2009年8月27日木曜日

ちょっとAmazon行ってきた。

今週の東洋経済がAmazon特集だったので、それに関していくつか書きます。


 まず、発覚したのが、Amazon.co.jpの流通センターが近所にあったということ。ということで野次馬根性で行ってきました。
まわりは倉庫や工場が多く、人影もまばら。それこそここでバイトをしてる人くらいしかいませんでした。
奥行きは大体3〜400mでしょうか。
横から見た図。ちなみに日通の敷地です。


以下気になった点をメモ。

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- 物流インフラ + ITインフラ の両方を持つ

  →強みである一方弱み。(コスト高)


- Amazon.comの多様なDL販売


- Kindle…物流インフラを無くすもの(ペーパーバックの延長?)

      iPod/iTunesモデル(垂直統合)

  ⇔SonyとGoogleのオープンモデル


- fulfillment by Amazon …物流インフラの提供

  checkout by Amazon / webstore by Amazon …ITインフラの提供(販売 / 運営)


- Barnes & Nobleを2008年に抜く


- 電子書籍のメリット

  貸し借り・中古に制限、誤植直せる→アーキテクチャ制御できる

  段階的販売→バージョン化しやすい


- Amazonの顧客は3種類

  customer・seller・developer


- Google:広告収入→トラフィックを増やす

  Amazon:小売り収入中心→取引を増やす

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 Amazonはかなり「本屋」というイメージが強いが、思った以上に(特にアメリカでは)インフラを活かした「小売店」であり「プラットホーム」である。驚いたのは「fulfillment by Amazon」「checkout by Amazon」 「web store by Amazon」のサービス。日本の「マーケットプレイス」のような製品単位の仲介ではなく、中小企業、大企業(ラコステなども!)の両方を相手にしたAmazonの小売・流通システムの切り売りを行っている。

 今回は紹介されなかったメカニカルタークなども含め、非オークションでの財・サービス売買のハブになっていくのかもしれない。(オークションはebay中心、無料モデルはGoogle中心か?)


 キンドルによる電子書籍の問題。Amazonはキンドルで完全にAppleのiPodモデルを真似ている。独自端末の開発、そして独自の電子書籍規格azwと行った具合に。その一方でソニーはpdfやマイクロソフトのxps、アメリカの出版業界標準のePubなどに対応している。また、ソニーはGoogleや図書館と連携し、リーダーでパブリックドメインの書籍を取り込んだり、図書館から「貸し出し」できるようにした。

 ウェブサービスはなんだかんだ言って地域性に左右されるものではないか、と感じた。世界的に拡大している(主にアメリカ初の)サービスだって各国に対応したローカライズが必要になっている。そう考えると、(特に世界的なブランドを持っている)ソニーのような「家電」を軸にしたメーカーは圧倒的に使いやすさ、便利さを追求すれば市場を奪うことができるのではないか。

 しかし、Amazonのキンドルでは電子書籍が他のものに比べ安く、紙の書籍よりも安い。これはやはりペーパーバックの先のモデルとして位置づけられているためか。安さと早さを重視した価格のバージョン化の一形態としてはキンドルの方が有利か。そうなるとソニーはややハイエンドなモデルへ転換する必要があるのか。どちらにしろAmazonはコンテンツを売る入り口としてキンドルを売り、ソニーはGoogleなどが提供してくれるコンテンツをえさにリーダーを売る、と言える。

参考

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