2009年12月10日木曜日

[書評1211③]欧州で考えた日本ケータイ産業の存在感[竹内]

日本の携帯は、3G携帯がほとんどであり普及がかなり進んでいると言える。パリやイギリスでも3G端末は普及し始めているようだ。しかし、本文によるとベルギーなどヨーロッパの端末はGSMがまだまだ根強いようだ。ベルギーはGDPではパリ、フランスなどのヨーロッパの大国には劣るものの、一人当たりのGDPに換算すると日本よりも多い。つまり、安定した経済国なのである。中国や韓国も3G端末の普及は進んでいない。まだまだGSMが主流のようだ。できるかぎりGSMインフラを使用した方が費用も少ない。そのため、日本の携帯電話産業よりもはるかににぎわいを見せている。

なぜ日本はユーザーや世界の動きを無視し、技術革新だけを目指すのだろうか。たしかに、今後3Gインフラの敷設が進むのは確かだろう。しかし、日本が3Gインフラを敷設しはじめて10年が経とうとしている今ですらベルギーは古いインフラを使い続けている。ベルギーが新しいオプションの可能性を示してくれているのではないか。別ブランドでGSM端末を世界に向けて発信するなどのオプションはあるように思う。飽和化が進んでいる日本市場はそろそろ限界である。いづれ海外市場で勝負していかねばならない。このままハイスペック端末で勝負していくのか、ロースペック低コスト路線に切り替えるのか、日本の携帯メーカーは考え始める時期にきているのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