変化がありません。さっそく論文のチームという活かす場があるので、ほっとけーき班で活用していきたいです。

【ホンヨミ!】天才の読み方【金光】

『天才の読み方』 斎藤孝

いろんな人に、おもしろいよねーこの本!と言われて、今クール一番最初に読み始めました。
天才というのはもちろん努力しての天才だけれど、中途半端な人は天才といわない、もう超越しているような人のことを天才というんだな、とまず思いました。
そのあとに読んだ『考具』とも重なるけれど、とにかく「量」が一つのカギだと思います。この本に出てくる人は共通して量、もちろん真似できないほどの超人的な量をこなしています。少しの生産が上質なものを生むとは思っていません。高額で少ししか買えないからこそ価値があるようなブランド品を売るわけじゃないのだから、とにかく量をこなしたり書いたり作ったりできるかどうか。やり続けられるということはその分野が合っていることかもしれません。でも、合う合わない関係なしにやれるかどうかも運命の分かれ目ともいえると思います。イチローはきっと野球以外でも成功しただろう、とありました。もし~というのはわからないけれど、量を生み出すという意味では分野は関係ないという意味だと思います。

イチローは自分が部活を始めてから興味がある選手でした。今回私が読みながら選んで書きだした、イチローの強みは「課題を自分で設定し、粘り強くやる力」「主観だけでは独りよがりになる。自己客観視」「常に原点、新鮮さ」「感謝を忘れない」「自分の中の基準で動く」です。自分にないものを中心に選んでいました。ここから私を自己分析すると、どうやら「客観視」が不足していると同時に「自分の考え、軸」を持ちたいと感じているようです。
そして他の天才からの教えは「BIG WAVEが来たらとめずにやりきる!」というものです。さっそくですが、昨日の夜は全く眠くならず、頭もどんどん吸収できるモードだったので、いつもなら寝てしまうところを止めずに作業つづけました。今朝も、すっきりと目覚めました。これはいいので続けたいです。

ゼミの感想

みなさんお疲れ様です、池亀です。

【論文プレゼン】
まず、美食倶楽部について。最終的なテーマ設定に至った思考のプロセスが非常に分かりやすく示されていました。前回のプレゼン段階では、テーマ設定の過程で「飛躍」があったということですが、今回はその反省を生かそうというという高い意識がひしひしと伝わってきました、すばらしいと思います。
続いてぱぴこ班。全体を通じ、プレゼン内容に全員で十分コンセンサスがとれているのが感じられました。私はこの班のテーマについてよく知らなかったので、今回の情報量あるプレゼンはとても勉強になりました。テーマの切り口としても独自性があり大変面白いと思いましたし、また、研究対象を角川の例だけでなく、このwebマーケティングスタイル参考に他の企業にも提言するというかたちで、テーマに広がりがを持たせているのも良いなと思いました(恐縮です)。
ほっとけーき班。プレゼンターが二人ということで焦る気持ちはあったかもしれませんが、それでも上手に発表されていたと思います(たびたび恐縮)。今回アメリカの事例が多く取り上げられていましたが、それらを参考に今後どういった日本のGovernment2.0を提言されるのかとても楽しみです。テーマの趣旨とは外れてしまうのですが個人的にひとつ気になったのが、Government2.0を設立することによって政府の情報が完全にオープンにされているような錯覚を市民が覚え、その結果知らないうちに国民が政府に誘導されるのではないかと少し不安に思いました。
ポイントエコノミー班。竹内君ひとりでプレゼンすごくよく頑張ったと思います。ただ、メンバー人数がもともと3人ということはありますが、やはり一人でプレゼンというのは寂しい気がしました。この班にはこの班事情があると思いますが、3カ月という短い期間を考えると、早いうちに現状を打開し、個々の高い能力を存分に発揮されるといいなと思います。そうなった時のこの班のパワーはすさまじいでしょうね。次週も発表ということで大変だとは思いますが頑張ってください、楽しみです。

獺班について。一見するとこの1週間進歩がなかったかのように見える獺班ではありますが、実際中にいるメンバーとしては必ずしもそうは感じていません。むしろかなりのスピードで進んでいるというのが実感です。ただ確かに、今週Xファクターについての詳細な発表ができなかったことは大きな反省点だと思っています。獺の論文ではとにかくXが一番の勝負所になるというこで、おそらく、結論は急いではいけないという慎重な意識がはたらいていていたのだと思います。今週からは少し意識を切り替え、みんなでX探しに奔走します!これからまだまだスピードは加速します。
さいごに私個人的な反省点としては、1週間のうちにできること・到達できるところの"限界"を、自分自身で早々と決めつけてしまっていたことです。ひとまず"限界"という概念はきれいさっぱり頭の中から消して、昨日より今日、今日より明日というように、日々自分自身を越えていきたいです。そしてこの三田論が完成し3カ月を振り返った時に、あれが今の自分の"限界"だったと言えるといいなと思います。

【民主党4分プレゼン】
どのテーマも大変興味深かったです。テレビのニュース番組ではあまり取り上げられないテーマについても考えることができて良かったです。今回議論を全体を通じつよく思ったのが、物事を考える際はさまざまな視点から考えることが必要で、その点私はまだまだ短絡的な思考に陥りがちだと再認識しました。

2009年10月17日土曜日

ゼミの感想

●論文発表

 今、私たちのグループは産みの苦しみの真っただ中。クラウドをどういった切り口で掘り下げていくのか。この論文の中で一番重要なところであり、難しいところでもある。来週は色々な意味で盛りだくさんなので、全力で結果をだしていきたいと思います。

 他グループの発表では、Government 2.0のほっとけーきが個人的に面白かったです。多くの新しい事例を知ることもできたし、なんといってもクラウドを用いた政治的キャンペーンやサービスが非常に多いのが印象的でした。例えば市民の声を集めるという機能は、セールスフォースの得意とするCRMと共通する点もあり、大いにクラウドの恩恵に与ることが可能な分野でもあります。今後の発展が気になるところです。

●民主党プレゼン

 今回、自分は内需拡大による成長戦略を扱いました。最近特に関心のあった経済分野でのアウトプットにチャレンジできたことは良かったです。ただ、輸出の低下は世界的な需要の落ち込みという原因の他にも、途上国に着実にパイを奪われているという現状やサービス業になかなか移行できていない現状など、様々な要因があるという視点が抜けていました。周辺的な要因にまで言及できることで、より説得力が増すのだと感じました。

 もうひとつ学んだこととして、「どちらを選ぶべきか?」という問いに関してです。何事も(特に政治や経済において)、どちらが良いのかということは一概には言えない。しかしその中で、ある基準軸となるものを相手に示し、それを前提に答えていくという手法には説得力が生まれる。今後は、意識的にこのようなプロセスを踏んでみようと思いました。

反省と感想

【論文】
ほっとけーき班については、突然の2人での発表などのハプニングなどもありました。ここからすごく個人的な話になってしまいますが、自分は準備不足だったなと思いました。時間を大幅にオーバーしてしまったのも、そのあとの鳩山プレゼンの時間も押していたので申し訳なかったです。確かに自分たちの扱う内容はまだ未開拓領域ですが、他の班についても切り口が新しかったり、新しい課題を発見していたり、という状態です。今回の時点では情報収集とその提示、分析が課題でしたが、情報分析の時点なりになにか自分たちの意見を入れればよかったのかなと思います。いただいたFBにも、銭谷さんからもアドバイスをいただきましたが「自分たちならではの提示がないと、何年か経って読み返したときにただの古い情報」になってしまいます。指摘、厳しい批判は思ったより少なかったですが、先生からの4つの指標とみんなからのFBを活かして、自分に厳しくいきたいと思います。
4人の予定がなかなか合わない最近は、勝部くんが書いていた獺方式を取り入れるのもいいかもしれないと思います。
また他の班を見ていて論文に取り組んでいくときに、「客観的な目」を常に忘れないことは大切だと思いました。自分を含め全部の班に共通して、この視線を常に意識することで自分たちだけでも細かい軌道修正がきくと思います。ただすごく難しいからこまっているのですが…

また、山本さんが指摘してくれた通り、今回はプレゼン評価シートを機能させられませんでした。今のシートのやり方が悪いのではなく、当事者意識の欠如だったなと思います。偉そうなことを言っておきながら、すっかり頭から抜けているのなんて有言不実行だなと思います。次回から班のプレゼンは隔週になるので貴重なプレゼンの機会を最大限活かすために、シートも続けていきたいです。


【民主党】
農業のジレンマは、人間の生命の源に関わる欠かせない分野だけに本当に解決が難しいと思います。自分が依然英語プレゼンで行ったような「農業の工業化」はやはり一つの選択肢だと思います。東洋経済で食にまつわる特集をやっていて今読んでいる途中です。(興味ある人はぜひ読んでみてください!)初期投資が高い農業に進出するのは敷居が高いとは思いますが、オフィスワークにはない、体力的、天候のリスクがあってもそれでも農業をやりたい!と思わせるような(特に若者に。)インセンティブを高めることが必要です。と、口で言うのは簡単ですがそれには何が必要なのか、いまはまだわかりません。
田島さんが最後に提示していた、教員の自浄制度を行えるような制度設計を考えてみました。→自分が小中高のときにずっと思っていたことは、先生もつうしんぼをつけるということです。自分が先生だったらこういうとこ気をつけるのになぁ、大人になるとわかんないのかなぁって思いながら授業を受けていたような気がします。だから自分が先生なら、生徒の意見は聞いてみたいです。それと、授業参観のような「オープン化」です。私の高校は授業参観の要望は結構あったのですが許可がでませんでした。公開によって先生も適度な緊張感があるし、生徒ももちろんシャキッと気分転換になると思います。

体調を崩している人が多いみたいです。先輩を見ていると何をするにも「体力勝負!」だなと思います。よく寝てよく食べて健康体でこのまま頑張りたいと思います!

