ラベル 【キムゼミ!ホンヨミ!】 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 【キムゼミ!ホンヨミ!】 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010年1月3日日曜日

[書評0105③]人間機械論[竹内]

サイバネティックスとは、メッセージの考える際に、機械や社会を制御する通報や心理学など広い範囲でとらえた言葉である。通信基幹が発達したいま、人間から機械、機械から人間の間における通報がますます大きな役割になってきている。
コミュニケーション、通報は基本的に外部との情報の交換によって生まれる。コミュニケーションは外界に影響を及ぼすと同時に、自己にも影響を及ぼす。その ため、逐次自己を調整していかなければ、自己のエントロピーは増大していく。エントロピーとは、何もしない状態ではカオスに向かうことである。これに反す る行為を反エントロピー行為と呼ぶ。例えば、死に向かう人間が何らかの治療等を施し、死からのがれようとする行為がこれにあたる。
反エントロピー行為は必要なものである。これがなければ、カオスに陥り、コミュニケーションが制御不可能になるからだ。反エントロピー行為に必要なもの は、フィードバックだ。フィードバックは情報の出力をまた入力に還元するメカニズムを指す。随時、自己のアウトプットを監視し、自己を調節していくことが 求められる。


サイバネティクスの概念がいまいち理解できなかった。難しい用語が多くでてきているが、もう少しわかりやすい言い回しがあるように思えた。他の文献を読むなどして理解を深めていきたい。
コミュニケーションが容易になったことにより、コミュニケーションの機会が増え、ほうっておくとカオスに向かうスピードが上がるというのは納得出来た。これから、ますます機械とコミュニケーションが重要性を増してくると思う。機械と人間はそれぞれ良いところが異なるので、互いに補完もしくは監視していくことが良いのではないだろうか。機械と人間がそれぞれのフィードバックを監視し合うべきだろう。その中で、フィードバックを迅速に解析し、自己調整へスムーズにつなげる仕組みが求められると感じた。


2009年12月30日水曜日

[書評0108①]ストーリーメーカー[竹内]

本書は物語の構造を公式化し、それに当てはめて物語の作り方を解説したものである。最初は、物語の構造を公式化することに抵抗があったが、大きな構造だけを見てみると物語が公式化できるようだ。物語を作る際とっかかりがなく非常に難しいことがある。しかし、本書を読んだ事で物語の構造はだいぶつかむことができた。これら今後自分が物語を作る上で非常に役立つ。また、物語だけではなく、コンセプトメイキング、プレゼンテーションなどでもこの本は応用できると思った。

物語の構造は基本的に「行って帰ってくる」に尽きる。そして、最後に試練が待っていて、それをクリアした後に、小さな試練が待っていたりする。たしかに、「千と千尋の神隠し」なども本当の両親はどれかと豚の中から選ぶ最後の試練があったりする。このざっくりとした構造からほとんどの物語は出来ているらしい。特に魔法神話は。都市伝説などもこの構造に最終的に洗練さていることが多い。

それよりも物語が学術として研究されていることに驚いた。たしかに、言われて見れば物語は人間が想像力を用いて作った最古のコンテンツだ。ある意味もっとも洗練され、体系化されているといってもよい。

