2009年6月28日日曜日

【ホンヨミ!】ブランド大繁盛【戸高】

堺屋太一著『ブランド大繁盛』

 本の内容とは関係ないけど、冒頭に金先生の字で「期待以下」と書かれていたのでだいぶと読む気を失いながらも読んだ。

 ブランドは伝統を維持するだけでは、そのブランドイメージや、クオリティを保つことができず、随時時代の潮流に合わせた変革が必要不可欠となってくる。実際に、現代「大繁盛」しているブランドを見ても、旧態依然を貫いているブランドは淘汰され姿を消し、伝統を守りながらも、消費者ニーズを反映させたり、急進的な芸術家とのコラボレーションを行うことでその地位を保つどころか、高めている。
 あの東京ディズニーリゾートですら常に変化しているのだ。去年は25周年ともあり、過去最高の業績を記録したディズニーであるが、世界最高のエンターテイメントとして、細部にわたり徹底的にフィクションを、それも心地よいフィクションを作り上げている。東京ディズニーリゾートに足を運んだ方ならお分かりかと思うが、エリアとエリアの境目に滝などを設置することにより、エリアごとのBGMを完全に遮断していたり、スピーカーの位置を綿密に計算し、屋外とは思えないほどの心地よい音響を感じることができたり、朝から晩まで常に清掃がなされていたり上げていけばきりがないのですが、とにかく突っ込みどころがないくらいの徹底。
 「夢の国を創る」というコンセプトを創業以来守りつつも、新たなアトラクションやショー、イベントを随時行うことでディズニーは成長してき、「テーマパーク」での位置を築き上げた。その徹底と、コンセプトがあいまいだったテーマパークは閉園に追い込まれている。
 何かを徹底するということはできそうでできない。それは人間の人生においても同じだ。徹底的に貫くべき信念があり、その上で自分の成長のために変化していくことができる人間こそが、必要な人材であろう。

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