2009年10月16日金曜日

1016ゼミの感想

 こんばんは!おーがです!!最近は風邪が流行っていますね><学部の方でも何人か新型インフルに罹った子が居て、ビクブルする毎日です。私も人のこと全く言えませんが、皆さん身体はお大事に!

●論文発表
 2週間弱でここまでまとめてくるとは…!さすが金ゼミ、侮れない奴らばかりだ!と感じました。まずは私たちのチームであるほっとけいきの発表について。今回は色々と事情も重なって二人だけの発表となり、事前に大慌てで作った部分もあるのでかなり焦っていたのですが、何とか終えることができました。ほっとけいきのテーマだる「Government2.0 in Japan」は、金先生も仰っていた通り、まだまだ未知の世界のことなので、難しさを感じると共にかなりワクワクした気持ちでいっぱいです。私たちが日本の在り方を変えてやる!そんな夢物語を抱きながら論文執筆ができるとは思わなかったので、嬉しいです。今回の発表は、取り敢えずは現状分析をしよう、ということで、具体的な方向性は殆ど考えていなかったのですが…ゼミ生の方々からのフィードバックや、金先生のお言葉にあった「4つの軸」のおかげで、かなり明確化することができました。来週発表ということでまたもやあたふたしていますが(笑)頑張ります!
 次に、他班の発表について。まず、獺班についてですが、チームメンバーが多く、なかなか全員で集まる機会が得られないのは大変だろうと思います。お疲れ様です><ただ、人数が多いということは、その分、皆で最大限のものをアウトプットしていけば最高の「何か」が作り出せるのではないでしょうか。また、勝部君のブログを今読んで「獺ルール」の存在を知りました。成程、プレゼンの方法も工夫されていたんですね!私的には、皆で発表しても良いんじゃないかなあとは思っていたのですが、獺独自のやり方があるならそれを貫いてほしいです!
 美食倶楽部班は、率直に、以前の発表よりもかなりブラッシュアップされていて感動しました。中でも、最初に示してくれた田島さんのアイディアは素晴らしいと思いました!チームごとの活動になると、どうしても閉鎖的になってしまうと思うので、毎回のプレゼンでプロセスを可視化してアドバイスを得られるような仕組みは重要ですね。皆も今後取り入れるべきものだと思いました。またテーマについてですが、「次世代の本の在り方」を考えるのに、amazonの動きをみることは必要だと思うので、是非その辺も研究してほしいなと考えます。
 ぱぴこ☆ぱぴこ班は、連休中に合宿(?!)もしてたみたいで、皆のコミットメント具合がダントツにいいなあと思います。特に、かこいさんとまりあんぬの成長っぷりが目覚ましいです。プレゼンもすごく堂々としていて良かったと思います!(何か偉そうなこと言ってすみません)まあ、スライド内に私のBeeTVの説明があったのが何よりも嬉しかったわけですが…ありがとうございました。4か月近く前の自分のプレゼンを見ると恥ずかしいものですね(笑)コンテンツホルダーとプラットフォーム、そしてアマチュアのクリエーターをwin-win-winな関係でつなぐというのは非常に画期的で面白いです。アマチュアの創った作品=重要な文化をひとつ、という視点は大事です。文化は最初から「文化」として生まれたわけではありません。最初は皆、アマチュアなのです。‐と、まあ、この話は置いておいて。ひとつ思ったのは、例えばMAD動画などで、特定の歌手の歌を用いている場合、その歌手に対しての使用料はどのように払うのだろう?という仕組みについてです。(いわゆる、コンテンツの『著作隣接権』ですね)BeeTVのGoodShare形式のような明確な体制が必要だと思います。
 最後に、ポイントエコノミー班について。情報については皆で共有していたものの、竹内君がひとりがスライドを作成した点には驚きました。今後このチームに関しては色々と議論が行われるかもしれませんが、ゼミ全体で考えていかなければならないことだと思います。まずはお疲れ様でした。ただ、一人で作成したとは思えないほどよくまとまっていたと思います。ライフログに関しては私自身も興味深く聞きました。冷静に考えると、すごく気持ち悪いというか、自分自身がシステム化されたような気分になる仕組みですよね…。

●民主党プレゼン
 時間配分の関係で3人までしかできず申し訳ありません><来週一気にできるといいですね!今回発表してくれた内山さん、菊池君、田島さんは三人とも複雑な事柄をわかりやすくまとめてくれていて、私のように政治経済に疎い人間でもよくわかりました。ありがとうございました!
 個人的に興味深かったのは「教員免許更新制廃止」についてです。この制度が生まれた背景には、「教育の質の低下」があったということですが、だからといって大学の先生のトークショーを聞いて質が上がるのか否か。結局明確な効果が得られないまま(わからないまま)廃止、となりました。しかし、廃止したとしても、代替案が無いのは問題だと思います。どうしたら教育の質が上がるのか。そもそも理想とすべき「教育」とは何なのか。きちんと考えるべきだと思います。


 最後になりましたが、今回、プレゼンチェックシートの導入を忘れてしまいました。村山君一人に仕事を委託してしまっていて、ゼミ生の責任意識が薄かったと私自身も反省しています。今後はプレゼンターが持ってくるというやり方でも良いのではないでしょうか。

21.10.16 ゼミの感想

【論文フィードバック】

我ら獺は、(恐らく)他のチームと異なって、プレゼンとスライド作成をローテーション形式行う。スライドの大まかな流れは、予めホワイトボードに書き出して、言葉もある程度決める。獺方式と名づけたこの方式は、人数が多い上に各々が忙しく、なかなか皆で集まる機会が取れない我々にとってかなり効率的であると確信した。僕としても良いプレゼンの練習となった。

他班の発表はどれも興味深かった。僭越ながら全ての班に対してコメントなりフィードバックを出来て、自分としても大変プラスになった。

順位については、正直言って残念な気持ちになったが、ゼミ後にみんなと話し合ってそれはそれで良かったと思えるようになった。言い訳になってしまうが、獺はXファクターを決定するまでが最大の困難で、その後はジャンボ機が離陸する時のように、一気に飛躍できると確信している。また、集まる回数が週一だったのも反省点だ。逆に最も出遅れていると言う現実を突きつけられて、良い焦燥感が獺に広がっている。獺のジャンボ機は、今燃料も満タンで、滑走路を勢いづけて走っている途中だ。離陸まで後一歩、来週は大切ですよ!

【民主鳩山政権】

今回のテーマは、教員免許更新制度、内需拡大政策、農業政策の3つだった。みんな良かった。これらについて思ったことを書きます。

教員免許更新制度:
勉学の面での教師の質はあまり問題ではないと思う。今日も話し合われたように、問題は道徳、人間性の部分だ。とんでもない教師が世の中にはいる。中には、「とんでもない」部分を満たすために教師になったという奴もいるだろう、とても悲しく憤りを感じる。ただ、広い世界を見渡したとき、そういった人間は必ず存在し、職業選択の自由を与えられているので、制度的に解決するのは難しいかもしれない。大学院制になったら、学生の負担が増え、ロースクールの時ような問題が出るような気もする。

内需拡大政策:
内需を拡大するのは、当たり前のことであり、自民党がそれを怠ってきたとは思わない。しかし、今日本が外需依存、いやグローバルマーケット次第で景気が決まるという現実をどう解釈するかが問題だろう。先生がサービス経済の輸出ということをおっしゃったが、他にも自分なりのマクロの戦略観に則ったソリューションを見つけ出さなければならないと思う。

農業政策:
食料自給率を上げる意義を見出すことに困難を感じていたが、農家保護の意味が少し分かった気がする。古典派経済学の比較優位の立場に立てば、日本のような先進工業国は農業を育てることは放棄し、資源を他の分野に集中させるべきだ。この考えは理論的には正しい。ただし、農業は、国の根幹を担う国内的戦略産業としての側面も持ち合わせている。建設業にも似たような性質があるかもしれない。第一に、単一の職業としてはまだまだ従事者が多い。第二に、主権国家の構成要件である「領土」のデザインに直接的な影響がある。第三に、国民の衣食住に関わる。これはあくまで僕個人の頭で考えたことに過ぎないが、実際大凡どんな国でも農業は保護される。


あと、プレゼン評価シートについて思ったのですが、プレゼンターがオプションとして使うのはどうでしょうか。秋学期最初のゼミではじめて評価シートを受け取りました。最初は評価されることに抵抗を持っていたのですが、実際にはかなり参考になりました。今回も持ってこればよかったと切実に後悔しました。しかし、手間を他人に任せているうちは、本当の意味での評価は期待できないと思います。自分から「評価されたい」「フィードバックを受け取りたい」という気持ちを持って、準備をして、評価をお願いする。この一連の行為が全て繋がってこそ本当に意味があるものになると思います。そういう人のためには貴重な時間を割く意義がある思います。今回の僕のようにそれを怠ったものに、それは値しないと思います。自分の成長のためのことは自分で責任を持つ当事者意識が必要だと思いました。

なんだか長くなってしました。
それでは良い週末を!

