2009年10月30日金曜日

【ホンヨミ】すごい会議【菊池】

 会議の時間の95%は「コメントの交換」に使われている。本書のこの部分を読んだ時、少々ドキッとした。会議をやっていると時々何を議論しているのか分からなくなるほど話が広がることがある。しかも、どれも重要な議論に思えてしまって、なかなか本筋に戻ることができないのだ。実はこれ、単なるコメントの交換だったのではないか。確かに、話が広がることで、思わぬ気づきがあったりもする。しかし、本書で言われている、「明確化のための質問」と「代替案の提示」、「リクエスト」の3つを意識すれば、同じ結果に到達する時間を一気に縮めることができるのではないかと思う。前提として、皆で短期的で明確な目標を共有していることが挙げられているが。

 僕がここで想像したのは、NHK番組『日本の、これから』で司会を務める三宅アナウンサーだ。この番組は、学生から主婦、学者まで、様々な肩書の人々が集まり、ある一つのテーマに関して議論する。その中でよくあるシーンは、感情的になった出演者がどんどん議論を広げていくことだ。しかしこうなると、すぐに三宅さんは軌道修正を非常に上手く行う。単なるコメントの交換ではなく、いかに建設的な議論を行うか、三宅さんは常に意識しているのだと思う。

 実際、会議というのはこの『日本の、これから』に近いと思う。参加者全員が、会議において重要な3つの点を理解しているわけでもなく、ましてや意識する人などほとんどいない。そういう状況において、やはり三宅さんのような、「主人公は議論する人々but軌道修正はしっかり、しかも的をえている」という、そんな人材が重要になってくるのではないか。

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