『質問する力』大前研一
父が買った、この著者の本は家にたくさんあるが、今までなんとなく手をつけるのが億劫だった。夏休みに父にお勧めを何冊か挙げてもらったので、読んでみた。
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話の最終的には「質問する力」に行きつくとはいえ、内容は日本や世界の経済情勢をこれまでの歴史と筆者の考察を加えて書いたものだった。
今は政権交代のニュースが連日、新聞やテレビを沸かせているが、政府の行動に疑問を持ったとしてもVoice or DieのDieである日本国民たち。筆者は私たち国民を何とかして行動させたいんだろうな、と思った。また、本のところどころに事実と思われている事象に対して鋭く批判する箇所があるが、具体的に算出した数字やデータが使われていて、データ引用での説得力を感じた。
世界史も経済関連の知識も十分でない私にとって、ここで軽くふれられているいろいろな話はすべて新鮮だった。一番印象的だったのは、やはり人ごとではない「日本の教育事情」。大学受験での大学の順位と将来の幸せには相関関係はないと言い切る筆者。公立大学は必要でない。自分のとがった才能の部分を伸ばせるような教育にするべきだ。と主張している。「異才」を育てるというのは確かに賛成する。今、大学二年生なりに考えて、できれば自分も、何かひとつ人にはない専門性を磨いた異才になりたいと思う。しかし、現に筆者の子供は早稲田の付属校に通っていたという。日本だけで生活していると、現状に何も感じないが、海外と比較すると「日本の学生には競争力がない」と言われても仕方ないのかもしれない。将来、自分がどのフィールドで活躍したいのか。身体もひとつだし、同じ時は一度しか来ないから、すべてをかなえることはできない。選び取るだけじゃなくて、何かを捨てることも必要。目的に応じた生き方をしないといけないんだと思った。
本の中のいろいろな分野で、問題提起のあと必ず「じゃあどうすればいいと思うか」という著者なりの答えが明確に示されているところがわかりやすいと思った。
2009年9月29日火曜日
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