2009年10月16日金曜日

[書評]経済ってそういうことだったのか会議

経済ってそういうことだったのか会議
竹中平蔵 佐藤雅彦

竹中平蔵氏と佐藤雅彦氏の対談をまとめたもの。
佐藤雅彦さんの著書はとても好きでよく読むのですが、それらとは毛並みの違うとても面白い本でした。株式やアジア経済など佐藤氏の経済に対する疑問に竹中氏が答えるというスタンスを取っています。アメリカ的な短期利益を重視して、投資するデートレーダーみたいな人々があまり好きではなく、株式の制度や金融の仕組みを深く勉強してこなかったのですが、この本を読んで少し興味を持つようになりました。
特に面白かったのは、通貨についての話だ。竹中氏の「信じるって行為がなくなれば、マネーって意味がなくなっちゃうんです。」という言葉に考えさせられた。普段何も気にせず通貨を使っているが、これは日本銀行を信頼しているという証なのだ。この信頼はあらゆるビジネス面でも価値を持つ。特に情報技術を用いたビジネスにおいて、信頼は重要だ。アマゾンのレコメンドなども他のユーザーを信頼してなくては、成り立たない。クレジットカードなども信頼が重要だ。顔が見えない相手と取引するのにも関わらず、相手を信頼することで価値が生まれるという現代の奇妙な構造が面白いと思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