山井教雄著『まんが現代史 アメリカが戦争をやめない理由』
先に断っておくが、決してマンガじゃないです。アメリカの主に冷戦付近からガザ侵攻までの戦争の歴史を、一コママンガ(風刺画的な感じ)を使用しつつ述べている本です。
僕がなぜこの本を読もうかと思ったのは、歴史について知る必要があると思ったからだ。
自分たちがこれからの時代を創っていくのに、過去のことを何も知らなくて、もしくは起きた事象だけ知っているという状態はよろしくない。
過去のことが全て現代につながっている。現代は未来につながっている。例えばデザイン思考なども、哲学的要素や社会学的要素を含んでおり、デザイン思考自体は今の流行であるが、その行動自体は過去から学んでできたものなのだ。
この本を読んで、僕は本当に歴史について表面的なことしか知らないんだなと少し絶望した。受験で学習した世界史などほとんど意味がない。よく受験世界史だと近代史、現代史が軽視されがちだが、近代史、現代史を理解しているといないとでは、今生きている世界がおもしろくなるか、おもしろくなくなるかぐらい違う。
例えばオバマがノーベル平和賞を以前受賞した。このニュースを聞いたとき、歴史に関して無知だった僕は、「確かに軍をイラク都市部から撤退させたりしてるけど、まだ戦争はアフガニスタンとしてるやん。」といったような認識しか持てなかった。
しかし、これまでのアメリカ大統領が行ってきた軍事政策を振り返ってみると、オバマが評価されることがよくわかる。
冷戦から、アメリカは経済を潤すために戦争をしてきたといっても過言ではない。軍需産業がアメリカの経済と強く結びついているのが1つの要因である。
また、戦争を行い、勝利を収めようとしても、すぐに軍を撤退してしまっていた。よって、戦争相手国はアナーキーな状態になり、盗みや殺しが横行し、治安が悪化する一方だった。
戦争を行うにあたって、重要なことの1つに、戦争後の教育や支援がある。これがないと相手国は疲弊するばかりで、アメリカへの敵対感情を強めるだけで意味がない。
武力で軍隊を降伏させることはできても、国民を降伏させることはできないのだ。
そこをオバマは、軍需産業のための予算をしっかりとカット、イラクには農業指導者や、教員など戦後復興に必要な人員を派遣するなど今までのアメリカ大統領に見られなかったことを「change」の大義の下実行したのだ。アメリカの戦争体質までも「change」しようとしているのがオバマだ。
この本は、少し著者の主張が強い面も見受けられる。しかし、歴史を知ることで本当に日常がおもしろいと思えるのも確かだと改めて実感できた。
2010年は歴史について勉強する時間ももっと設けよう。
2010年1月2日土曜日
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