『パラダイス鎖国 忘れられた大国日本』 海部美知 アスキー新書
私にとって、この本は冒頭部分から驚きの連続だった。なぜなら、日本があまりにも住み易い国で、パラダイスのようだから若いひとは海外に出たがらないという話は、最近、ニュースや授業で日本の雇用問題や経済格差のはなしばかりを聞いていた私にはかなり新鮮に思えた。
そんなに私たち日本人は、この国を住みやすい国と思っているだろうか。先日学部の授業で比較価値の話を聞いたが“日本が住みやすい国である”と認識するためには、そもそも前提として他国の住みにくさを知らなければ分からないと思う。つまり日本が住みやすい国であるとわかっているひとは、他国の住みにくさについてもわかっている、グローバルな人間なのではないだろうか。また、現代の若いひとは海外に出たくないのではなくて、経済的な問題で出ることができないだけなんじゃないかとも思った。
携帯電話のガラパゴス現象について、日本市場が独自の技術発展を遂げたことだけが理由でなく、日本企業が人も資金も国内市場に傾斜投入したことが最大の原因であるという話は、初めて聞く話だったので、とても勉強になった。
2009年6月25日木曜日
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