2009年7月7日火曜日

【ホンヨミ!】日本のポップパワー【岸本】

 国外にどう日本のポップカルチャーが見られているかという意味において、この本では俯瞰的に海外の事例を多く扱っていたので、大変興味深かった。

 欧米のハイカルチャーからの評価という観点では自分の英語プレゼンと通じるものがあった。ただし、現在の日本のポップカルチャーの評価は無自覚的にボトムアップで築かれてきたものであるのではないか?それがインターネットの発達によって海外の人々に「発見」され、評価されたに過ぎないように感じる。今現在日本は海外からの評価に凄く敏感になっており、コンテンツ振興政策の岐路に立たされている。

 個人的にはボトムアップの仕組みを維持し続けるように支援すべきではないか。なぜならコンテンツ文化は偶発的な要因も多く、トップダウンで何が優れた作品か決められるほど単純ではないからだ。そのためにはマンガやアニメなど制作の現場の待遇を良くすること、そして全てのクリエイターに対して表現を(発表)しやすい文化、環境を作っていくことが求められているのではないか。

 また、後半の教育の話と関連するが、現在の子供はどれだけ「ヤバいもの」に触れてきているのだろうか。多くのクリエイターは個人個人の「ヤバいもの」に触れた原体験に基づいていることが多い。テレビなどのマスメディアで当たり障りのないものばかりになってしまえば、またネットに十分触れることが出来なければ将来のクリエイターの芽を摘み取ってしまうことになるだろう。

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