90年代以降、消費者の「買う気」の構造は大きく変化した。景気の悪化を受け、現在消費者の間では低価格志向が広がり、また若い人を中心に消費行動自体も変化しているそうだ。それに応じて、作品として切り離された「額縁広告」はすでに衰退した。今の広告に求められるのは、単に低価格をうたうだけでなく、「買う気」を高める新たな戦略が必要らしい。本書にあるクロスメディアのABCDモデルというのは面白かった。ここでは詳しく述べないが、このモデルとしては、消費者の心理と行動状況に応じた以下の4つの広告戦略が提示されている。
・モデルA=Attention「喚起重視型」
・モデルB=Blend「情報融合型」
・モデルC=Consumer「消費者生成型」
・モデルD=Development「周辺開発型」
これらを図で表したものを見るともっと分かりやすいのだが、ともかく、マーケティングにどのモデルを選択し、そして何より消費者の「買う気」を刺激するような情報設計をする必要があるとのことだ。
本書でもう一つ印象に残った内容がある。それはマーケティングの際、マーケターに求められる能力の一つを「思いやり」(言いかえれば、対人理解力とでもなるか?)としていることだ。広告をつくる際、徹底的に消費者の側に立って物を考えられる人が、消費者に気持ちを動かし、また「買う気」を呼び起こすこともできるのだろう。
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