2009年6月26日金曜日

【ホンヨミ!】ハーバードからの贈り物【斉藤】

 ハーバードからの贈り物 デイジー・ウェイドマン

 本書の中で、私の一番心に残った「贈り物」は、「自分が相手に何を言うではなく、自分が話している時に相手の内面に何が生じるか」を考えなければならない、というハーバードビジネススクールのトーマス・J・出ロング教授の言葉である。本書には卒業する学生に向かって教授一人ひとりから贈られる、貴重な贈る言葉がたくさんつまっているが、とりわけ自分にはこの言葉が響いた。
 自分も含め、人は自分が今まで勉強をしたり経験を積むことで築き上げてきた価値観や蓄積してきた知識をもって、たとえば相手に意見を言ったりアドバイスをしたりする。もちろんその時は相手にどうやったら自分の思っていることを伝えられるだろうか、どんな内容を話したら自分に賛同してくれたり、尊敬されるだろうか、ということを考えてしまう。それは相手と会話する上ではもちろん必要なスキルだと思う。しかし、同時に自分の言葉から相手が感じとること、そして相手がとる次の行動を考えることが大切だ。例えば、自分がとても疲れているとき人と会って話をするという約束があったとする。その時相手が親しい人である場合は露骨に「自分は疲れているから仕方ない」という態度が表面化してしまう場合が多いのではないだろうか。そんなとき、ふと自分がこんな態度をとったら相手はどんな風に感じるだろうか、ということを省みれることができればいい。相手をポジティブにさせる、それが人が他者と会話することの醍醐味だと思う。ポジティブなサイクルのある空間、を自らの発話によって創り出していけるようになりたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