2009年10月16日金曜日

[書評]フューチャリスト宣言[竹内]

梅田さんのインターネットに対する楽観的な姿勢は、よく批判の対象になる。しかし、僕はネットに触れている時間が長いせいもあり、そのような嫌悪感は抱かなかった。

この本の中で特におもしろかったのは、ネットの構造と人間の脳の構造は似ているという点だ。
ネットには、有用な情報、無用な情報などが雑多に転がっている。人間の脳も程度の差はあるが同じことが言えるだろう。人間の脳内で、それらの雑多な知識をうまく組み合わせ新たな価値を生み出すことを創造性と言う。これの現象をネットの世界でも再現できるというのが、梅田氏、茂木氏の基本的な考えだ。その例として、ネット上での大学を構想している。実際、ハードとしての大学の意味には僕も疑問を持っている。わざわざ大学に来なくとも、同等な授業がネットを介して受けられれば問題はないからだ。

ネット上での運営とリアルスペースでの大学の違いは学位がもらえるかどうかの違いではないか。学位は日本では特に大きな意味をもつ。教育の格差だとかの議論をするよりも、ネット上で勉強した人々になんらからのライセンスや学位のようなものを与えたほうが効率的に教育格差を埋められるのではないかと考えた。

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