2009年6月26日金曜日

差分

差分/佐藤雅彦

佐藤雅彦さんの本。この人は本当によく考える人だと思う。
この人の本はいつも頭の使ってない部分を刺激されるような気がしてとても好きだ。

この本はaという事象、bという事象の差を取るとaにもbにも現れなかった情報を認識する、という仮説のもと科学的な表現の形を集めたものである。

これを見て思ったことは人間には原因と結果だけ見れば、だいたいの過程が理解できるということだ。表現という点から見れば、作り手は楽だし、観客は想像力を働かせる事が出来る。つまり、作り手すら想像していなかった表現を生み出せるのである。
しかし、ビジネスの世界ではそうはいかないと思った。良好な組織を築くには人材の育成が欠かせない。そのためには、優れた評価制度が必要である。見えない差分の脅威はここにあるだろう。組織では、かかったコストに対する結果だけを見ると、努力が足りないと評価されることがある。これは、組織の信頼関係を揺らがせる。また、評価が適切でないと人材のインセンティブがなくなってしまう。
組織のタスクの見える化が必要だと感じた。特に、新規の事業を扱う際には、経験という差分を引き出す要因がないからだ。

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