2009年6月30日火曜日

【書評】新聞社―破綻したビジネスモデル―【栫井】

新聞社―破綻したビジネスモデル―/河内孝

あくまで私の勝手なイメージなのですが、新聞社というものに対して私はあまり明るいイメージを持っていません。発行部数が落ちている、広告費は下がっている、という意味だけでなく、記者クラブの存在であったり匿名の後ろで自分の主張を並べていたり、薄暗いイメージが捨てきれないからです。
著者は本書の中で、新聞社の腐敗の原因を部数至上主義だと捉えている一方、インターネットの登場も新聞社の転換のターニングポイントとして見ている。読売や朝日、大きなシェアを持つ新聞社に対抗すべく、毎日新聞はインターネット上の覇権を狙っている。有料と無料を使い分け、ニュースを配信していくシステムは今後どのように発展していくだろうか。単純にニュースだけを見たいのなら、Yahoo!のトップページで事足りる。そのニュース元が毎日新聞だが、果たしてそこに集中してしまうことはどうだろう。私は毎日新聞に目を通すが、真剣に読むことはなかなかないのが現状だ。暇なときに惰性であれ読み、ニュースなどに対して記者というニュースのエキスパートがどのような解釈を加えるかを読んでいくのが楽しいと思う。新聞がないと生きていけないか、と問われると否と答えざるをえない。だが新聞がなくなってしまうと、確実に人々のリテラシーは精度を失い、気軽にさまざまな意見に触れるチャンスを失うことになると、私は思う。 

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