2009年9月20日日曜日

コンテンツ学会サマスペ第3回

 遅くなって申し訳ないです。ゆっくりゆっくりですが、着実にアップして参ります。

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感想

 全10回の中で正直この回が一番面白かった。というのもトレンドを整理し、フレームワーク化して今後に活かせるように提示されているから。渡辺さんの本の時もそうだったが、自分がこの手のものに弱いことがよく分かった。

 現在まさしく、Google一人勝ちの終焉、MSとYahooの提携、Twitter/Facebookの定着、クラウド時代などターニングポイントにいる気がする。この状況下で重要なのは、ネットワーク経済の本質を掴むこと、先を読んでゲームを変えていくこと、そしてデジタルネイティブの感性を活かすこととまとめられるだろう。

 それを踏まえて対立軸の図をみると、どこに収益の重きを置くかで各々の企業・団体はゲームメーカーになろうとしている。Amazonはブラウザも検索エンジンもOSもモバイルも手を出していないにも関わらず、クラウドでは互角に渡り合っている。(というか上手く「共生」している。)その一方でFirefoxやLinux、Androidなどのオープンソースも生き残っている。

 これからはマクロな視点で見ればクラウドの割拠になるのだろうが、ミクロな視点ではビッグプレーヤーがローカルなプレイヤーをプラットホームに取り込んでいくか、あるいは拮抗するという時代になるのではないか。その時日本には何が出来るのだろうか。コンテンツの提供?インフラの提供?ひとまずプラットホームのサービスで渡り合うことが想像できない。日本はいかに勝負(あるいは貢献)していくのか、どう変わっていくべきなのか。ひとつのヒントとしてはアジア圏を中心に拡大し、国際競争力をつけるということが考えられるだろう。あるいはプラットホーム上のプレイヤーとして世界の第一線で活躍するということか。例えば、walkmanにGoogle Chromeを載せる、SonyのリーダーとGoogleの連携など家電の強みを活かした拡大が考えられる。

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多田彰氏「Web 2.0 Five Years on」

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参考文献

http://fumi.vox.com/library/post/contents.html

http://d.hatena.ne.jp/ta26/20090822

http://kiwofusi.sakura.ne.jp/hashtag/output.cgi?name=cgakkai&start_id=3384835449&limit=76#sample

http://marketshare.hitslink.com/

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Is Social Media a Fad? (Social Media Revolution)


詳しくはこちら

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世間一般の「Web 2.0」に対するイメージ

 一時的なブーム?(もう終わった?)

 次は3.0?


特徴

 コンセプトの実現化、ビジネスモデルの確立


Google Stock Crush in Dec, 2008

 一人勝ちの終焉

 明確な競合の出現(例:facebook)

 人材・技術・資金などの「総合力」を持つプレイヤーの復活(例:IBM/Oracle)

 「イノベーターのジレンマ」が起こりつつある


Web 1.0

 紙を表示・静的(BBSなど)

 Net surfing, browse

Web 2.0

 グローバルなコミュニケーション・プラットホームのコア

 Networking, blog


Web 2.0は知恵蔵によると…トレンドの総称。


3つの区分

- 1990~2000

 「ネットスケープのIPO」から「ネットバブル崩壊」まで

- 2001~2009

 「Googleの誕生」から「Yahoo!の死」まで

- 2010~

 MSとGoogleの2強時代



コア・コンピタンスの変遷

- Yahoo!:Data Production

 データを人力で旧来的に集める

- Google:Link Production

 データをリンクで集める

- Facebook / Twitter:Social Graph Production

 人の繋がりをつくる


Computingの進化

- Desktop (standalone)

- LAN

- Internet

- Cloud


Media Convergenceの進化

- Web Mail(添付)

- MP3 (Manipulate可能に)

- Web Brouser

- Sensor(iPhoneのように人の行動を先読み)



ネットワーク経済で大事なのは?

