2009年6月26日金曜日

【読書】ロシア・ショック【小山】

ロシア・ショック (単行本)
大前 研一 (著)



 シベリア鉄道を使ってロシアに10日も滞在した私は、少なからずロシアに親近感を抱いているので、この本を読むのはある種必然なのかもしれない。
 と、ひとりごちるのはやめにして、この「ロシア・ショック」読んでみると、データが多く、説得力に富む一冊だった。ロシアのこれからの台頭を予見している。私もモスクワとウラジオストックはきちんと滞在したので、これら都市についてはわかるのだが、ロシア、まだ潜在能力があるとみる。モスクワは灰色のイメージを受けたのだが、逆に灰色から色をつけられると考えられる。現に、本書で語られているように、ロシアはその力があるのだから。一次産品のみならずハイテク産業などまでも主力になり始めたロシア。まだまだ伸びる余地はある。
 特にハイテク産業についてだが、ロシアの広大な領土のことである、それこそデータセンターなどの建設にはうってつけともいえるのではないだろうか。世界の情報がシベリアに集まることも夢ではないと私は考えている。本に書かれていたことで知ったのだが、教育水準も、他の先進国に近い国々(特にBRICs)に比べてぬきんでていることは確かだ。これもプーチンパワーか。
 日本ではロシアの強さをネタとして扱っている部分もあるが、その強さを直視して、より生産的な関係を築く努力をしなければならないことは自明だろうと思う。

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