前にも紹介しましたが、本書の著者である池田信夫氏のブログは面白いのでぜひチェックしてみると良いと思います(http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo)。
本書において重要なキーワードは、おそらく「集権型」から「分権型」へのシフトだと思う。このパラダイムシフトは様々な世界・分野で起こっていて、本書では、すでに時代遅れで様々な弊害をもたらしている集権型の古い体質への批判が数多く登場する。
確かに、現代は分権型の時代である。インターネットというメディアは個人が主人公(分権)であり、従来の集権的なメディア(テレビや新聞)はすでにかつてのような繁栄を失っている。また、市場メカニズムについても中央集権的な社会主義とは対極に位置する分散自律を基本とした構造を持っている。
しかし、主人公が個人だからといって、個人が完全に自律できるはずはない。本書でも度々「2ちゃんねる」が無法地帯の例として取り上げられている。やはりそこで重要になってくるのは、『市場を創る』の輪読で学んでいるような、市場をうまく機能させるための制度設計なのだと思う。本書では他にも、効率の良い自律型の構造が、実は集権的なシステムによってもたらされている例も登場し、これが結果的に経済効率性に悪影響を及ぼしていることが述べられている。いくら分権化が進んでいるとはいえ、このようなある意味誤ったような分権化も存在することはとても示唆的である。ここでも、集権化が進まないような制度設計にやはり委ねられるのだと思う。
2009年10月2日金曜日
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