2009年7月10日金曜日

書評 Emotional Program

Emotional Program

カーデザインやケータイデザインなどで著名な坂井氏の著書

人々の感性(消費傾向)を9つのクラスターに分類するEmotional Program (EP)という独自のマーケティング手法で商品開発を行うためのコンセプトワークの活用事例の一つ。

感性とマーケティングは基本的には相容れないものだと僕自身は感じている。マーケティングは数値化された定量データで調査され、それに基づいて戦略を練るからだ。もちろんそれに加え、定性的な感性という情報を加えられたら当然マーケティングの精度は増すと思う。実際に、そのような取り組みは活発になってきているし、解釈学的なマーケティングアプローチは興味深いものがある。

しかし、実際にこのような取り組みは個人的にはあまり理解出来ない。ペルソナなど徹底的に1人の消費者に対して仮定を設定し、それに向けたマーケティングを行う事例もあるが、その効果に対しては疑問を持つ。本書に関連させれば、そもそも人間を9種類に分類できるかも疑問だ。感性はあいまいで、不透明な部分が残るのは仕方ないことではあるが、もっと数値で表わせるような的確な指標が感性にも導入されらばと思う。

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