今や説明不要でしょう。昨年ゼミのゲストにも来ていただいた津田さんの本です。
著者はまず、Twitterの特徴を以下の6つに分類している
- リアルタイム性
→ダイレクトな反応が確認しやすい
- 伝播力が強い
→所有権的概念が薄い?
その一方でRT文化などの著作者明記も。(LinuxやWikipediaとの類似性)
- オープン性
→APIの公開(ジットレインの「生成力」を高める)
- ゆるい空気感
→選択同期的(見たい時に見る、チャット的に参加)
- 属人性が強い
→各人の面白さが表れる(「コテハン」化)
- 自由度が高い
→やっぱりジットレインの「生成力」が高い
更に著者はマスメディアとジャーナリズムの役割を以下の3つに分類する。
- 伝達機能
→ニュースを伝える(出来事に対する裏取りの必要性)
- 監視機能
→ニュースで伝える
- アジェンダセッティング
→社会的な争点、論点の設定
Twitterが急速に世界中で広まっている現実を通じて逆説的にこれからのマスコミ報道、ジャーナリズムのあり方をあぶり出すのが本書の主眼ではないか。
少なくともスピードでは旧来のメディアとネットメディアは大差がなくなってしまった。そこで差を生むのは結局タッチポイントの差であって、テレビやラジオに接する時間が減るにつれてネットメディアの優位性は増す。更に、ネットメディア間でも差が生まれている。(RSSリーダーは完全にTwitterに負けていると言える。)ただ、こうした旧来のメディアにしろ、ネットメディアにしろ、あくまで単なるツールにしか過ぎない。
裏取りや信頼、着眼点の鋭さはアマチュアには真似出来ないものがある。既存のあらゆるメディアは次々にツールを移し替えて絶えず変化に対応していけば、十分生き残っていける。ただ、ツールを移す際に重要になってくるのは、情報にいかに課金するかというビジネスモデルに他ならない。
また、報道以外にも討論の場としてのTwitterの強みがある。オープンであること、属人性が強いこと、バズらせやすいこと、(普段は文脈に囚われにくいが)文脈化しやすいことなど諸々の理由がある。
とはいえ、Twitterはやはり、コミュニケーションツールとしても優れているといえる。これは単にTwitter単体ではダメであって、「ふぁぼったー」や「buzzter」などの各種botがあるがゆえ、であると言えるのではないか。
共通の話題の提供、よりよい発言をしようというインセンティブの設計に寄与するこうしたbotはいずれもAPIの公開によってもたらされた。やはり選択同期性よりも「生成力」を高めたことがTwitter成功の要因なのではないか。
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