2009年9月9日水曜日

コンテンツ学会サマスペ第2回

結局コンテンツ学会全出席になってしまった岸本です(笑)
とりあえず、知識の共有&自分の確認のために、今後出来る限りまとめたいと思います。自重しません。
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感想
 とにかく事例が興味深いものばかりだった。ARGはそれほど最近始まったものではない。(ドラマ「踊る大捜査線」では早くからネットの力を利用していて、ネット上にスタッフとの「会議室」を設け、ファンは「捜査員」となってスタッフと一緒に制作に協力したりした。)それだけに近年より完成度が高まり、ノウハウも確立しているようであった。
 内容がゲームであれ、社会活動であれ、宣伝であれ、不特定多数のネットの力をうまく導き、現実世界とリンクさせるという点では、(こっちは先読みできないが)2ちゃんなどの「祭り」に近いものを感じる。誰かがタスクを発見し、誰かが(あるいはみんなで)解決する。時には情報がオンラインを駆け巡り、また時には現実世界に手がかりがある。さすれば、「祭り」という言葉に現れるようにARGも勢いが勝負なのではないか。ちなみに「RYOMA」の場合では「リアルタイム感」が共有される時に盛り上がりが増したとのことだ。
 また、面白かったのが「ARGに荒らしは無いのか?」という質問に対し、「自浄作用が働く。むしろ献身的なプレーヤーに不満感を与えないようにするのが大事」という答えが返ってきたこと。ある目的に(ヒマつぶしとはいえ)マジにコミットする集団はジットレインの言うところの「生成力(generativity)」を高める性質があるのでは?と思ってしまった。(ただしこれは目的次第かな?目的自体が閉じていればそうでもない気がする)
 考えられるのは 1.メンバーが多いほど有利になるということを潜在的に分かっているため 2. 本業などで所々しか参加できない「自分たち」のためのログを残した結果として 3. 生成力を高めることは結果的に社会の役に立つから社会的インセンティブが働くから といったところであろうか。
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武山政直氏「代替現実ゲームと消費者エンゲージメント」

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参考文献:http://en.wikipedia.org/wiki/Alternate_Reality_Game

     http://fumi.vox.com/library/posts/2009/08/

     http://kiwofusi.sakura.ne.jp/hashtag/output.cgi?name=cgakkai&start_id=3379775097&limit=15#sample

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映画「A.I」

例)エンドロールの「Jeanine Salla - sentient machine therapist (感情を持った機械のセラピスト)

  →架空の人物だけど、検索するとホームページが存在

  →見つけた人だけ、更なる謎解きに参加。


- ARGにおいて、現実世界からフィクションへの入り口を「ラビットホール」と呼ぶ


映画「バットマン・ビギンズ」から「ダークナイト」の間にミッションの存在。

例)ジョーカーのメイクをして町中を歩く

  →バットマンのコアなファンはノってくれる(メディアを通じたviral性)

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ARGの要素

- story

- puzzle

- mission

- community

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the art of the heist (2005) / Audi US, A3

例)ディーラーから盗まれた車を探す

  (CM・blog・video・forumなどを利用)

  特徴的な機能を売り出す(SDカードリーダーなど)


I am trying to believe (2007) / Nine Inch Nails

例)ライブTシャツに暗号

  ライブ会場のトイレに未発表音源が落ちている

  カンヌの広告賞取った

  Trent Reznor “It is the art form.”

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これからは出版?


1. Cathy’s book (2006)

例)本+失踪した証拠の付録

  P&Gのproduct placement


2. The 39 Clues (2008)

例)シリーズ本。(日本版はメディアファクトリーから)

  スピルバーグとドリームワークスが映画化


3. The Amanda Project (2009)

例)失踪モノ。黒澤明「羅生門」のように様々な人物の供述をもとにする。

  Fourth Story Media社…ARGに特化した出版社

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考古学的story tellingと集合知

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物語世界のRealityと没入感

→cross-referenceによって実感を得る(代替現実感)


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産学連携プロジェクト(ADK・メディアファクトリー・DNP・慶應大)

ユビキタスエンターテイメント事業創造

例)RYOMA : The Secret Story (2009)

  http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0904/09/news079.html

  http://keglab.jp/ryoma_arg_phase2.php

  http://www19.atwiki.jp/ryomathesecretstory/

  コアプレイヤーの行動パターン

  ・まとめサイト作り

  ・トピック作り

  ・ライブ感がある時にアクセス集中

  不満専用トピックを設けても良かったかも

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Social Marketing

例)GHOSTS OF A CHANCE (2008) / スミソニアン博物館

  キュレーター役で謎解き

例)World Without Oil (2007)

  石油が枯渇した未来の予測をする

例)Coral Cross (2009?) / ハワイ厚生省

  新型インフルエンザを予測するもの

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課題

メディア横断的なクリエイターの必要性

新たなビジネスモデル・プロダクションチーム・権利処理が必要に 

  →チームは制作委員会方式?(予期せぬ場合の意思決定権は誰が?)

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質疑応答

- フィクションという信号を出さない方が良い?

  →最近はフィクションかどうかは関係なくなってきている

   アメリカは日本に比べ、法律スレスレのことに敷居が低い(ARGの認知度が高い)


- 出版社の方がやりやすい?

  →ストーリーを既に持ってるが、多くは恊働的に


- ゲーム会社がARGを制作する?(可能性は低い)

  →現在は代理店が中心。(ゲームメーカーに外注の場合もあり)ただし、ゲームメーカーから独立して作る人も。


- 実際にARGをやってみた苦労は?

  →スタート直後が大変(それまでにイベントのタイムラインは組んでいるので)

   意思決定のスピードを上げなければならない、休めないこと


- 公開期限は?

  →従来のものは大体期限付き(通常2~3か月、運営側もこのくらいの方が楽)

   他にはフェーズで区切るなどの工夫

     持続、リピート可能なARGは今後の課題

   (オープンエンドなものはチャリティーなど)


- 参加者の分布は?

  →ネット好きの人(技術専ばかりではない)


- シリアスARGに参加させる社会的インセンティブを高めるには?

  →コンテストなどを開く?(ウェザーニュースのゲリラ雷雨のように)


-  ARGのイベント発生の適切なタイミングは?

  1日にひとつくらいはタスクを置く

 プレイヤーを迷わせない(小さなタスクと大目標の提示)

 間延びさせない、運営側が明示的に出ないでヒントを出す


- 荒らしは?

  基本的にプレイヤーによる自浄作用が働く

  むしろ献身的なプレイヤーに不満感を与えないことが大事

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