【ホンヨミ!】サマンサタバサ-世界ブランドをつくる【大賀】

寺田和正著「サマンサタバサ‐世界ブランドをつくる」(2007年、日本経済新聞社)
2009年10月17日読了

※今週分の3冊は終わってますが、もう1冊読めたのでアップします!
 来週分に繰り越します。

***

 「サマンサタバサって日本ブランドだったの?!」‐恥ずかしいことに、本書を読んで真っ先に思った感想がこれである。ビヨンセにヴィクトリア・ベッカム、イ・ビョンホンなど、海外で活躍するスターたちの広告が目についていたからかもしれない。ファッションに疎い大賀有紗の頭の中では、「サマンサタバサ=ルイ・ヴィトンみたいな高級海外ブランド」だったのだ。まさか日本のものだったとは。しかも、まだ設立されて15年しかたっていない。驚きの連続だ。
 本書は、サマンサタバサ社長の寺田氏が、会社設立の経緯と、経営理念を羅列したものである。さすが、というべきか、文体が柔らかく、語りかけるように進むため非常にわかりやすい。きっとこの社長は、「伝わる」力があるのだろうな、なんて、先週の就職活動プレゼンで先輩が仰っていたことを思い出した。
 とりわけ私が感銘を受けたのは第3章の、「女性が会社を動かす」という部分だ。サマンサタバサが女性向け商品の販売をしているから女性を推しているのかな、と、穿った見方は可能だが、私は寺田氏の「女性」に対する敬意の示し方は素晴らしいと感じた。男性に比べて、女性は自身の仕事に対する責任感や向き合い方がしっかりしているのだと寺田氏は言う。全員がそうであるとは言い難いが、意識が高ければ自然とそうなるのが女性であるらしい。男性が酒を飲んで「うっぷんを晴らす」一方で、女性は黙々と、あるいは泣きながら、怒りながら、自身の失敗を省みて向き合おうとする。―男性には怒られそうだが、私は寺田氏のこの見解に全く同意である。よく、「女はウジウジしている」なんて言われるが、今度そんなことを言われたらこう返してやろう。「ウジウジしてるんじゃない、ちゃんと向き合ってるんだ」と。

 寺田氏は上記の他にも、ブランドを世界的に定着させるために必要なノウハウなどを記している。何だか夢物語のようだが、実際に起きた出来事なのだから信じざるを得ない。今後、日本ブランドが「ファッション」という形で世界に伝えられることが、おこるのだろうか。

[書評]フューチャリスト宣言[竹内]

梅田さんのインターネットに対する楽観的な姿勢は、よく批判の対象になる。しかし、僕はネットに触れている時間が長いせいもあり、そのような嫌悪感は抱かなかった。

この本の中で特におもしろかったのは、ネットの構造と人間の脳の構造は似ているという点だ。
ネットには、有用な情報、無用な情報などが雑多に転がっている。人間の脳も程度の差はあるが同じことが言えるだろう。人間の脳内で、それらの雑多な知識をうまく組み合わせ新たな価値を生み出すことを創造性と言う。これの現象をネットの世界でも再現できるというのが、梅田氏、茂木氏の基本的な考えだ。その例として、ネット上での大学を構想している。実際、ハードとしての大学の意味には僕も疑問を持っている。わざわざ大学に来なくとも、同等な授業がネットを介して受けられれば問題はないからだ。

ネット上での運営とリアルスペースでの大学の違いは学位がもらえるかどうかの違いではないか。学位は日本では特に大きな意味をもつ。教育の格差だとかの議論をするよりも、ネット上で勉強した人々になんらからのライセンスや学位のようなものを与えたほうが効率的に教育格差を埋められるのではないかと考えた。

書評 リスクファイナンス入門 

ITと保険とのかかわりを知りたかったので手に取った。予想していたとおり、本の半分はハイレベルな数式で、数学が苦手な僕はそれを読み飛ばし、概念的な部分だけを読んだ。

まず、保険の5つの原理。危険の分担、大数の法則、収支相当の原則、給付反対給付均等の原則、利得禁止の原則がシンプルなエッセンスとして新鮮だった。リスクの保有と分散、再保険の仕組みなどを大まかではあるが知ることが出来た。

一番知りたかったITビジネスとリスクの章は精読した。IT投資のリスクはITそのものが持つ特徴的リスクに加え、大きく分けて二つあって、「パッケージソフトの導入リスク」「アウトソーシングのリスク」に大別される。ネットワーク保険というのは、もちろん昔からあるが、ITのリスク評価が複雑であることからオーダーメード保険である。また、ITに対する保険は単なる損害補償だけではなく、セキュリティ診断やコンサルティングもかねる場合が多い。

しかし、やはりまだまだこの手のビジネスは未発達である。この章の最後は、「ITリスクは21世紀のリスクともいわれ、リスクファイナンスの新たな展開が求められている。」「事故時の強制捜査や改善命令の法制かも検討されている。」といった具合で締めくくられていて、ITリスクそのものが未発達であることが伺える。尚、この本は平成16年に出版された。

拡張現実と就活と鳩山政権と

大変遅くなってしまいました。申し訳ないです。



【NC ARについて】

 前々から思い描いていたようなNCのベストな形に近いものが今回のNCのチームにはあった。何回か打ち合わせをして、全体の議論の方向性を決定する。その上で、各自のプレゼンを作るといった具合に。

 セカイカメラは、YouTube、あるいはTwitterのようにまずは、early adapter層、非early adapter層と順次取り込んでいって、eyeballを稼ぎ、広告効果を高め、ビジネスモデルを確立することが求められている。そのためにはユーザーの利便性を追求し、その一方で広めやすくすることが重要だと言える。そのためNC中にも出てきたが、明確な規格の統一がなされることも条件としては求められていると言える。

 先の事例2つはどうだっただろうか。確かにいろいろなデバイスで見られるような工夫があり、その意味では規格が統一されている。それだけではなく、APIを公開したりして、ユーザー自身によって利便性を高めるような仕組みを作り上げている。といって「セカイカメラがAPI公開すれば良いんじゃ」と思っていたところ、どうやら公開するみたいで。

 途中で出てきた「ARとは場所にひも付けられた情報」という定義が面白かった。ライフログ系の位置情報や行動履歴を用いたサービスと組み合わせることで、もっともっとARは面白いものになる。例えば、ARG(こっちのARは代替現実の略。念のため。)と組み合わせた"AR"ARGみたいなゲームを作ると、「何日の何時にミッション開始」とか「ここで5分間待て」とかいろいろ可能性が広まる。

 ここまでくると、もはや芸術の概念である「アウラ」の話になってくる。ベンヤミンという思想家が用いた概念であるが、「いま、ここ」にしかないものをまさしくARは備えうる。ネットの「あちら側」に情報があっても、「いま、ここ」でしか見られない情報という新しい現実が生まれるのだろうか。

 ゼミの進行の都合から短い時間で切り上げになってしまったが、非常に興味深かった。



【就活プレゼン】


 めちゃくちゃ参考になった。というか今週一週間のタイムスケジュールを考えると、去年の今頃の2期生の方々のハンパなさがよく分かる。

 多少言い回しは異なったが、それぞれが会社が人の集まりと言っていた点が興味深かった。企業文化でも何でもやはりそれはその企業に集まる「人」が作り出し継いでいくものだから、やはりその人となりを知り、いかにその人たちと恊働できそうかということをアピールすること。これが重要だということが分かった。



【鳩山プレゼン】


 とにかく自分がものを知らなさすぎて驚いた。各プレゼンに1~2は分からないトピックがあり、改めて勉強不足を痛感した。

 「ポピュリズム性」に関して気になった。そもそもが、既存の選挙制度であれば多くの支持がないと何も政策ができない。マイナスの意味で用いられる「ポピュリズム」というのはなんだかんだで期待に添う結果を残せなかったときに用いる言葉であって、それは民主主義的な政策決定には常につきまとう点ではないか。

 ひとつひとつのプレゼン、下調べがしっかりしていた分、もっと議論して理解を深めたいと思った。


[書評]経済ってそういうことだったのか会議

経済ってそういうことだったのか会議
竹中平蔵 佐藤雅彦

竹中平蔵氏と佐藤雅彦氏の対談をまとめたもの。
佐藤雅彦さんの著書はとても好きでよく読むのですが、それらとは毛並みの違うとても面白い本でした。株式やアジア経済など佐藤氏の経済に対する疑問に竹中氏が答えるというスタンスを取っています。アメリカ的な短期利益を重視して、投資するデートレーダーみたいな人々があまり好きではなく、株式の制度や金融の仕組みを深く勉強してこなかったのですが、この本を読んで少し興味を持つようになりました。
特に面白かったのは、通貨についての話だ。竹中氏の「信じるって行為がなくなれば、マネーって意味がなくなっちゃうんです。」という言葉に考えさせられた。普段何も気にせず通貨を使っているが、これは日本銀行を信頼しているという証なのだ。この信頼はあらゆるビジネス面でも価値を持つ。特に情報技術を用いたビジネスにおいて、信頼は重要だ。アマゾンのレコメンドなども他のユーザーを信頼してなくては、成り立たない。クレジットカードなども信頼が重要だ。顔が見えない相手と取引するのにも関わらず、相手を信頼することで価値が生まれるという現代の奇妙な構造が面白いと思った。

