2009年10月27日火曜日

【ホンヨミ!】リーダーは半歩前を歩け【大賀】

姜尚中著「リーダーは半歩前を歩け-金大中というヒント」(2009年、集英社新書)
2009年10月27日読了

※先週は2冊しかアップできず、申し訳ありませんでした…!今週4冊あげられるように出来得る限り努力します!!!!

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 私は副代表だ。代表ではなく、副代表。「副代表っていわゆるサブ的存在っていうか、補佐役でしょう?一体何をしているの?」と尋ねられることは多々ある。そういう時、私は堂々と、「確かにパッと見は地味なことをしているけど、ゼミ全体をサポートする役割を果たしている」と自負するようにしている。実際のところ、どれほどまでにゼミに貢献できているかはわからないが。それでも私は今の自分の役職―すなわち副代表というのが好きだ。多分、向いているんだと思う。自慢ではないが、私はあまりリーダーには向いていない。小学校くらいから現在に至るまで、リーダーになったことが無いわけではない。しかしあまり上手くいった試しが無いのだ。自責の念も込めて言えば、私は何でもかんでも一人でやろうとする癖があるため、「下を引っ張っていく」という姿勢に欠けているのだと思う。今でもその傾向が強いから、何というか…本当に向いていないのだろう。
 上記のような理由から、私は巷で流行りの「リーダーシップ論」が嫌いだった。どうせ読んだって、活用のしようが無い。だって私はリーダーになんかなれっこないんだもの。そう思っていた。そんな私がどうして本書を手に取ったのか。‐それは、著者である姜氏の「はじめのことば」に惹かれたからだ。彼は言う。「自分はリーダーには向いていない。だからこそ、客観的にリーダーを見て論じることができたのだ」と。ああなるほど。確かにそうかもしれない。リーダーが書く自画自賛的な「リーダーシップ論」よりもむしろ、リーダーでない凡人が書くそれのほうが正しいのかもしれない。
 姜氏は本書において「7つのリーダーパワー」を提示している。先見力、目標設定力、動員力、コミュニケーション力、マネジメント力、判断力、決断力だ。中でも最も印象に残ったのは「決断力」である。何かを決断するということはリスクを背負うことであり、また、他者からの批判を受けることでもある。それでもリーダーは「決断」しなければならない。凡人たちは、リーダーの決定に従えば良いが、リーダーは多大なリスクを背負った上で「決断」しなければならないのだ。だから、リーダーは孤独なのである。その孤独に耐えられるか否かが、リーダーに必要とされる力だ。

 だれかを崇拝し過ぎると、本当の自由は得られない。

 以前もここで書いたかもしれないが。私の大好きなキャラクター、「ムーミン」に出てくるスナフキンの言葉だ。彼のこの台詞は現代人の状況を言い表している。姜氏も本書において冒頭で述べているのだが、「現代の人々は自由から逃走し、誰かの下につくことを望んでいる」のだという。本当の自由を得ることをせずに、あえてだれかの下に従っているのだ。その方が楽だから。当たり前のことだ。だが、リーダーとなるべき人はそうであってはならない。たとえどんなに辛いことが待ちうけようとも、自ら考え行動しなければならない。たとえ孤独であろうとも。―はたして、このようなことが、私に、そしてあなたに、できるだろうか。

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