考えなしの行動?/ジェーン・フルトン・スーリ+IDEO
考えなしの行動=thoughtless actsの例を多数紹介し、アイディアを生み出すヒントを与えてくれる本だ。
人はモノを使う。モノはなにかしらの意図を持って生み出されたものだが、時に意図されなかったやり方で人に使われたり、役に立ったりする。
例えば、車の窓ガラスを鏡替わりに使ったり、フェンスにもたれかかったり。
無意識にやってしまう行動の中には、実は人が求めるニーズが隠れている。そのようなニーズを丁寧に観察することで見つけ出してアイディアに変え、新たなプロダクトを生み出すことが、デザインとも言えるだろう。最適化という意味でのデザインである。
本書を読んでから、街中のthoughtless actsを探す癖を付けるように心掛けている。電車の中や授業中、まだまだ見落としていることばかりだと思うが、好奇心を持ってまわりを見回すことで、あれ?と思う瞬間がある。
なぜ、そこにそんなものが置かれているのか。人の視線はどう動いているのか。となりの人のふとした動作。
モノ自体だけを考えるのではなくて、そこに付随する人間の行動に目を向ける。IDEOの共同創設者、ビル・モグリッジの言葉が本書中にあった。
「名詞ではなく、動詞をデザインする」
プロダクトの先にある人々の行動を見据えて、何が求められているのかを考える。とても惹かれる考え方だと感じた。
2009年12月11日金曜日
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