【ホンヨミ!】新聞がなくなる日【大賀】

歌川令三著「新聞がなくなる日」(2005年、草思社)
2009年10月15日読了

***

 新聞業界について学ぼうと購入しておいた本、そのさん(?)‐ようやくこれを読むことができた。長かった。なぜなかなか読む気になれなかったと言えば、どれもこれも似たようなことばかり書いていて、「もうわかったよ…」と食傷気味になってしまったことが原因である。本書は今までに読んだ本の中でも割と古い時期に書かれたものというだけあり、事例や考察は真新しいものではなく、面白いとは言い難かった。ただ、「新聞崩壊」の流れを取り敢えず押さえておきたい人にとっては良い本だとは思う。
 本書の筆者である歌川氏は、元新聞記者というだけあって文章が上手いのは当然だが、何よりも比喩的表現が上手いと思う。その部分は非常に読んでいて楽しめた。最終章に述べられている、「情報の『定食』と、お気に入りの『一品料理』」という言葉は的を射ている。つまり、かつて人々は、新聞やテレビといったマスメディアを介して多種多様な情報を得ることに楽しみを見出していたが、現代では、「自分の好きな物事に関する情報」だけ得られればそれだけで満足なのだ。amazonの渡辺さんがゼミにいらした時、私はその現代の人々の傾向を「情報のタコ壺化」という言葉を用いて主張した。(ちなみにこの言葉も、とある新聞記者の方から教えて頂いたものである)‐さて、では、一品料理の次に来るのは何だろうか?―それは、「自分で料理を作って楽しむ」ことではないだろうか。そう、まさに、「クラウド」の力だ。

 新聞は崩壊するかもしれない。しかしそれは、過去の形が変わるというだけで、ジャーナリズムの精神が失われることにはならないのではないか。悲観し過ぎてもどうしようもない。もう少し、未来を明るく見てみよう。
 

【ホンヨミ!】出社が楽しい経済学2【戸高】

吉本佳生・「NHK出社が楽しい経済学」制作班編『出社が楽しい経済学2』

 出社が楽しい経済学シリーズ第2弾。ちょうど今テレビシリーズも同時展開中です。
 この本を読んでよかったと思えたのが、なんとなくしか理解していなかった単語の一つである「規模の経済性」という単語をようやく理解できたこと。生産規模が大きくなれば大きいほど製品1個あたりの生産費用が安くなる、というのが規模の経済性の説明だがこれだけじゃいまいちよくわからない。
 製品を作る際に、固定費用と変動費用というものがかかる。前者は設備投資費、つまりは機械とか。後者は原材料費とか、製品の生産量によって変わってくる費用、変わってくるのはまとめて仕入れたり大量に仕入れることで値引きがきくから。
 固定費用が10億円で、作った製品が10個しか売れないならば、その製品は1個1億円以上で売らなければ利益が出ない。しかし、製品が1億個売れるならば、1個10円以上で売れば利益は出る。つまり製品1個あたりの固定費用は安くなるのだ。よって固定費用の割合が高くなればなる産業のほど、生産規模を大きくすれば、1個あたりの平均費用は安くなる。
 こういった産業に当てはまるのは液晶テレビなどが有名。液晶テレビが当初発売された時は破格な値段がついていたが、今では性能がよくなっているにもかかわらずどこも値下げがすすんでいる。
 もっと身近な例で言うとDVD付きの本。例えばよく漫画でもOVAとかODAが一緒に抱き合わせで書店に並べられていることがある。これにも規模の経済性が働いているのだ。
 本来、アニメDVDとなると5000円以上の価格がするのが一般的だ。それは流通経路が大型DVD販売店やアニメショップ等に限定されてしまうので、生産規模が縮小されてしまう。
 しかし、DVDと漫画を抱き合わせにすることで、書店でも販売が可能となり、流通経路が大きくなる。よって、平均費用がぐっと下がり、3000円前後の値段が販売可能になるのだ。

 こういったように、身近な世界に経済用語は存在しており、それを理解していくのは楽しい。もっと経済学をなんちゃってでいいから勉強したいと思った。

2009年10月15日木曜日

【ホンヨミ!】心に響くウェブ動画マーケティング【戸高】

市川茂浩著『心に響くウェブ動画マーケティング』 

 ウェブ動画を用いた広告を考える際には「メディアイン」というものを考えなければいけない。「メディアイン」とはなんなのかというと、
『インターネットを企業が一方的に情報を発信するメディアとして使うのではなく、顧客とともに商品や広告活動にとって、価値ある情報をともに作り上げていく「場」として活用する。さらに、そこで生み出された価値ある情報をもとに、商品開発やマーケティング活動を計画していく。それが「メディアイン」の発想です。』
 と、宣伝会議の山口氏は言っている。要約すればネットを企業がコミュニケーションが起こるようなインタラクティブな形でマーケティング活用すべき!ってことです。
 さらにウェブ動画をビジネスに活用する4つの方法というのがあった。それは、
1:「その商品が好き」「その商品に興味がある」といった目的をもったユーザーに絞る
2:インフラ投資をおさえ、確実に人が集まる場を利用
3:おもしろく、オンリーワンなコンテンツを用意
4:よけいな所に手を出さない
 というものであった。

 佐藤尚之氏が言っているように今は「ネオ茶の間」の時代だ。つまり、家族がみんなでテレビを見る時代ではなく、それぞれが見たい時に、見たいものを見る時代。さらにウェブの掲示板や口コミサイト、SNSで好きな情報を検索しながら。
 好きな情報を瞬時に検索できる時代だからこそ、自分が欲しい情報への欲求は高まっているのではないか。実際ディグとかでも人気のあるニュースがどんどん上にきて、人気のないものは埋もれていく。ARを用いた広告の未来でも仮想現実に広告を出稿することで取捨選択が進んでいくのではないか。
 だからこそ、ターゲットをしっかり定め広告をうてば、ニッチであろうとその効果は絶大なものになる。さらに動画を利用するならば、インフラ設備に莫大な費用がかかるが、それはYouTubeとパートナーシップ契約を結ぶなり、ニコニコに公式チャンネルをもうけるなりで解決できるどころか、もともとそこに集まる(ニコニコなら若年層やオタク向け)人へ向けてマーケティングを行える。

 あとはいかにモバイルと連動していくか。Bee TVがモバイルの動画配信サービスとして注目を集めたけど、モバイル動画市場はインフラの整っているDoCoMoのほぼ一人勝ち状態だ。まぁスマートフォンがもっと普及すれば問題なくなるんだろうけど。

【ホンヨミ!】変われる国・日本へ【大賀】

坂村健著「変われる国・日本へ-イノベート・ニッポン」(2007年、アスキー新書)
2009年10月15日読了

***

 別に知ったかぶりをしていたわけではないのだが。どうやら私は、「理解した気になっていた」らしい。私の悪い癖だ。よくわからないくせにわかったような顔をして振舞うから、気がつけば他者のみならず自分自身もそれに欺かれてしまっている。‐正直に言おう。私は本書を読み、ようやく「イノベーション」の意味を理解した。
 私はイノベーションの意味を、「新しい技術の開発」と理解するのみで終わってしまっていた。しかし本書には、それだけではないと記されている。「従来のモノ、仕組みに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと」‐これが本来のイノベーションの意だ。つまり、未来の社会に何らかの価値を見出す技術を創り出すことだ。イノベーションの試みには多大なリスクが付きまとう。米国のように、「とりあえずやってみよう!」というアイデアベースの風潮が強ければいいが、日本にはまだその傾向は弱い。寧ろ、「失敗したらどうしよう・・・」「目標を定めなければ・・・」などと言って踏みとどまってしまっている。しかしそれではいつまでたっても動くことはできない。石橋をたたいて渡る精神が必ずしも悪いというわけではないが、「たたいている間に他の人に抜かれてしまう」ことや、「たたきすぎて石橋が壊れてしまった」という事態になってはいけないだろう。
 筆者は本書のあとがき部分に、「政府は直接イノベーションを仕切るのではなく、イノベーションが盛んに生まれるような環境整備だけを行い、あとは天に任せるという市政が重要になる」と見解を述べ、「特定の方向性やイメージに固定化しないこと」としている。この考えは日本社会にとっては非常に斬新なものだろう。また本書のユニークな点は、「イノベーション」関係の本によくありがちな、「アメリカの手法を学べ!」という考えにのっとっていないことだ。日本には日本のやり方がある。日本の良さを、日本なりに出していけばいい。

 読んでみると、少しだけ明るい未来を持てるようになる。良書だった。

【ホンヨミ!】ルポ 雇用劣化不況【大賀】

竹信美恵子著「ルポ 雇用劣化不況」(2009年、岩波新書)
2009年10月14日読了

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 「自分自身が透明になってしまっている気がした」‐私はこの言葉を聞いた時、いいようも無い恐怖とやるせなさを感じた。小学校のときにクラスで起こったいじめを思い出した。いじめられる方といじめる方、そしてどちらの側にも立たずに傍観する方。傍観者は最も罪深い。傍観者にとってはいじめられっこもいじめっこも、「自分とは関係の無い存在」として無視してるのだから。先の言葉は、若くしてネットカフェ難民となり、公園で寝泊りをしていた女性が語ったものだという。私はとある新聞記者さんより、彼女の声を伝えられた。彼女は言った。「公園で寝泊りしていると、自分は誰にも見てもらえない。誰にも関心を寄せてもらえない。そこにいるのに、いないような気分になる。透明人間になってしまったように」
 日本社会には彼女のような「透明人間」が何人いるのだろうか。高度経済成長期の陰で搾取され続けてきた労働者、使い捨ての駒のように働かされた派遣社員や非正規社員、仕事もお金も帰る場所も無くさ迷うホームレス…。日本社会はけして「平和で幸せな」社会では無い。それは上っ面だけのものだ。
 本書は、朝日新聞の記者である著者が書いた「ルポ」だ。その名の通り、単なるデータの寄せ集めではなく、実際に「貧困」の現場にいる人々の声が生々しく描かれている。ひとつひとつのエピソードが心に迫ってくるので、あっという間に読んでしまった。読み終わったときの虚無感と悔しさは、妙に残る。私は将来、何らかの形で労働問題に携わりたいと考えている。その「夢」が確固としたものになった。それほどまでに本書に与える影響は、強い。

