2009年6月24日水曜日

【ホンヨミ!】Google-最強のブランド戦略-邪悪にならないこと【大賀】

ニール・テイラー著、石原薫訳「Google-最強のブランド戦略-邪悪にならないこと」(2006年、ソフトバンククリエイティブ)
2009年6月24日読了

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 Googleのメインページのデザインはシンプルであるがゆえに斬新だ。シンプルイズザベストというが、実際には「シンプル」なものはそれほど多く存在しない。現実世界においても、「インターネット」という仮想空間においても、それの持つ情報が多くなればなるほど物事は複雑な形になる。Googleの情報量はその名の通り「世界を制す」程に多い。だがそのメインページはシンプルだ。Googleのロゴと、検索窓があるだけ。中身の情報量を感じさせない程にシンプルでわかりやすい。図書館で見た、難解な学術書を思い出した。内容量は膨大だけれども、それを感じさせない簡素な表紙を担っている学術書と同じ様相を、Googleは持っている。そのシンプルなメインページが、そしてまた、「Google」という名前とロゴが、ユーザーのニーズを考えた上で作られたものだったとは!Googleはその計画を見事成功させた。いまやGoogleはひとつの名詞となり、「ブランド」となり、また動詞となっている。
 本書は、Googleの裏話からそのビジネスモデル、サービス形態まで記した「解体新書」と言えるべきものだ。Googleがなぜ「世界一」のサービスと言われるのかを知りたい人々にはお薦めの本だ。ただ、こういうコンテンツ系の本にはよく有ることだろうが、やはり「Google」を信奉し過ぎている感は否めない。本書を読んだだけで世界のコンテンツビジネス全てがわかるというわけではないだろう。その点にだけ注意して読みすすんでいくべき本だと思う。

 さて、Googleのロゴの話に戻るが、気になったので調べてみた。Googleロゴ、季節や行事に合わせていろいろ変わるのは知っていたが、こんなにたくさんの種類があったとは驚きだ。→Googleホリデーロゴ 名画をいじったりアニメキャラクターをつけてみたりと、ユーモアに溢れている。ロゴのデザインに注目するだけでもGoogleはやはり、「世界一」の面白さがあるのかもしれない。

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