最近京都や奈良に行って来てちょうど古い物語に興味を持っていたので、勉強してみたい。

2009年12月4日金曜日

【ホンヨミ!1204①】学校評価【田島】

学校評価 金子郁容

・学校と企業を同一に考えることについては問題があるし、教育現場は特に企業的思考が受け入れられにくい環境である。しかし、価値を数値化しにくいからといって、教育が「やりっぱなし」で終わることは発展性がなく、不幸である。完全なる数値主義、能力主義を導入するのではなく、「もっと外部からの意見を汲み取る」という姿勢でツールを作り出していくというのが学校現場に必要なのではないか。確かにそれぞれから寄せられていた意見が普遍的な問題なのか個別的な問題であるかの判断は難しいが、それでも意見がない状態よりはいいと私は考える。
・教育現場の学校評価の問題と、「ほっとけいき」班のオープンガバメントで議論されていることとには相関性がある。「アイディアボックス」で国民の意見を集めることは有益か?それとも「衆愚政治」に陥り多大なコストを浪費するだけであるのか?「衆愚政治」に陥らない秘訣は、トップがどの意見を選択するかにかかっていると私は考える。情報が氾濫する社会で、存在価値を持つのは能力とビジョンを持ち、良いように情報を取捨選択できる人間ではないだろうか。著者の金子は、情報を偏らずうまく集める手段として、「ほかの似たものと比較する」「同じ質問をちがう立場の人に回答を比べる」などを挙げている。

・評価というものは「入口の管理」と」「結果のチェック」の二段構えである。
・数量的指標のメリットとデメリット
メリット・・・明確に情報共有が可能
デメリット・・・その数値を上げることのみに焦点があたり、他がおろそかになる。目的と手段の履き違え。

・コミュニティ・ソリューション
トップダウンによるソリューションと、インセンティブによるソリューションとともにある3つ目のソリューション。コミュニティの意思形成ができれば理想だが問題点も考えられる。
・メンバーへの時間的拘束が激しい。
・メンバーのコミュニティへのコミットを促すモチベーションの維持が必要。
・意見を摺り合わす結果、コミュニティ内だけの外部では通用しないミニマム・スタンダードになる可能性。

2009年10月2日金曜日

【ホンヨミ!】サマンサタバサ 世界ブランドを作る【内山】

サマンサタバサ 世界ブランドを作る 寺田和正著

この本を読んでまず驚いたのが、サマンサが日本のブランドだったということです。そんなイメージがまったくありませんでした。そこで感心してしまうあたりが、サマンサ社長がしょうがない、けれども癪に思っている点なのでしょうが、それにしてもびっくりです。もう少し日本人は日本に自信を持つべきですね。

この本を読んで特に印象的だったのは、リーダーの在り方です。いいリーダーは仕事ができる人ではなく、自分と他人のモチベーションを維持できる人だとわたしは思います。自分のモチベーションを維持できてリーダーをやっている人はこの世の中にはたくさんいるけど、他人のモチベーションを維持できる人はそうそういません。寺田社長は数少ない、人のモチベーションを維持できる人だと思いました。いいリーダーは人を見る目があるし、目にかかった人物のパフォーマンスを最大限に発揮できる。そこで大事なのが、社員を大切にするということ。企業が人の集まりである以上、パフォーマンスは気持ちに作用される。そこをよく理解していて、社員を大事にできる人。それがいいリーダー。わたしは今まで多くのところでリーダーというものを経験してきたけど、他人のパフォーマンスを生かせた!と思うことは少ない。どちらかというと、自分が走って、力の限り引っ張っていただけな気がする。わたしのチーム術として、足りない点はそこだと思う。今後のゼミの活動やサークルなどのコミュニティーを通して、身につけていきたいと思った。

2009年7月3日金曜日

【ホンヨミ!】本を読む本【小宮】

『本を読む本』
M.J.アドラー, C.V.ドーレン著・講談社

*******************

すぐれた読者になるための入門書。

読むという行為は受け身で従順な作業ではなく、極めて積極的な行為である。

そのため著者の述べていることを理解し、正しく筆者とのコミュニケーションを行うためには、熟達した読者にならねばならない。

その為さねばならないことの一つに「正しく批評する」というものがある。自分の判断を下さない人間は、本当の意味で学び得ない。もっともすぐれた批評家こそ、もっとも良き読者なのだ。