 「技能も賃金も高い『美空ひばり』はいらない。これからは、取り替えがきく『モーニング娘。』の時代だ」
 「一度履いたら踊り続けなければならない赤い靴の童話がある。夫はその靴を履かされていたようなものだった」

 どちらも衝撃的な言葉だ。前者は、派遣社員としての添乗員を管理する派遣会社の重役の言葉。後者は、「名ばかり管理職」の任に就かされた夫の心身が弱っていく様を目の当たりにした妻の言葉。企業の成長、利益のために、人がモノのように扱われているという現実がそこには表れている。

 貧困にあえぐ人々を「透明」にさせないために、私たちができることは何だろうか。ひとりひとりが気をつけなければならないことは、何だろうか。真剣に考えねばならないだろう。

2009年10月14日水曜日

【ホンヨミ!】意識とはなにか【金光】

意識とはなにか 私を生成する脳  
茂木健一郎

今週はなぜか茂木さんの本を2冊読んだ。
前も思ったけれど、茂木さんの本には「クオリア」という彼が表現する独自の観点が貫かれていて、でも取り上げている内容は脳科学と聞いて思い浮かべるような堅苦しい専門用語のオンパレードとは全く違うので、とてもとっつきやすい。いつも納得して、そしてこの感覚を言葉にできる茂木さんをすごいなぁと思ってしまってなかなか内容を分析、解釈というところまでたどり着かない。これでいいのだろうか…

簡単なこと、日常生活ではやさしくとらえて使い流してしまうことをとても詳しく難しく考えてしまうことがよくある。でもそれを考えているのも、自分。<私>、さらに言うなら私の脳であること。自分自身の脳の中で生み出される「クオリア」は自分のこれまでのいろんな主観的な体験や過去のクオリアが堆積して生まれるものだから、たとえその時に活発に反応する脳の信号を全部読みとれたとしても、その人と同じクオリアは共有できない。だから、いくら一般的な表現でも、言葉を尽くしても、同じクオリアはその人にしか味わえないもの、ということ。これは前の書評で、「足がシビレル」意味がわからないという例と同じだと思う。

もう一つ、これを読んでいて思い出したエピソードがあった。妹が生まれたとき、5歳だった私は嬉しくて、これから妹も自分も大きくなった時のことをぼんやり妄想をふくらませていた。その時、ふと大きな疑問と不安が頭に浮かんだ。今はこんなに可愛い赤ちゃんだけど、大きくなったら私のこと忘れちゃうんじゃないか?!?と。当時イメージしていた’大きくなったら’というのは、おばあちゃんになるとかではなくて小学生、中学生くらいの年のこと。でも、こんな小さな何もしゃべれないような赤ちゃんが、はきはきと言葉を話す一人前の女の子になることが信じられなかった。急に成長して、その過程で今までの記憶なんてふっとんでしまうんじゃないか、と思っていた。ある日起きたら妹がいつの間にかぐんと成長していて「おはよう、ところであなたは誰?」とでも言われるような気がしていた。忘れられちゃったらどうしよう…と悩んだ。自分のことを考えたらわかりそうなのに、そんなことは頭が回らない。何回考えてもこの謎が解けないので、おそるおそる母に打ち明けてみたが、この質問の意味がわかってもらえるはずはなかった。いつの間にかこの呪縛もについて考えることを忘れ、そして次第に二人とも成長し、「人はだんだん大きくなって、その過程でいろんなことを習得するんだ」ということを知った。
この本にはほとんど別人になるほどのダイナミックな変化が起こっても、<私>が<私>でいるのは、いろんなものを見て感じる内容は成長に伴い変化するけど、見ているもの「対象」自体は変わらないクオリアとして認識しているから、らしい。
また、自分のエピソードで長くなってしまいました。

1009ゼミの感想

投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。

【NC】
 今回のNCは、コメンテーターの2人が同じ三田論チームだということもあり、3人が一週間入念な準備を重ねている姿を間近で見ていたので、どんなNCになるのか凄く楽しみにしていました。また、3人それぞれのプレゼンがとても分かり易くかつ示唆に富んでいて、今後自分がNCを担当するにあたってぜひ参考にしたいなと思いました。
 ARは、デバイスなど未ださまざまな問題も抱えていますが、“どうすれば今後広まっていくか”を考えるのであれば、セカイカメラのようにSNSのひとつとして広める場合と、栫井さんが紹介してくれたようなBMWの広告などのように直接の広告媒体として使う場合とで分けて考えてもいいのでは、と思いました。

【就活プレゼン】
 どのプレゼンも2期生の方々の魅力をとても感じました。また、なによりも2期生の方々が、あのような就活だけでないもっと大きな時限でみた話をしてくださった姿勢に感動しました。もっともっと2期生の方々のお話を伺いたいと思いました。私も2年後先輩方のようなプレゼンができるように、もっと“内なる力”をつけていかねば、と思いました。

【4分プレゼン】
 どのプレゼンもとても勉強になりました。
特に子供手当に関して、今まで私は「経済効果が一過性のものではないだろうか」「子供がいる家庭にだけ給付するのではある意味不平等ではないだろうか」と思い、反対の意見を持っていたのですが、世間で比較的経済的に富んでいる高齢者世代から、若年層にお金を循環させるという意味もあるのだな、と今回思いました。

【ホンヨミ!】ディジタル著作権

   ディジタル著作権/情報の私有・共有・公有 名和小太郎

 論文の関係で読んだ2冊。前者が後者をより細かく記述したもので、内容はほぼ同じあった。
私たちの班では、グーグルブック検索とそれが日本の既存の出版社に与える影響について考える方向なので、その過程で必然的に書籍のデジタル化について扱うことになるため、読んでみた。

 著作権法は、従来想像的な作品の権利を保護するものだ。作品は、記号と記号を媒体するもの(紙、DVDなど)に分けられる。さらに、記号は表現(文章や絵など)とそれが表わす意味とで構成されている。ここで、著作物として保護されるのは表現であり、意味の一部は特許で保護される。かつては記号と記号媒体は不可分であり、それはほとんどの場合、権利者に代金を払って享受できるものであった。しかし、デジタル化によって、記号と媒体が遊離してしまっているのが現在だ。作品という遊離物はネット上を浮遊するようになる。こうなると作品が有形であった時代のように、直接的に作品を著作権保護することができなくなる。その結果、どこまでが著作権で保護されるべきものなのかがあいまいになる。ネット上で公有・共有されていい範囲なのか、権利者のインセンティブを奪ってしまうものなのか。
 筆者は、作品や権利者によって保護する基準を複数設けていくことが必要だと述べている。どのような形の作品も一律に先天的に著作権が与えられてしまうのではなく、権利者の方が意志表示をしていくべき時代が来たのだと思う。作品が無償で使用されていくことで、必ずしも権利者が不利益ばかりを被るわけではない。社会にとってよりプラスの結果が生まれるような新しい基準を模索していくべきときがきているのではないだろうか。まさにグーグルブック検索の問題はそんなことを問いかけている。

 

【ホンヨミ!】フューチャリスト宣言【斉藤】

 フューチャリスト宣言/茂木健一郎・梅田望夫

 ネットのあちら側が充実し、誰もがほぼ毎日のようにあちら側と接触する。これからの未来のキーワードは「ダブルスタンダード」になっていくのではないかと思う。

 本書での対談では、Googleについての言及に面白い表現があった。「グーグルを飲み込んでしまうような何かがこれから現れるのだろうか」 飲み込むという表現が端的に現在のグーグルの在り方を表しているのだと思う。アナログだったものがデジタル化されることにより、グーグルは簡単に飲み込むことができる。書籍はデジタル化され、近い将来全てグーグルに管理されるのかもしれない。ただ、何でもかんでも飲み込んでいくということは、問題点もたくさん飲み込んでいくということである。今まですべての人に対して有益だった基準が、多様性を帯びることにより、ある人にとっては不利益になってくるかもしれない。もはや一つの基準では対処しきれなくなる。そんな時は、ある規準に対してイタチごっこをするのではなく、基準を幾つか設ける方が賢明だろう。

 また、茂木健一郎さんの発言で、なるほどと思うものがあった。茂木さんは、梅田さんとは違ってクリオリア(現実の感覚世界)を重視する方で、一日中ネットのあちら側と付き合っているのは耐え難いものがあるそうだ。しかし茂木さんは、あちら側の世界とこちら側の世界をうまく行き来すれば、あちら側ともうまく付き合えるし、逆にこちら側(現実)の世界もより楽しむことができると考えている。
 私は完全にアナログ派なので、今年ゼミに入るまでパソコンでさえなるべく避けて通ろうとしていたし、今でも深夜までパソコンに向かわなければならないのはとても辛い。しかし時代の流れには逆らうことができなく、避け続けるわけにはいかないので、私もあちら側の世界とこちら側の世界にうまく行き来できるような基準をつくり、拒否するのではなく、より現実世界を充実させられるような付き合い方をしていきたい。

書評 ハゲタカ 真山人著

メーカー勤務の社会人の方に薦められて連休中に買った本。小説を読んだのは久しぶりだったのだが、これは大正解だった。

この小説は2006年初版だから小泉構造改革全盛期に書かれた。僕は当時、規制緩和の波乗った「黒船来航」の空気を、高校生ながらに感じていたことを覚えている。就職ランキングのトップが、財務省からゴールドマンサックスに移り、外資による不良債権処理やTOBが相次いだ。今の評価がどうあれ、当時は、こうしたダイナミクスに魅了され、日本中が酔いしれていたことを思い出す。

