佐藤雅彦著「毎月新聞」(2009年、中公文庫)
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まずは正直に言うと、私はまだこの本を全部読んでいない。なぜならば、全部読み切ってしまうのが「モッタイナイ」からだ。
本書は、メディアクリエイターとして活躍し、NHK教育テレビでおなじみの「だんご三兄弟」「ピタゴラスイッチ」を手掛けた人物(現在は東京芸術大学および慶應義塾大学教授を務める)である佐藤雅彦氏が、1998年から02年まで毎日新聞夕刊紙面上にて連載した記事をまとめたものである。日常の些細な出来事、素朴な疑問を、わかりやすい文体と可愛らしいイラスト(ケロパキというカエルのキャラクターが活躍する4コマ)で書き綴っているわけだが、とにかく、面白い。「ああ、確かに」と共感したくなるものから、「へえ、なるほどなあ」と感心するものまで。飽きることなく様々なストーリーが楽しめるのだ。作文を書く際にも参考になる。そこで私は、一日何個かを読んで、そこでお終いにするという「毎月新聞を読む際の自分なりのルール」を設定してみた。どうにも頭が働かない朝、休みボケが抜けない日々のスパイスとして読んでみることにしたのだ。効果は覿面。(文章がうまくなったかどうかはまだ定かではないが)私自身、佐藤氏に負けまいと、日々の出来事にアンテナを立てて暮らすことができるようになった…気がする。
佐藤氏は、常にアンテナを立てて生活しているに違いない。だからこそ、老若男女、様々な世代の人々に愛されるキャラクターを生み出すことができ、また、多くの人々の共感を生むようなストーリーを考えだせることができるのだ。
あと残り半分ほど残った「毎月新聞」を、毎日楽しみに読んでいきたい。そして、いつの日か私も、佐藤氏のように私なりの「新聞」を発行してみたいと思っている。
2010年1月3日日曜日
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