筆者が悩むことを肯定し、“とことん悩むことで何かが見えてくる”としていることに共感した。悩みは、大抵自分にとって望ましくないことに対するものが多い。そのため、私たちは悩むことを無意識に避けてしまう。しかし悩むという行為によって私たちはより成長することが出来る。
しかしここで、悩む内容が問題になってくると思う。
ただ闇雲に悩むだけでは成長することができない。
悩むことを選択する力も大切だと思った。
また、本書の自我に関する文がとても興味深かった。夏目漱石の『心』の先生などの自我が強いひとは、自我に捕われるあまり、他者との折り合いがつかなかったり自分の城に籠城してしまう。あるいは、“他者との関わりは表面的にしのぎ、本当の自分はかくしておく”ひとも多いと筆者はいう。しかし本当は、他者とのつながりの中でしか自我は成立しない。よって、自分の城を壊すべきと筆者は述べている。本当にそうだろうか、と思った。自分の城に籠城することによって、より確固たる自我を確立できるひともいるのではないかな、と思った。
また、この本を読んで、夏目漱石の作品を違う視点からみることが出来て良かった。また夏目作品を読み返そうと思うきっかけになった。
2010年1月5日火曜日
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