この小説の舞台はさらに遡り、僕の生まれた1989年からスタートする。バブルの時代。日本国土の地価と何十倍も広いアメリカ国土の地価は、同じなどという資産を出した人がいるほど、それはすさまじいものだった。そして、そのツケは「失われた十年」という形で日本に圧し掛かる。「失われた十年」の中で迷走する日本の銀行や企業の資産をハゲタカが安く買い叩き、一瞬にして高く転売する展開が、読んでいて興奮を煽る一方、少し心苦しかった。あくまでも小説なのでここまで酷いのはないだろうが。

「失われた十年」が1990年代ならば、2000年代は何だったのだろうか。あと2ヶ月足らずで2010年を迎えようとしている。ここで猛威を振るったアメリカのハタゲカたちは、今やサブプライム、リーマンショックで大打撃を受け、すっかり勢いをなくした。今、脚光を浴びているのは中国や中東を筆頭とする国富ファンド、オイルマネーファンドだがこれもいつまで続くことやら。マーケットというものは全く気まぐれだ。

【ホンヨミ!】そうだったのか!現代史【金光】

そうだったのか現代史
池上彰

今年の夏、ヨーロッパ旅行と韓国合宿に行きました。特にヨーロッパでは弾丸ツアーでいろんな名所と言われているところを転々と旅行したのですが、私はそこに流れている歴史、背景を全然知りませんでした。とても恥ずかしいと思いました。この本の内容ももちろん知らなくて、だから読むのに時間がかかりました。

サダムフセインが処刑されたことは記憶に新しいですが、彼の歴史への登場は自分が生まれたよりさらに10年前のことだということ。アメリカ軍は昔から、よくおとり作戦(こっちから攻めるよ、と思わせておいて、それはおとりで、敵の後ろから不意打ちをする攻撃)を使うらしいということ。キューバ危機では本当に地球が核兵器によって滅びそうになったということ。正しいと思って進んでいても、それが民衆の飢餓などを生むことがあるということ。などが印象的です。戦争をして命がけな国の一方で、それを報道している平和な国もある。国同士で交渉が行われ、解決せず対談はこう着したとしても実際にはその対談当事者同士の雰囲気は意外と穏やかだったりするんじゃないか、と思ったりもしました。
まだ、内容を覚えるまでは出来ていません。この内容は特に有名な歴史の抜粋だと思うので、頭に入れたいなと思います。
ちなみに筆者の池上彰さんは「NHK週刊こどもニュース」のお父さん役でした。中学受験のときに毎週見て、わかりやすい説明を聞いていたのを思い出しました。こどもにもわかるようなやさしい言葉で簡潔なまとめはプレゼンに活かせると思います。

書評 クラウドコンピューティングバイブル

クラウドコンピューティングとその周辺について書かれている。
この手の本は既に数冊手にしているので、得られるものはあまり多くなかった。
一つ気になったことを挙げるとすると、日本企業でクラウドが進まない理由として、日本企業の所有志向があると筆者は言う。何でもかんでも所有しなければ気がすまない。だから、資源を部分利用するクラウドは流行らない、といっている。しかし、僕は違うと思う。それは恐らく心理的抵抗と安全性の問題だろう。情報漏えいや紛失が致命的な信用毀損になるビジネスを展開する企業は、それらのデータを預けるのに心理的な抵抗を覚える。もちろん、見られてはまずい情報もたくさん持っている。次に、安全性だが、100%の保障が出来ない以上、1%のリスクを判断基準の中で増幅させ、導入をためらってしまう。そこで、民間の保険や国の補償制度の確立が待たれる。

2009年10月13日火曜日

【ホンヨミ!】1Q84(book1)(book2)【田島】

(先週の分の書評です。遅くなってすみません)
1Q84  book1 book2 村上春樹

話題の本ということと、授業の課題だったので読んでみた。村上春樹作品は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」以来二作目。村上作品の印象は「面白いけど別に好きな作風ではない」。文章・テーマなど他の作者を逸した独特の雰囲気があり注目されるにふさわしいと思うが、私の好みかというとそういうわけではない。今作を読んだ感想も同じだった。
しかしただ小説の感想を書いても仕方ないので、その授業でも論じられた、この小説の学術的に着目すべき点について書こうと思う。ひとつは、村上春樹が「1Q84」を通じて1984年前後のまだ小説化・学術化されていない時代の再構成をこころみていることだ。このような時間を経ての歴史の再構成は小熊英二「1968」でも試みられているらしい。そちらも読んでみたいと思う。「1Q84」では実在した宗教団体を連想させるような、新興宗教が描かれている。80、90年代に浮上した、政治と新興宗教などの問題に村上春樹は独自の視点で挑もうとしている。
また、この本の中で「空気さなぎ」というアマチュアの高校生が書いた未熟な小説を、小説家である主人公が編集者と組んでリメイクし、ベストセラーを生むという展開があるが、ベストセラー作家が「ベストセラーを生み出す手法」を書いていて面白い。メディアを通じて出版物の「ブランド化」はいかに行なわれるか、この本をもとに考察してみるのも面白いかもしれない。
この本は続編の刊行が決定しており、内容も、そしてその社会的ブームのゆくえも大いに気になるところである。

【ホンヨミ!】イスラームとは何か【田島】

(先週の分の書評です。遅れてすみません)
イスラームとは何か―その宗教・社会・文化 (講談社現代新書) (新書) 小杉 泰 (著)

われわれ日本人にとってイスラーム(教)とはなかなか馴染みの薄いものであると言える。しかしその信徒数は11億人とも言われ、世界で2番目に信者が多い宗教である。従って、世界でこれほどの勢力をもつ教えについて理解を試みることは、国際社会で暮らすなかで決して無意味ではないと思われる。世界を揺るがせた9.11テロを引き起こした「アルカイーダ」はイスラーム過激派とされ、イラクやアフガニスタンや、イスラエルとパレスチナの紛争は世界にとって非常に深刻な問題である。これら現代の問題を真に理解するためには、やはりイスラームの理解が欠かせない。
本書はイスラームの教義や歴史、発展について一から詳しく、しかもわかりやすい表現で解説している。私もこれを読むまではイスラームについて「アッラーが唯一神」や「メッカに向かって礼拝」など、ほぼ表面的にしか知らなかったが、これを読んでイスラームの世界をより身近に感じることができた。ちなみに、本書によると「イスラーム教」という言い方は、語義的に正しくない。「イスラーム」というアラビア語は「教え」という意味を内包しているので、「イスラーム教」だと屋上屋のようになってしまうのだ。このように、本質から理解することによって、いろんな認識の誤りを直すことができる。
私たちはイスラームについて表面的、しかも偏った目で見ていることが多いのではないか。「一夫多妻制」「断食」など文化の違いへの奇異の(しかも「野蛮」という)目や、過激派や紛争問題にのみ着目しての警戒の目。しかし、全てには彼らなりの理由というものが存在する。
特に大事なことは、「イスラーム」はムハンマドが部族紛争を調停したという経緯などから、政教を分離せず、宗教によって社会を形作るべきだという教義があることだ。だからこそ、欧米が彼らにとっての「民主的」で「合理的」なシステムをよかれと思って導入すると、ムスリムはイスラームが理想とする社会を実現できなくなり、過激派のようなアレルギー反応をおこしてしまう。このような宗教のあり方は、グローバル化している現代から見ると確かに非効率であり、ムスリムたちにとって折り合いをつけるべき大きな課題ではあるが、だからといってわれわれ外部の者がその教義を勝手に踏みにじっていいということはない。
「合理的」という言葉はその社会の道徳が決めるのではないだろうか。そうでなければ、働いてる暇があったら他人からお金を盗んだ方が「合理的」という結論もありうる。ならば、わたしたちは、自分たちにとってではなくイスラームにとって「合理的」な方法を考慮することが必要なのではないだろうか。

ゼミの感想

【NC】
途中からの参加になってしまい、議論についていくことができなく残念でした。ただtwitterなどを通じ、担当者3人が今回のNCに向けとてもに熱心に準備しているということは感じていましたし、他のメンバーの感想を読んでもプレゼンにおいて3人の連携が非常に上手くとれていたということなので、すごく良いNCだったのだと思います。スタートしたばかりのセカイカメラは、現段階ではまだユーザーの獲得が優先第一ですが、今後のサービスの発展が楽しみです。

【就活プレゼン】
これまであまり4年生と関わる機会がなかったので、今回プレゼンをきくことができ大変嬉しかったです。4年生の方々はどの方も個性的で自分をしっかりもっていらして、とてもとても素敵だと思いました。また、学年がたった2つはなれているだけで、こうも差があるものかと唖然とすると同時に、それだけ今も刻々と過ぎている大学生活が自分に対し大きな影響力をもつのだということを再認識しました。今というこの瞬間を大切に思いながら、その時できる最大限の努力をし、残りの大学生活を充実させたいと思います。(つねにそれを念頭に持ち続けることはなかなか難しいのですが)正直まだ就職に関しては無知で、そもそも自分がどんな職業につきたいのか、そして社会にはどんな職業や企業があるのかもよく知らないので、今回のプレゼンを期に自分の近い将来についても具体的に考えていきたいと思います。

【4分プレゼン】
4分という時間は、聞き手にとってはとても丁度よい長さだったと思います。これ以上短いと内容が薄くなってしまいますし、かといって長ければ情報量も増え理解が困難になりますし、途中で飽きてしまうかもしれません。その点私は4分という時間を大幅にオーバーしてしまい、本当に良くありませんでした。この原因は、発表の場に立ってもなお自分が最後に提示する「論点」を決めかねていたというのが大きく、最後のゴールが定まっていなかったために、話が右往左往てしまいました。次回からは、単に事象を伝えるだけではなく、自分の視点から考察や問題提起ができるといいです。他の担当者の方々のプレゼンは大変分かりやすく、また、単に情報を並べるのではなく、それを聞き手になんとか理解してもらおうという配慮が伝わってきました。ぜひ見習いたいです。

