2009年6月21日日曜日

【ホンヨミ!】持続可能な福祉社会【内山】

日本の福祉についての本。祖母と生活することで、手にとってみた。「見えない社会保障」ということばを読んで、ああーと思った。たぶん今回の祖母とわたしの家の関係がそれにあたるのだろう。しかし、昔の見えない社会保障はより強固であった。田舎に行くとよくわかるのだが、本家といわれている尾田家(母の旧姓)の中心的な家があり、祖母のめんどうを叔父の家が見れないときに、祖母のために力を尽くしてくれる。田舎にはそういった見えない社会保障が存在するところには存在している。しかし過疎化が進んだ土地に住むひとや、生まれた土地を離れた人にとって、そういった社会保障は存在しない。実際、わたしの老後はどうなってしまうのだろう。わたしはひとりっ子なので頼る兄弟もいなく、もしもわたしに子供ができたなら迷惑をかけないうちにそういった施設に入るつもりでいる。しかし世の中にはそうするお金がない人もいっぱいいるし、今話題の年金問題など、高齢者大国日本には福祉における懸念が多い。また、人生後半だけでなく、人生前半にも社会保障をおくべきだという筆者の主張はとても興味深かった。格差が広がり、人々は生まれたときに同じスタートラインに立てない。それを是正しろ、ということである。たしかにわたしがいま慶応に通っているのは、家庭がそれなりに裕福であったことに起因する面も大きいだろう。(もちろん、裕福でなかったら慶応に来ていないとは言い難いが)チャンスがお金を理由に潰れてしまうのは、たしかに惜しいことだ。しかし、さいきん友達がノリで言っていた「天下りとかって言ってるけど、そりゃああいつら勉強したもん。いいじゃんそれぐらい」というセリフが、わたしの胸に残っている。努力が報われるのは理不尽ではない。世の中って難しい。しかし、若い芽を潰すのは、そういう現実があるのは、やっぱり悲しい。そういった事態を変える気概がわたしにあれば。

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