この本ではシナジーに関する記述が興味深かった。
多角化を行う際、基本的には関連分野によるシナジーを考えて新規参入する商品カテゴリーを決定する。しかし、この本書では、このような関連多角化だけでは不十分だとしている。
ダイナミックな多角化の例としてキャノンが挙げられている。キャノンはカメラと事務機に絞って多角化を行った。一見なんのシナジーも見えない組み合わせだが、主力事業がイメージのインプットとアウトプットという形でつながっている。この主力事業を同一の研究開発拠点で行うことにより、他の光学メーカーにはない非凡な結果をもたらしている。このように、セオリー通りではなく、少し視野を大きくしダイナミックなシナジーを得ようとする考え方もあるのだなと勉強になった。
もうひとつ、心に残ったのは、ビスマルクの「愚者が経験にまなび、賢者は歴史に学ぶ」という言葉だ。歴史の勉強を軽んじてきた自分には堪える言葉だった。もはや歴史をどう学べばよいかわからないほど触れていないので、試行錯誤しながら取り組んでいきたい。
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