バズワード的に一気に広まったこの「ロングテール」。人文系で語られるいわゆる「ポストモダン化」「大きな物語の終焉」が消費の面で表れてきたといえるだろう。
ロングテールはコストを削減し、その分ニッチをたくさん集め消費者を引きつける。このモデルは実際問題どこまで有効なのだろうか。仮に全てのコンテンツがデジタル化されたとしてもサーバーなどの維持費が結局のところかかってしまう。「ちりも積もれば山となる」という感じに。低価格あるいは無料のコンテンツを提供したところで結局のところテールの長さは維持費で決まってしまうのか。この場合考えられるのはコンテンツの制限である。例えば音楽配信のmf247はリニューアルの際に、審査基準を設け、「誰でも気軽に参加可能」という訳にはいかなくなった。こうした「誰でも参加可能」に敷居を設けるやり方はこれからも出てくるかもしれない。その一方で、維持費を補填するだけの黒字を価格のversioningによってもたらす方法も考えられる。その結果重要になってくるのはversioningによる収益の確保とそれに基づいた低価格での提供のバランスをとることであると言える。また、プラットホームビジネスの観点から見ると、赤字覚悟での初動重視、及びネットワーク外部性を活かしたシェア拡大なども必要になってくるだろう。
ちなみに最近邦訳では新書でアップデート板が発売された模様。ロングテール(アップデート版)
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