しかし、批評に入る前に、必ずその前の段階である「概略」と「解釈」が完了したことを確かめねばならない。

著者の主張に十分な根拠がなければ、それはあくまで個人的な意見の域をでない陳腐な書物であるといえるが、読者の批評にもそれがあてはまる。

読者自信の下す批評にも根拠がなくてはならないなだ。その批評は弁護しうる意見でなくてはならない。

著者の議論についていくのではなく、それを受け止めてはじめて、賛成、反対が意味をもつ。反論は、思い込みや気に入らないと言っているだけではないか注意せねばならない。

小説についても同じである。その本のどこをが好きかを述べられない人は本の字面をなでているだけでその下にあるものを読み取れてはいない。

自分の好みや見方を離れて、その本から自分の得た感動の原因となっているものを客観的に述べること。どこがよくて、どこがよくないかを具体的に論じ、またその理由を述べなくてはならない。

これからの人生において様々な本に出会っていき、読書していくのだと思う。まだ読書が浅い今の時期に読めてよかった。

読書。とてつもなく奥が深い。

【ホンヨミ!】OLの私的消費【小宮】

OLの私的消費
(マッキャンエリクソン著・翔泳社)

*************

本書では統計データによって女性を5つのクラスターに分類しているのだが、
その仕方が非常に印象的であった。

【1】キャリア幸子
仕事、キャリアを楽しく追求しながら、恋愛にも興味にもパワフルに挑戦する行動派。チャレンジ精神旺盛で、趣味も広範囲にわたる。サバサバとさっぱりした性格のリーダータイプ。交友関係は広い。
【2】シンプル漂子
無理をせず自然体であること、がモットー。ちょっとした幸せを感じることを大切にして、日々を過ごしている。仕事よりも趣味などを充実させる自由人。アートなど、特定の分野に深い造詣を持っている。
【3】プライド嫁子
女性であること、かつ、その魅力を存分に楽しみ、「幸せの結婚」と「モテ」に人生のゴールを設定している。ファッションやコスメなどの流行にも敏感。いるだけで場を明るくする社交的なタイプ。ただし、天然ボケ的な要素はなく、現実的な賢さを持つ。
【4】人生ナナメ
物事を冷静かつ客観的に捉える。何事に対しても肩の力が抜けている。いわゆる”現代ッ子”タイプ。高学歴で、仕事は研究職や専門職。流行に踊らされることなく、自分の価値観で物事を選ぶ。マイペース。
【5】ステータス貴子
仕事も恋愛も結婚も、すべてに対して一生懸命な努力家。何事も高品質、プレミアムなものに価値を見いだすセンスを持つ。英会話、ビジネススキルアップなど、習い事にも熱心な向上心の高いタイプ。

これも先述の『オトコの仮面消費』同様、オーバーな点が多々あるが、
確かにと納得できる点も多々あった。マーケティングをしていくにあたって、
ただF1、M1などとやっていても、消費者の実態は見えてこない。

多少オーバーであっても、消費者に対して、深いインサイトをして、
キャラクターを設定してその上で戦略を策定していくことが重要であろう。

【ホンヨミ!】オトコの仮面消費【小宮】

オトコの仮面消費
(マッキャンエリクソン著・翔泳社)

**********

オトコには5つの仮面があるとこの本では述べられている。

1、ビジネス仮面
2、恋愛仮面
3、父親仮面
4、仲間仮面
5、自分仮面

1、『ビジネス仮面』
ビジネスでデキルオトコになりたいという願望を持ちつつも、自分一人の空間に逃避したいという願望も併せ持つ。
2、『恋愛仮面』
女性の目を気にして、モテルオトコを追求する「追うオトコ」と、自分のありたい姿でのモテを追求する「突っ走るオトコ」の2面性が存在。
3、『父親仮面』
家族の期待に応えるためにヒーロでありたいと思う願望と、自分も幸せになりつつありのままで楽しみたいという願望の2面性。
4、『仲間仮面』
オトコ同士で繋がりたいと思う「繋がり願望」と、勝ち負けや競争をしたいと思う「競争願望」。
5、『自分仮面』
相手からどう見られるのかや、属性に相応しいものを身につけようとする「主張する願望」と、一匹狼として自分を追求する「極める願望」

