2009年10月18日日曜日

ゼミの感想

・論文

 論文は一本の線になっていて、流れに沿って書き進めていくものだと思っていたが、今回のプレゼンを通して考え方が変わった。論文プレゼンは単に途中経過を示すものではない。一回ずつのプレゼンは、完成までの道筋を構成する一要素ではあるが、それはそれで完結型なのかなと思った。一回ごとに、テーマの一要素を掘り下げてプレゼンする。先生は一回ごとに順位をつけると仰っていた。毎回各班ごとにミッションを決めてプレゼンのために全力を尽くす。そうすることにより、それぞれの要素がよりブラッシュアップされていく。論文はそれらいくつもの要素を理論によって繋いでいくものだと思った。ただの一本線ではなく、点と点をつなぐことで完成する線。今回のプレゼンでは、どの班も最初の一歩である「テーマ」という点が完成したのだと思う。これからどの点とどの点を繋いでいくのかをよく考え、また一つ一つの点を魅力的なものにしていきたい。このようにとらえれば、一回一回のプレゼンに向けて頑張ることはとても有意義になる。

 個人的に最近プレゼンを見たり自分が作成していて不思議に思うことがある。まだ文字が発明されていない時代、人間は絵あるいは記号を用いて意思伝達をしていた。そしてもっと伝わりやすいように、と文字が発明された。でも今私たちはプレゼンで何かを伝えたいと思うとき、文字よりもビジュアル化を重視している。意思伝達の方法が逆行しているようで面白く感じたが、何よりも言えることは、言葉と絵は最強のペアだということだ。


・民主党プレゼン

 一番気になったのが農業の話。地方自治に興味があったので、以前「ふるさとの発想」という現・鳥取県知事が書いた本を読んだことがある。そこには主に小泉政権時代の三位一体改革についての批判的な意見が書かれていた。地方の自立競争力を高めるために地方交付税を大幅に減らすというこの政策。しかし競争力がつくどころか、貧しい地方自治体は地方税収のほとんどを交付金に頼っていたために厳しい財政難に陥った。財政的な基盤が整っていないところにムチを与えてもそこから生まれるものは何もないということを学んだ。だからこの生産費が価格を上回る農家には、その分の補てんは政府が行う、という政策は肯定的に見てもいいのではないかと思っていた。しかし議論の中で指摘されたように、不足分は政府が補てんするという保証があれば、自主的に不足を補う努力をしなくなる。努力してもしなくても結局は補てんされる。これでは努力をしていくインセンティブは全く湧かない。民主党は、三位一体改革の反省を生かし、教育や環境など5つの項目に分け、補助が必要な自治体が必要に応じて補助の使い道を指定することができる一括交付金を構想している。農政についても、このように各農家の必要に応じて補てんしていくことを考えなければならない。ただし、政府と農家には情報の不均衡が存在するため、政府が農家について現状把握できるような信頼性のあるシステムが必要だ。そして政府は競争が損なわれない程度に上手く配分していかなければならないと思った。

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