2009年9月25日金曜日

夏休み書評『クラウド化する世界』

 こんばんは。夏休みの宿題はいつも新学期が始まってからとりかかります菊池です。ブログアップです。

 本書では、過去の歴史と照らし合わせ、クラウドコンピューティングの発展と展望、さらに社会(企業や一般の人)への影響についても述べている。本書を読むことで、歴史を学ぶことに対しての示唆が得られた気がする。歴史は問題を発見するための学問と言えると思う。
 かつて、中央発電所の登場によって、各工場は自前の発電所を持つ必要がなくなった。自前の発電設備をつくるには非常に高額な費用がかかったが、中央発電所の登場によって企業は電気を必要な分だけ、しかも安価に購入することが可能になったのだ。これと同じような現象がクラウドコンピューティング。
 過去の歴史を見ると、様々なヒントが隠れているのだと思う。自前の発電所→中央発電所へのシフトがかつてあったように、自分→あちらへのシフトがクラウドコンピューティングだ。歴史は繰り返すと言われるのもしかり。その繰り返しになかなか気づけないのも事実だが。本書の後半では、クラウド化する世界とそこで予想される負の部分にも歴史的な事実と照らし合わせながら触れている。かつて、生活のあらゆるプロセスの電化が、家庭や労働者にもたらした「負」の面が存在するように、このクラウド化する世界にも多くの「負」の可能性も存在している。今まで読んだ本と大きく違う点はここだと思う。明るい未来ばかりが語られがちなネットの世界も、筆者のような冷静な分析も併せて必要なのだと思った。

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