2009年7月3日金曜日

ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく

ウェブ進化論もそうだが、少し筆者は楽観的すぎる。
全体をざっくりまとめると、「ウェブを使えば幸せになれますよ」と言っているようにしか聞こえない。オープンソースや群衆の知の有用性は理解している。実際にwikipediaや教えてgooのような集合知を用いているサービスはよく使用するし、やはり便利だ。ネット上にこのような情報が氾濫しているのはありがたい。

それにしても彼らは万能でないし、間違えも犯す。そこらへんの二面性も考えなくてはいけないと思う。この本は二面性について触れられている部分が圧倒的に少ない。

僕はウェブを使えば、幸せになれる、早く成長できるとは思わない。ウェブはそれらを促すポテンシャルを秘めているだけだろう。ウェブの情報をどこまで信頼していいのか、どこまでが人間的に正しいのかなど判断の基準が全面的にユーザー側にあることを忘れてはいけない。

正しい選択を行うにはユーザー自身の知的なレベルアップが求められると思うし、ウェブ時代にこそ情報源が明記されている書籍が価値を増してくるのだと思う。ウェブに代表されるようなフローな知識は、本などのストックされた知識の補完にすぎないと僕は思う。ネットを活用するのも重要だが、ストックされた知識、つまり読書などによって基礎体力を付けてからウェブを活用しないとあふれる情報に飲み込まれる。そのような意味でウェブはもろはの剣だと僕は考える。

あふれている膨大な情報から価値のある情報を選択できる力こそが情報化した時代に求められる力だろう。

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