2009年11月20日金曜日

【書評】ニュースの読み方使い方【村山】

「NHK週刊こどもニュース」という、こども向けのニュース番組を子供に分かりやすく伝えるという番組を担当していた池上彰さんの著書。
タイトルを見ると、どのようにニュース番組を構成していくのかについての説明本かと思うかもしれないが、むしろ、どのようにニュースの基となる話を相手から聞き出すのかや、その時の話の聞き方などについて言及している。

相手から話を聞きだす上で大事なことの一つとして、「人から話を聞きだす時は、仮説をぶつけてみる」という言葉があった。確かにその通りだと思う。このことはゼミで質問する時にも共通することだと思うが、単に「~についてどう思うか」と聞いても、あまりに範囲が広く漠然とし過ぎていて質問された側は困ってしまう。自分が質問される側になったことを想定すれば容易に理解できると思う。つまり、自分が質問される側に立った時に、どのような質問をされたら答えやすいかということを考える必要があると思う。そのため、相手の話を聞いて、分析した結果導いた自分なりの仮説を相手にぶつけることで、相手は自分の質問に興味を持ってくれるのだと思う。ただ、この時に注意しなければならないことは、「もしかしたら自分の考えは間違っているかもしれないが・・・」の様に、相手に謙虚に対応することである。頭ごなしに自分はこう思うと言うと反発があるかもしれないが、謙虚な姿勢を貫くとこで、相手も丁寧に答えてくれるだろうし、何より答えやすい雰囲気を形成できると思う。そして同時に、相手の話を聞く時には、その聞き方にも注意が必要だ。話を聞く時に、相手と目の高さを同じにすることと、うなずくことである。当たり前のことかもしれないが、改めて話を聞く際には、相手への細かい気遣いが必要だということを痛感させられた。自分が興味のある内容ならば意識しなくても自然とこれらの態度が表れてくると思うが、そうでない時にも、これらの態度を示して相手の話を聞きたいという意志を発することで、相手は良い気分で話が出来るし、こちらも必要な情報が得られるし、お互いにウィンウィンな関係を築けるのかなとも思った。実際に、今回伺わせて頂いたヒアリングの際に、表情と声のトーンとうなずきを色々なパターンに変化させて、相手がどのように反応するか実験してみた。すると、こちらが厳しい顔をして、うなずきを減らすと、相手も「自分の説明が分かってないのかな?」と、渋い顔をして更に詳しく説明を加えてくれた。その一方で、こちらが穏やかな表情で、「うんうん」と言いながらうなずくと、相手も笑顔になって、色んな話をして下さり、非常に話が弾んだ。話をすることも大事だけど、話の聞き方はもっと大事だと感じた。

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