2009年10月12日月曜日

1009ゼミの感想

NC
今回は初めての担当者でした。
率直な感想としては、「面白かった」の一言に尽きると思います。個人的にはARという今話題のテーマを表層的でなく、いかに深く洞察できるかを自分の課題として取り組みました。まだ納得出来る仕上がりにはなっていませんが、1週間の準備期間を考えれば満足しています。
また、NCはこんなに大変なものなのか!とも感じました。一緒に担当したかこいさん、戸高さんにはとても感謝しています。このメンバーでもう一度NCをやってみたいと思えるメンバーでした。ありがとうございました。

あとプレゼンチェックシートはかなり良いです。とても参考になりました。どうやら僕は態度が悪いらしいです。


2期生によるプレゼン
就活したくありません。
まだ時間があるもののあと1年以上もうっすらと意識し続けなくてはならないのが、本当に嫌です。しかし、それを乗り越えた経験を話している先輩方の表情はどこか誇らしげに感じました。僕自身、そのようなお話を聞いてとても勉強になりました。困ったときは、助けてくださいお願いします。

民主党政権プレゼン
正直まったくついていけてなかったので、プレゼンの様子を主に拝見しておりました。4期生はプレゼンの質が向上しているように思えます。どれも、わかりやすかったです。ただ、スライドなどの作成する基準が似てきているようで、個性がなくなっているのかなとも思います。難しいことかもしれませんが、本の焼き直しでなく、自分の個性をプラスしていけるともっと面白くなるのではないかとも思いました。

【ホンヨミ!】食のクオリア【金光】

『食のクオリア』 茂木健一郎

「食」は私の生活の大きな楽しみを占める行動です。題名を見て思わず手にとってしまいました。

この本を読んで、食のことよりもむしろ筆者の文章の書き方、分析の仕方が心に残りました。
具体的には二つあります。一つめは、「私たちは同じものを食べても、相手が同じように味を感じているか確認できない」というもの。二つめは、社会で生きていくときはお互いが相手のことや行動を信頼して生きているという「信頼の原則」。なぜこの二つかというと、両方とも私が20年間生きてきて不思議に思ったこと、発見したことと同じだったからです。
相手が同じように感じているかわからないという問題は、幼稚園に入る前の記憶です。「足がシビレタ」という母の言葉を聞き、シビレタというのがどういうものなのか分からず、でも母の足と私の足を交換するすべもなく、結局しばらく経ってから――どうやら正座した後の感覚をシビレタというらしいとなんとなく理解しました。
信頼の原則は、中学生のときに車に乗っていて。その時自分が発見した原則は「予想の原則」でした。信号が赤のときは車は走り出さないことを見て、世の中の人はみんな見知らぬ人の行動を、予想してそれに無条件に安心して行動しているんだなぁとぼんやり考えました。だから予想が外れて相手が赤信号なのに渡ったりすると事故が起きるし、100m競走は全員が予想通り100mを全力で走るから競技が成立するのです。その時は予想→信頼まで絞りこむことができませんでしたが、いろいろ連想しているうちにすべてのものにあてはまることに気付いて、なんだか大発見でもした気分になったのを覚えています。

筆者は本文で、味を文字で表すのはとても難しいと書いていました。しかし、文字では表わしにくい概念や感覚、現象を、専門家以外にもわかりやすく書くのが得意なのがまさしく茂木さんだなと思いました。そして、私はこの本で自分がぼんやり考えたことがあることを二つも見つけました。言われると当たり前のこと、原則や決まりでも、人に言われるのと自分で考えて思いついたことはインパクトや印象の残り方が全く違ってきます。私でも二つもこの本の中にあったということは、筆者の著作はきっと多くの読者の共感を呼ぶ分析、内容なんだと思います。そして私はこの本でこの二か所を見た時に自分が正当化されたような気がして嬉しかったです。著名な筆者と同じだった!と自信が出ました。


今、本の表紙を見ていて、食という漢字には「良」が含まれていることに気付きました。良いものをよく食べることは良いことです。

2009年10月11日日曜日

人生は十人十色

・NC

 今までのNCの規格を取り去るような革命的なプレゼンだったと思う。その上、指示が出たからやるのではなく、自主的に自分たちが良いと思うプレゼンについて考え、実行している点を見習うべきだと思った。今まではコメンテーターの位置づけは、なんとなく補助的な情報提供者という感じがあったが、今回は全くそのような感じはなく、3つの側面を見ているようだった。それでいてプレゼンの構造には一本の筋が通っていた。最近、みなさんも言っているように、4期生のプレゼン能力がとても高くなってきてると思う。特に、プレゼンの本などを読んで積極的に向上しようとしている人は、秋学期になって一皮剥けたような感じがする。自分はまだ皮が剥けていない。
 セカイカメラについては以前に聞いたことはあった。その時は何か娯楽のようなものにしか感じられず、どのような議論になるのかと思っていたら、このセカイカメラの議論には、金ゼミでこれまで扱ってきたいろいろな新しいビジネスについて考えるべき要素がたくさん含まれていたことに気づいた。はっきりしているのは主に2点で、まず、群衆の知について。プラットフォームを提供して、コンテンツはユーザーベースで集める形をとるビジネスは、巨大なブレストを行っているようなもので、可能性も無限大に広がるとも考えられるが、一方では衆愚に陥ってしまう危険性がある。群衆の知を利用しつつも、そこにはやはり統一的なフィルターリングのような機能が不可欠になる。しかし、その基準をどうするかも考えなければならないし、まずは普及のために万人に門戸を開いておくべきなのか。そしてダブルスタンダードについて。全ての人に上手く適合するような仕組みは存在しない。ある人に対して有利であれば、必ず不利益を被る人がいる。訴えに対してイタチごっこをするのではなく、基準を2本柱にした方が上手くいく場合もあるのではないか。セカイカメラに関しても、子供やお年寄りのためにセグメント分けをしたらどうか、という話が出た。

・4年生のプレゼン

 このような機会を設けてくださり、本当にありがとうございました。就職活動について漠然とした不安を抱いていたのですが(わからないものが一番恐ろしいです!)、具体的な数字から心構えまでわかりやすくプレゼンしてくださったおかげで、一番の恐怖「わからない」が解消されてきた気がします。プレゼンしてくださった5人の方はそれぞれ本当に魅力的な方なのだと思った。その魅力とは金先生が秋学期初めのゼミで仰っていた内なる力。それははじめから潜在しているものではなく、自分自身の問題意識や関心に基づいて、行動して努力をして初めて得られるものだ。自分にはまだ内なる力がないので、つけていきたい。また、何か一つのことについて一晩中でも語れるような興味深い人間になりたい。自分はまだ白地図のようだと思った。また、一番心に残った言葉は、銭谷さんが仰っていた「過去に目線がいっている人は答えが見つからない」。しっかりと胸に刻んでおきたい。「前みたいにがんばらなくちゃ!」と思うことすら、時に前に進み新しい答えを見つける妨げになるのかもしれない。

・4分プレゼン

 自分の調べたテーマや、議論を通して痛感したことは、普段疎い分野は説明するのも意見を言うのも難しいということ。普段関心がなければ、事実を調べたり聞いたりすることで終わってしまい、問題意識を持つに至らなくなってしまう。その場で聞いて、ぱっと考えられる能力ももちろん大切だが、もっと普段からアンテナを張っておくことが必要だと思った。私は機能ホットラインのメディアコムの歴史という記事を書かなければならなかったのだが、いざ書くとなると自分のボキャブラリーのなさに愕然とし、ここでもまた「普段から」の大切さを痛感した。


今日、私は高校の陸上部の先輩の結婚式の二次会に行ってきました。数年前まで一緒に走っていた先輩が新しい人生のスタートを切りました。こうして私たちがプレゼンをやったり、論文作成したり、就活のことを考えている一方で、全く別の人生を歩んでいる人もいます。その先輩はとても幸せそうでした。人生は十人十色。私も自分らしい人生を生きていきたいです。

ゼミの感想

 菊池です。今回は体調が悪くあまり有意義な時間にできませんでした。もっと自己管理を徹底せねば。

●NC
 グループ面談があり途中からの参加だったので、あまり飲み込めずに終わってしまったのが残念でした。
確か受験生の時だったと思う、「電脳コイル」を少しだけ見ていました。昔からNHKのアニメは好きだったので、さすがNHKクオリティだなぁーと思っていたくらいでしたが、今回のNCに登場したセカイカメラのようなものが現実となりつつあり、非常にワクワクするものでした。

●就活プレゼン
 2期生のみなさん、本当にありがとうございました。とても貴重なお話を今のうちに聞いておくことができて良かったです。就活もなんでも、やっぱり内なる力が評価されるのだと思いました。巷ではどうしてもテクニックや学生時代の「実績」のようなものばかり耳にするけれど、これは十分条件であって必要条件ではない。本当に求められていることは実はとてもシンプルなんですね。半端ない努力が要求されるからこそ、本質的な部分を見失わないよう常にシンプルに考えていくことが必要なのでしょう。

●民主党政権プレゼン
 新政権の政策について、様々な論点が提示されていて面白かった。政策は常にメリットとデメリットを抱えており学問上でも意見がわれるというのに、政治はそこへさらに利害関係やしがらみが入って複雑になる。現実的にはそれをある程度所与のものと考えることも必要ですが、思考材料としてはとても面白いと思うので、来週も深い議論をしていけるよう頑張りたいと思います。個人的にはプレゼンの機会が多くなることは嬉しいです。

