2009年10月14日水曜日

【ホンヨミ!】フューチャリスト宣言【斉藤】

 フューチャリスト宣言/茂木健一郎・梅田望夫

 ネットのあちら側が充実し、誰もがほぼ毎日のようにあちら側と接触する。これからの未来のキーワードは「ダブルスタンダード」になっていくのではないかと思う。

 本書での対談では、Googleについての言及に面白い表現があった。「グーグルを飲み込んでしまうような何かがこれから現れるのだろうか」 飲み込むという表現が端的に現在のグーグルの在り方を表しているのだと思う。アナログだったものがデジタル化されることにより、グーグルは簡単に飲み込むことができる。書籍はデジタル化され、近い将来全てグーグルに管理されるのかもしれない。ただ、何でもかんでも飲み込んでいくということは、問題点もたくさん飲み込んでいくということである。今まですべての人に対して有益だった基準が、多様性を帯びることにより、ある人にとっては不利益になってくるかもしれない。もはや一つの基準では対処しきれなくなる。そんな時は、ある規準に対してイタチごっこをするのではなく、基準を幾つか設ける方が賢明だろう。

 また、茂木健一郎さんの発言で、なるほどと思うものがあった。茂木さんは、梅田さんとは違ってクリオリア(現実の感覚世界)を重視する方で、一日中ネットのあちら側と付き合っているのは耐え難いものがあるそうだ。しかし茂木さんは、あちら側の世界とこちら側の世界をうまく行き来すれば、あちら側ともうまく付き合えるし、逆にこちら側(現実)の世界もより楽しむことができると考えている。
 私は完全にアナログ派なので、今年ゼミに入るまでパソコンでさえなるべく避けて通ろうとしていたし、今でも深夜までパソコンに向かわなければならないのはとても辛い。しかし時代の流れには逆らうことができなく、避け続けるわけにはいかないので、私もあちら側の世界とこちら側の世界にうまく行き来できるような基準をつくり、拒否するのではなく、より現実世界を充実させられるような付き合い方をしていきたい。

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