2009年6月25日木曜日

【ホンヨミ!】V字回復の経営【金光】

『V字回復の経営』 三枝匡



前に読んだ『戦略プロフェッショナル』と同じ筆者だった。どうりで文体とか視点が同じだと思った。

この本は、経営の手法(戦略)というよりも、社内の立て直しの過程だった。だから方法というよりもいかに「人」に訴えて人を動かすか、という印象を受けた。

これを前に読んだことがある父は、気に入っていたらしい。

でも私には、企業がどういう団体かわからないので、会社ってもっとすごい自分とかけ離れた難しいところかと思っていたけど、ゼミも部活もサークルも同じじゃないのかな。だって人の集団だし!背広を着た大人だって、意外と幼かったりするんだなァという感じがした。特に、古い体質を守りたい、変わるのが怖い、だからすねてみたり、っていう態度を読むと、学生と同じー!!と思ってしまった。

集団としてみると、ことがうまくいくかはトップが大事。そしてサポートする優秀な人材を見抜くことができるのがトップとして大事。今まで埋もれてても、目立たなくても、見る人が見ればわかるものらしい。そして、熱さとほどよい緊張感も大事。知識は補えるけど、その人が今やってることや発言に本気かどうかはすぐに見抜かれる。
が全体を通して筆者が強調していたこと。

あと印象的だったのは、プレゼンをする改革主要メンバーが大変な時間をかけて用意して、やっと社員全員が聞く耳を持ち、真剣になりかけた会議の場での話。大切な会議なのに遅刻して入ってきていきなり雰囲気をぶち壊す発言をした社員に対して、主人公の黒岩が怒鳴りつけたこと。

社員たちが一斉に、黒岩の対応に興味の目を向け、さぁどうするのか、諭すのか、あきれるのか…と思ったら、彼は怒鳴った。その一発が周りも覚醒させたし、何より本人がやっと失態に気付いたと思う。そこまでされないと気付かない人だろうということ。そして、現実世界で、そんなふうに怒鳴る人が減っているような気がすること。
自分がもう大学生だからかもしれない。大教室で怒鳴るおっかない教授が珍しいということは、やはり怒られなれていないということ。怒られないからって自分たちが優秀になったわけではないと思う。黒岩がそうであったように、怒るときは真剣だから。いい加減な人は怒りの気持ちも抱かない。
自分は、さすがにこの本のぶち壊し社員のような悪い意味でのKYな行動は絶対に取らない。でも、悪いことは悪いと言ってくれる人が近くにいてほしいと思う。

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