2009年10月29日木曜日

【書評】女脳【金光】

『女脳』 矢内理絵子 茂木健一郎

女流棋士の矢内さんと茂木さんの対談を基にした本。
印象的だったのはNHKのプロフェッショナルなどご自身の仕事で様々なその道のプロと会っている茂木さんが、彼らの共通点として「自分の中に基準がある」ことと言っていたこと。他人からの評価とかを気にしている人じゃなくて、自分の中で設定したことを目指すうちに、トップになったりとか。そしてそれは「自分自身をライバルにする」こと。ライバルは金のワラジをはいてでも探せとも書いていた。友人でも親友でもなくライバルこそが、良い結果を生むということだと思う。銭谷さんが言っていた、なれあいではない緊張感のある関係が良いアウトプットを生むっていう言葉はこういうことか!と思って納得した。

ライバルはライバルでも自分自身をライバルにするのは一番難しい。メタ認知、自分自身をマネジメントしてコントロールすることができる強さがないとダメだと思う。

勝負は嫌いって言い続け、思い続けていたけれど、実は自分は勝負好きなのかなーとふと思った。相手がいない競技しか知らないけど、勝負に向き合うときの自分は繕ったり、ごまかしたりできない素というか裸の自分だったと思う。それでもいかに堂々とできるか。ちょんってつついたらへなって倒れちゃうような弱い自分を必死にしゃんとさせてたけど、本番に向かうまでの自分を冷静に考えたら普段わからない自分を見つけてた気がする。自分の中身の新しい一面を見られる、今思うと。今は前よりちょっとは強くなったのかな。

あと、極めること。私にとってあこがれの言葉。極める。匠。一流。こういう言葉が好き。意味も。だから、こういうのにならないと不安。もちろん今はなれてなんかないけど、そういうのに将来なれるのかっていう不安が大きいのかも。自分はいろんなものに興味がわくからこそ余計に。でも、羽生さんみたいなスタイルが一番素敵かなと思う。将棋っていう自分の軸、持ち場を発揮すつものを持ちつつそれだけじゃなく好奇心旺盛で、視野も広い。そういう人に、私は、なりたい。

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