2010年1月3日日曜日

【ホンヨミ!0105③】メディチ・インパクト【栫井】

メディチ・インパクト/フランス・ヨハンソン(訳:幾島幸子)


何かアイデアを練っているときに、新しい方向にへ思考を飛ばしてみるためにはどうしたら良いのか。一見全く関連がないように見える複数の専門分野の交差点に踏み込んでみることだ。本書では、そうした思考で生まれるものをメディチ・エフェクトと呼ぶ。
ある分野にイノベーションを起こす方法は、その分野を突き詰めて行くことには限らない。別の分野の考えを応用してみたり、今までとは違う視点で対象を見てみたら、全く新しいアイデアが生まれてくるかもしれない。複数の分野の交差点を見つけることは、特に物事が複雑化して従来の方法論が通用しない現代の問題を解決するのに、大切なことである。

複数の分野を混ぜて考えることは難しい。人は自分の得意分野で勝負したいと思うものだし、自分と異質の分野には抵抗を感じやすい。所属組織にしても、自分と似た人たちとつるんでしまいがちだ。しかし、それでは新しい考えは出てこない。居心地の良すぎる組織では、みんなで同じアイデアを同じ方向に持って行ってしまいやすい。だから、異なった考えの人と組んでお互いの考えをぶつけあうことは、難しいけれど、大きな意味を持つ。
異質な者同士の組織では、対立が起きてしまいがちでもある。対立を緩和し、より柔軟な発想の生まれやすい環境を作ることが必要とされる。お互いの意見を無下に否定しないで受け容れて行くブレストや、公平に会議を進めるファシリテーターが必要だろう。馴れ合い、同調するだけのぬるま湯ではなく、刺激的で柔軟な、包容力のある空間作りとは何か。今後考えるべき課題だと感じた。

本書に紹介される思考法の中には、今すぐ活かせそうなものもあった。その一つが、常に心をオープンにして、アイデアの源にアンテナを張っておくことだ。「考えなしの行動?」を読んだときにも思ったことだが、普段から好奇心を表に出して行動するか否かで、自分の中のストックは大幅に違ってくる。当然のことではあるが、ストックが非常に少ない自分をなんとかするには、いつもアンテナを張っておかねばならないのだ、と改めて思った。

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