- 不動産産業と似ている「立地、立地、そして立地」


サイクル

 希少→豊富→過剰→関心の貧しさ

 売ろうとするものの(タダでの)提供 ⇔ 発生するコストの回収

 →これは上記サイクルの「過剰」の部分


Gartner Hype Cycle of Emerging Technologies 2009


現在はTwitter叩きの時期。この時期を越えれば安定、定着する。



Web 2.0に再び戻って…

カンファレンスの名前から。ドットコムバブル後。

 「roaring back after the dot com bubble」

(ちなみに今年のカンファレンスはこちら



プラットホームの戦い

- Google:商品経済→広告経済に変えた

「Winner Takes All」の原則(規模の経済)

- Cloud Computing→世界に5台のコンピュータ?

 (Google, Yahoo!, MS, IBM, Amazon)


 Googleは「コンテンツの流通・配信」>「コンテンツの制作」にした。

 (例:YouTube、Google News、Amazon)

 1. オープン化→情報を出す

 2. オープンソース化→権利の共有

 3. Web 2.0→対価を求めずにコンテンツを作る人々の出現


- 利用料ゼロ

 コンテンツ収集コストの低減

 あらゆるものの広告メディア化、収入源化が可能に。

- 弱み

 唯一の製品である「検索エンジン」を奪われ、広告出稿の効率が悪化した場合、一気にダメになる



対立軸一覧。(一部改変)



- Yahoo!:ヒエラルキー的(プラットホームだけでなく、競争相手にもなる)

- Google:ネットワーク状、フラット(プラットホームのみを提供し、キーストーン的)




Yahoo! vs Facebook

- Yahoo!:Web resourceを自らつくる「Web resource工場」

- Facebook:サービス提供のみの「Social Playground」


MSとYahoo!の連携が効果を発揮するには時間がかかる

- MSは…

 Googleにスケールで対抗するのか、ゲームのルールをどう変えるのかカギ

- Yahoo!は…

 変革のチャンス

 Web resourceのプロデューサー業に専念すればエコシステムの中心になる?

 効率性とイノベーションのスピードを改善すべき

- Googleは…

 「Game Changer」たることを戦略の中心に据え、MSの築いたエコシステムへの挑戦をしてきた

 近頃関係の悪化したAppleやMS/Yahoo!の連合がライバルになる?



Web 2.0に対する意見

- 日本のwebは残念?(梅田望夫氏の発言問題)

- Digital Nervous System (Bill Gates“Business @ the speed of thought”, 1999)

-  Web 2.0 isn’t a thing. It’s a state of mind. (Andy Budd)

 Web 2.0 is amoral. (Nicholas G. Carr)

 Web 2.0 is what happened while we were waiting for the Semantic Web. (Dion Hinchcliffe)



SNS / Community Businessの要点

- コミュニティは作るものではなく、育ってくるもの。

- タレントは目の前にいる

- 自分のためのデザイン(iGoogleのような)



これからのトレンドは?

- パーソナルスペース/サービスへのアクセスの一元化?

 →OpenIDのような仕組み?


- Web resourceの多様化と再定義


→Google Waveの登場によってこれらは更に統合される?


- セマンティックウェブ(RSS・メタデータ・RDF・readable data)

→ Google Squared では表示の仕方を加工できる


- 音声・タッチナビゲーション

→TED “Ideas worth spreading”



- リアルタイムサーチ

 Index(Yahoo!)→ Rank(Google)→ Activity(Facebook/Twitter)


- ビジネスモデルの変化

 Free/Open → Paid/Protected

→検索方法・ビジネスモデルの変化はiPhoneにとって有利?


- 注目すべきは IBM Smart Planet → “IBM TV Smarter Corrections”


- ベンチャーキャピタリストにも注目。

 - Ron Conway

   - Josh Copelman (First Round Capital)

   - Andreesen Horowitz

   - Y Combinator


- デジタルネイティブ世代の感覚をGoogle創業者達は分からない?

 →そこにつけ込むチャンス


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