2009年6月26日金曜日

【ホンヨミ!】ブルー・オーシャン戦略【池亀】

ブルー・オーシャン戦略/ W・チャン・キム、レネ・モボルニュ

本書では、競争の激しい既存の市場をレッド・オーシャンと呼び、これに対し今はまだ生まれていない未知の市場をブルー・オーシャンと呼んでいる。前者にはすでに多くの競争相手が存在し、それらで限られた市場でのシェアを争っているような状況であり、今以上の利益や成長の見通しは難しい。一方後者は未開拓であるため、新たな需要及びそこからの利益はより期待できる。「市場を創る」でも出てきたように、インターネットの普及により探索コストが下がったことで、これまでのニッチ市場は消えつつあり、またグローバル競争が激しさを増すことで、製品のコモディティ化や価格競争が激化している。このようにレッド・オーシャンで競争を続けることは、企業に多大なコストと少ない利益をもたらすだけのケースもあり、あまり魅力的な市場とは呼べなくなってきている。そんな中、リスクは高いかもしれないが、企業のブルー・オーシャンへの注目が高まっている。本書は、その今注目を集めるブルー・オーシャンをどう開拓していけばよいかという企業の戦略が体系的に述べられている。例や図も豊富で、非常に分かりやすい。

今週ちょうどソフトバンクの孫社長の経営に関する本を読んだのだが、その中にあった、競合他社とのベンチマーキングは行わず新たな市場を切り開こうとする姿勢や、細かい数字や短期的な利益にとらわれず長きにわたって続く企業を気づこうとする姿勢は、本書のブルー・オーシャン戦略と共通するものであった。一人の経営者の話が、本書では論理的に紹介されていたので、頭の中を整理することができた。

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