ゼミの感想

【NC】

非常に準備されていたと思う。三人がそれぞれ担当者くらいの気持ちで臨んでいることが伝わってくNCだった。その中でも、やはり最も際立っていたのは竹内。自分が調べたテーマを客観的かつ独自の視点から分析ていた。また、知識と情報量に裏打ちされた自分の意見を堂々と言う姿勢は流石の一言。意見を言うにしても、単にARという技術のメリットだけではなく、デメリットにも着目していたが、メリットがあるからにはデメリットも存在すると言った通り一片な理由から両側面の説明をするのではなく、何故デメリットも説明しなければならないのかということを理解している様に感じた。そのような姿勢は見習わなければならないと強く感じた。
ARの例として出されたセカイカメラ。このアプリは現段階ではI phoneでしか利用できないということで、普及のためには、どのようにその他の携帯電話でも利用することが出来るようにするかなど、デバイスの問題が含まれているようだ。しかし、今回一番注目したのは、セカイカメラのビジネスモデルについて。ビジネスモデルが構築されていないだけでなく、誰でも(素人ユーザーでも)投稿できるので、投稿された情報を個人と企業で、どのように区別するのかや、仮に区別できたら広告費はいくらにするのかなど、セカイカメラ市場が内包する市場の潜在性を考慮しなければならないので、非常に難しい問題だと思う。個人と企業を区別したところで、どうにかして個人を装って無料で広告を投稿しようとする企業も出てくるだろうから、管理人の存在も必要になってくるのではないか。ビジネスモデル一つを考えただけで色んな問題が出てくるが、個人的には大きな可能性を秘めており、これから非常に伸びてくる分野なのではないかと思っているので、これからの動向に注目していきたい。


【2期生プレゼン】

僕たち2年生の就活は来年だけど、何かをやりたい、気持ちを入れかえなければならない、そう思わせてくれる非常に刺激的なプレゼンだった。先輩方のプレゼンはどれも魅力的でしたが、特に印象に残っているのは銭谷さんがプレゼンの中で仰っていた①相手の魅力的だと思ったところを盗み、自分のものへと吸収すること②組織の中で、誰かは見ている③「伝える」よりも「伝わる」の三つ。まず、①について。自分がどうしても会得したいと思っている能力を持った人がゼミの中に三人いる。その人たちは僕に無い能力を持っているだけでなく、同時に自分の目標でもある。あんな風になりたい。そう思わせてくれる単に頭が良いだけでなく、非常に魅力的な人間。この能力は意識の変化と、その意識を持ち続けることを習慣化することで自分も得られるものだと思うので、単に盗むだけでなく、是非自分のものとして吸収したいと思う。次に②について。いつ・どこで・だれに・どのように見られているかは分からない。実際、自分も見られていたことに全く気づかなかった。でも、そこで見られたお陰で自分の行動を評価してもらえた。とてもありがたいこと。これからも、責任を持った行動・言動を心がけたい。最後に③について。大事なことは「相手目線で考えること」。その通りだと思う。自分では、自分の言ったことの真意が相手に伝わっていると思っても、相手にとってはそうでないことは良くある。自分がどう思うかだけでなく、相手が自分の言いたいことを理解しているのか、常に相手目線で考えていかなければならないことを教えてもらった。


【4分プレゼン】


4分という、いつもより1分も短いプレゼンにも関わらず、皆とても良く調べてきていて、同時にその分析力
には脱帽です。また、皆の感想にも書いてある通り、4期のプレゼン力が非常に上がってきていると思う。スライドは見やすいし、やはり皆さんすごいですね。ちょっと意識を変えるだけで、すぐに成果に結びつけるのは簡単なことではないと思います。ただ、皆のプレゼンが上手かったからこそ感じたこととして、自分がプレゼンをする際には、あくまでスライドはプレゼンに説得力を持たせるための一つの手段であって、目的はプレゼンを通して自分の言いたいことを伝えるということ。この二つを混同して、良いスライドを作ることに専念しないようにしなくてはと強く思った。さらに、本から学ぶことはもちろん重要なことだが、自分らしさ・自分の個性は残したいとおもった。
内容として面白かったのは、勝部の「ポピュリズム性」について。勝部の論点はいつも独自の視点から考えられているので、聞いていて勉強になるし、とても面白い。同時に自分に足りないもの。単に本に書いてあることを語るだけでなく、そこから何を得るのか。どのように、自分独自の視点に統合できるか。優秀な人間とそうでない人間の違いはそこだと思った。

2,3,4期の集合知!

NC

練りに練られた構成だったと思いました。スライドも全体的に統一感があり、飽きさせないプレゼンでした。セカイカメラという旬な話題に関連していたことや具体例が多かったことが良かったと思います。新しい技術でがあるけれど、空想の世界(アニメとか、物語とか)では出てきそうな、感覚的にわかりやすい概念だっただけに、議論が、現実離れした夢物語で終わってしまう可能性も大きかったと思います。でも、プレゼンター側が、議論を手放しに見るのではなくちょこちょこ自分たちの見解をはさみながら進行していたのがよかったと思います。
ビジネスモデルを設計するより前にtwitterのようにまず知名度を高める、とか、youtubeのように法律にはグレーゾーンでもまず公開、挑戦してみることなど、これからの新技術はそうやって広まっていくのだろうなと思いました。また、これはとても素朴な感想ですが、セカイカメラを使うことが増えたりARを使う機会が増えたら、それを写し出すハードウェアとしての”カメラ”の電池は寿命が長いほうがいいなと思いました。携帯電話はカメラやムービーを多く使っているとすぐ電池がなくなってしまうので…。


就職活動プレゼン

貴重なお話だったと思います。今は「テンションの高い鬱だったよ」とか「感情の起伏が激しくなる」とか、さらっと言う言葉の裏に大変な経験もいっぱいあったんだろうなと思いました。理論じゃなくて経験からの言葉だから心に残るものがいくつもありました。就職活動は企業と学生の心理戦みたいだなと思いました。
また、4年生の先輩が「緊張した」と言っていたのは驚きました。全然そんなふうに見えませんでした。


4分プレゼン

みんなのプレゼンを聞いていると鳩山政権の方向性、問題点も見えてくるというすごく有益な時間でした。政治が専門のゼミではなくても、発表しているし議論ができました。今回のゼミは盛りだくさんで時間がぎゅうぎゅうだったのが残念です。

個人的には私のpptは戸高さんにお借りしたZenや、プレゼン評価シートのときに「良いプレゼンとは?」と考えたことをきっかけに、脱今までの自分。を目標に作りました。その結果、内容よりも見栄えに気をとられすぎたんじゃないかなというのが反省です。でも結果的に、良かったよという言葉をいただいて、すごくうれしいです。ただ色が強すぎたので、もっとやさしいものを使いたいと思います。(センスよく配色したい!と思って、頭に思いついたイメージがポールスミスのしましま模様だったので…)
4分を超えてしまいましたが、実際に調べた情報から思い切って取捨選択しました。今までは盛り込みすぎていたと思います。また、良いアイディアが思いつかず、最後の提案を、自分の意見にできなかったのは残念です。その点、勝部君は自分の分析、提案をしていて一歩先だな、と思いました。
一人4分は制約にはなりますが、だからといって広く浅くにならずに、広く深く学べるところがよかったです。

今回のゼミは2,3,4期大集合で全期生がプレゼン&議論できたゼミでした。

書評 「クラウド・ビジネス」入門 林雅之著

論文チーム獺の輪読書。クラウドコンピューティングとは、PC側(ローカル)で処理を行うのではなく、ネットの「向こう側」にある巨大なコンピュータ上で処理を行うシステムのことだ、と著者は言う。これが普及することで、企業内でIT資源を構築する従来型のシステムに比べて、劇的なコスト削減をもたらすことが可能となり、その分、資金や人員をコアコンピタンス(自社の核となる強み)の領域に集中する事ができる。つまり、事業の「選択と集中」という意味で経営資源をより中核的事業に集中することができるようになる。これが本書で述べられている事の骨子であるように思える。

著者によると、クラウドコンピューティングには具体的には7つのメリットがあり、それらは「ユーザーにとってのメリット」・「開発者、提供者側のメリット」・「経営側のメリット」の3つに分けられるという。

ユーザーのメリット:
①システムの導入費用及び運用費用が削減できる
②必要な時に必要な分だけ、最新の高機能なサービスを利用できる。
③いつでもどこからでもグローバルな規模で業務が遂行でき、コラボレーションができる
開発者、提供者側のメリット:
④クラウド基盤上の開発環境や運用環境を利用し、アプリケーションを開発/運用できる
⑤企業規模に関わらずクラウド基盤を利用して、大規模なサービスが提供できる
経営側のメリット:
⑥クラウドサービスを柔軟に活用しながら企業経営ができる(固定費を削減し、生産性を向上させる)
⑦システムの運用保守などの専門担当者がふようになり、または削減でき、コアコンピタンスに集中できる

これらのメリットに関する具体的事例として、例えば、特殊ネジの専門商社ツルガがSalesforceのCRMプラットフォームを利用することで業務の可視化に成功した例や、日本大学がGoogle Appsを導入することでメールシステム構築のコストを劇的に削減した例、あるいは東急ハンズがクラウドを利用した、社員のスケジュール管理を行っている例などが紹介されている。

これらのことから感じるのは、クラウドの普及によってIT活用における企業規模による格差はなくなりつつあり、いかに情報システムを自社経営に「利用」するかというIdeaこそが競争優位に立つ上で重要になってきているという事だ。そのような中で、魅力的なコンテンツ/システムを創り出す創造性こそが市場における競争力の源泉となっていくのだと思う。