2009年6月26日金曜日

【ホンヨミ!】地域再生の条件【内山】

地域再生の条件/本間義人

都市への人口密集、格差の問題を、地域が主体となって解決していく姿を描いた本。たしかに過疎化している地域は、それを都市のせいにして嘆いているだけの節があるように見える。もちろん何かしらの対策を打っているのだろうが、もう後がない、という自覚が乏しいのではないだろうか。たとえば「あまおう」にしても、立派な地域活性化の対策の一つになっている。「とよのか」「とちおとめ」など、既存のイチゴのブランドからパイを奪う、新しいブランドとして生み出され、その生産地域を一躍活性化させた。たとえば、身近な自然を保全することでそこに人が集まることもある。バリアフリーに気を使った街をつくれば、そこに人が集まる。何かに特化すれば、その地域のブランドができ、人の注目を浴び、結局は人が集まる。発想の転換しだいで、過疎化の対策は可能なのである。だいたい、国という大きな組織が、地方を見るというのは不可能なのである。わたしは道州制が実行されればいいのにとずっと思っているのだが、なかなかそうもいかない。シャッター通りなどのさびれた悲しい光景を、少しでも見なくていい社会になればいい。

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