2009年6月25日木曜日

【ホンヨミ!】ソフトバンク「常識外」の成功法則【池亀】

ソフトバンク「常識外」の成功法則/ 三木雄信

ちょっと大げさかもしれないが、私はずっとソフトバンクを日本の通信業界に現れた言わば黒船のように感じていた。だからその孫社長も外資系企業よりの経営理念を持った方だと想像していた。しかし、本書で書かれている孫社長のスタンスはそうした私が抱いてきたイメージとやや異なるものだった。

特に、孫社長の人材活用術はとても意外で、私はソフトバンクも欧米の外資系企業のように厳しい人事手法を取り、そこでは成果を残せなければすぐに移動や解雇が行われているものと思っていたのだが、孫社長の人事手法はそれとはまたちがうようだ。

それはまず、経営幹部を外部からヘッドハンティングしないところにも表れていよう。今や日本の大手企業でもトップが外部から採用されているというのに、ソフトバンクはM&Aの対象とした企業の幹部をそのままソフトバンクの幹部にさいようするという形をとることでそれを避けている。また、正社員の長期的教育にも力を入れており、これも外資系企業にはみられない特色だろう。さらに、企業として社員に常に仕事の結果を求めるのは当然のことだが、それで孫社長から組織変更や更迭を言いだすこともほとんどないそうだ。このように、孫社長は企業内の人材を育成し、その中で人材をまかなおうとする気持ちがつよい。これは、日本企業の理念と共通するところかもしれない。

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