2009年10月16日金曜日

【ホンヨミ!】サマンサタバサ-世界ブランドをつくる【大賀】

寺田和正著「サマンサタバサ‐世界ブランドをつくる」(2007年、日本経済新聞社)
2009年10月17日読了

※今週分の3冊は終わってますが、もう1冊読めたのでアップします!
 来週分に繰り越します。

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 「サマンサタバサって日本ブランドだったの?!」‐恥ずかしいことに、本書を読んで真っ先に思った感想がこれである。ビヨンセにヴィクトリア・ベッカム、イ・ビョンホンなど、海外で活躍するスターたちの広告が目についていたからかもしれない。ファッションに疎い大賀有紗の頭の中では、「サマンサタバサ=ルイ・ヴィトンみたいな高級海外ブランド」だったのだ。まさか日本のものだったとは。しかも、まだ設立されて15年しかたっていない。驚きの連続だ。
 本書は、サマンサタバサ社長の寺田氏が、会社設立の経緯と、経営理念を羅列したものである。さすが、というべきか、文体が柔らかく、語りかけるように進むため非常にわかりやすい。きっとこの社長は、「伝わる」力があるのだろうな、なんて、先週の就職活動プレゼンで先輩が仰っていたことを思い出した。
 とりわけ私が感銘を受けたのは第3章の、「女性が会社を動かす」という部分だ。サマンサタバサが女性向け商品の販売をしているから女性を推しているのかな、と、穿った見方は可能だが、私は寺田氏の「女性」に対する敬意の示し方は素晴らしいと感じた。男性に比べて、女性は自身の仕事に対する責任感や向き合い方がしっかりしているのだと寺田氏は言う。全員がそうであるとは言い難いが、意識が高ければ自然とそうなるのが女性であるらしい。男性が酒を飲んで「うっぷんを晴らす」一方で、女性は黙々と、あるいは泣きながら、怒りながら、自身の失敗を省みて向き合おうとする。―男性には怒られそうだが、私は寺田氏のこの見解に全く同意である。よく、「女はウジウジしている」なんて言われるが、今度そんなことを言われたらこう返してやろう。「ウジウジしてるんじゃない、ちゃんと向き合ってるんだ」と。

 寺田氏は上記の他にも、ブランドを世界的に定着させるために必要なノウハウなどを記している。何だか夢物語のようだが、実際に起きた出来事なのだから信じざるを得ない。今後、日本ブランドが「ファッション」という形で世界に伝えられることが、おこるのだろうか。

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