2009年6月19日金曜日

【読書】方法序説【小山】

方法序説 (岩波文庫) (文庫)
デカルト (著), Ren´e Descartes (原著), 谷川 多佳子 (翻訳)



 ちょっとしたマイブーム(古典)からデカルトの本。6部構成だが、あまり、間にある章に重点はおかずとも良いと思う。デカルトの価値観、特に学問に関する価値観を出したような本であるが、もちろん彼の価値観なので従う由もない。
 ただし、哲学の原理ということで、出発点となる、有名な「われ思う、ゆえにわれあり」は尊重してよいと思う。外的な権威など、自分の思考を中断させるものに注意を払う必要はない。この、「自分が考える」ということを出発点にして物事を考えるのは、よく必要とされていることだ。方法序説という名前が「理性を正しく導き、学問において真理を探究するための『方法序説』」であることは良く納得できるものだった。
 デカルトは自分の平穏を妨げる名誉を嫌うといっているが、本よりも言葉が有名になり、デカルト自身も有名になったこの世をどう思っているのだろう。皮肉なものだと思う。

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