2009年6月19日金曜日

【ホンヨミ!】自分の答えのつくりかた【岸本】

 自分の答えのつくりかた / 渡辺健介著, ダイヤモンド社


 著者はマッキンゼーとハーバード・ビジネス・スクールという2つの場所で多くのものを学んできた。この本では中高生にも分かるように、物語仕立て、平易な言葉で論理的な思考の組み立て方がまとめられている。

 自分の考えを持つにはまず疑え(あるいは、つっこめ)。などとよく言う。しかし、懐疑的になるにもどうすれば良いのか。またその疑いをどう自分の問題につなげていくか。それに対する1つの答えが「ピラミッド・ストラクチャー」だ。ただし、これも万能という訳ではなく、あくまで意見と理由を明示するツールに過ぎない。結局はひたすら具体的な所に落とし込んでいって、詰めていくことが「自分の答え」への近道である。

 また、現実の問題は即座に解決できるほどシンプルではない。変数も多く、利害も衝突しがちだ。そうなった時にどうすべきか。この本で示されているのは、他人との対話の重要性だ。そして他人と対話をする上で重要なのは、いかに自分の価値観を明確な根拠をもって他人に伝えるかということだ。

 著者によると、多様な人種、多様な背景を持つものが集うニューヨークのマッキンゼーではこうした思考方法が「共通言語」になっているという。これは全般的にアメリカのビジネス界に限った話だと思われるかもしれないが、建設的な意見の構築を行う上で最も効果的な方法ではないか。そうなると「共通言語」たる所以も分かる。

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