2009年12月4日金曜日

【ホンヨミ!1204①】学校評価【田島】

学校評価 金子郁容

・学校と企業を同一に考えることについては問題があるし、教育現場は特に企業的思考が受け入れられにくい環境である。しかし、価値を数値化しにくいからといって、教育が「やりっぱなし」で終わることは発展性がなく、不幸である。完全なる数値主義、能力主義を導入するのではなく、「もっと外部からの意見を汲み取る」という姿勢でツールを作り出していくというのが学校現場に必要なのではないか。確かにそれぞれから寄せられていた意見が普遍的な問題なのか個別的な問題であるかの判断は難しいが、それでも意見がない状態よりはいいと私は考える。
・教育現場の学校評価の問題と、「ほっとけいき」班のオープンガバメントで議論されていることとには相関性がある。「アイディアボックス」で国民の意見を集めることは有益か?それとも「衆愚政治」に陥り多大なコストを浪費するだけであるのか?「衆愚政治」に陥らない秘訣は、トップがどの意見を選択するかにかかっていると私は考える。情報が氾濫する社会で、存在価値を持つのは能力とビジョンを持ち、良いように情報を取捨選択できる人間ではないだろうか。著者の金子は、情報を偏らずうまく集める手段として、「ほかの似たものと比較する」「同じ質問をちがう立場の人に回答を比べる」などを挙げている。

・評価というものは「入口の管理」と」「結果のチェック」の二段構えである。
・数量的指標のメリットとデメリット
メリット・・・明確に情報共有が可能
デメリット・・・その数値を上げることのみに焦点があたり、他がおろそかになる。目的と手段の履き違え。

・コミュニティ・ソリューション
トップダウンによるソリューションと、インセンティブによるソリューションとともにある3つ目のソリューション。コミュニティの意思形成ができれば理想だが問題点も考えられる。
・メンバーへの時間的拘束が激しい。
・メンバーのコミュニティへのコミットを促すモチベーションの維持が必要。
・意見を摺り合わす結果、コミュニティ内だけの外部では通用しないミニマム・スタンダードになる可能性。

0 件のコメント:

コメントを投稿