多少オーバーな部分もあるが、なるほど、確かにと共感する部分も多々あった。
マーケティング本というよりは、読み物として楽しめる本。

2009年6月21日日曜日

【ホンヨミ!】変われる国・日本へ【戸高】

坂村健著『変われる国・日本へ』

 まず、この本で日本が「イノベーション25」という長期的戦略を打ち出していたことを初めて知った。
 ここでは、人口減少、少子高齢化に拍車がかかり始めた日本社会を、技術革新、新しいアイデア、ビジネスによるイノベーションで持続的成長と、豊かな社会を実現することを目標にしているそうだ。
 しかし、日本におけるイノベーションはなかなかうまく進んでいるとは言うことができない。もちろん日本のお得意分野である、商品に関するイノベーションや、トヨタのカンバン方式などに見られる、プロセスイノベーションは強いが、ソーシャルイノベーション、つまり、制度設計に関するイノベーションはまだまだ欧米諸国には劣っている。
 それは、イノベーションを生むための環境や、法体系などがもともと日本の法体系は大陸法で、アメリカやイギリス式の、ケーススタディ、判例による裁判ありきの法ではないためなど、理由はいくつかある。
 また、10年、20年後の社会の様相など、誰にもわからないが、日本はその将来図を決めてしまってから、イノベーションに取りかかろうとしている。一方、アメリカやイギリスは、「人材教育」「投資戦略」「インフラ」という強化すべきポイントを政府が定め、予測できない未来に対応するのではなく、何があるか分からないからこそ、イノベーションは起きやすい環境を設計するといった強い意志がみられる。
 もちろん、法制度や文化的慣習が違う日本に、そのまま米英の制度を持ってくるということはナンセンスかもしれないが、戦後日本はそれで発展してきたような部分もある。あとは、それをただ取り入れるだけではなく、いかに日本国としての制度として改変し、イノベーションを起こしていく強い意志をもった国家を形成するのかといったことが重要なのであろう。

2009年6月11日木曜日

【ホンヨミ!】ロジカルシンキングー論理的な思考と構成のスキルー【小宮】

『ロジカルシンキングー論理的な思考と構成のスキルー 』
(照屋華子・岡田惠子著)東洋経済新報社


****

ビジネス著書で知られる勝間和代氏がマッキンゼーで働いていた頃、「ビジネスにおいてロジカルでないコミュニケーションは全て”おままごと”である」とその重要性を教え込まれたと述べていたが、誇張ではない。きちんと論理的に構成された情報でないとビジネスにおいて人に伝え、動かしていくことはできない。ロジックができていなければ、ビジネスが成り立たないのである。

論理的思考はビジネスに限らず、なににおいても言えるのではないかと考える。
例えば人生。人生を効果的に考えていくにあたってロジカルシンキングは非常に有効である。
切り口は一例でしかないが、人生を以下のフェーズにて分けてみた。(企業の戦略も同じことがあてはまる)

<目標>
自分はどういう夢があり、どういう人間になりたくて、なにがしたいのか。
<現状把握>
現在の自分の能力はどれぐらいで、目標に対して何が足りないのか。
<アプローチ方法>
自分の現状から、目標に少しでも近づけるためにはどのようにアプローチすればよいのか。
その手段は?そのタイムスケジュールは?

こうして論理的に整理することによって、今何をすべきがが見えてくる。

よく論理的思考とcreativity(創造性)は別のもの、相反するように語られることがあるが、それは違うのではないかと思う。論理的に考えるその思考プロセスや、切り口などは実に創造に溢れたものである。ロジックロジックと囚われるのではなく、自らの感性や発想力なども磨いていく必要があるであろう。

MECEの切り口の演習なども豊富で論理的思考を身につけたい人にはぜひお薦めしたい。