2009年6月29日月曜日

【ホンヨミ!】見える化【金光】

『見える化』 遠藤功

「見える化」というのは聞いたことがあったけど読んだのは初めて。
正直、最後までこの言葉に慣れなかった。だって日本語的にちょっとおかしいから。見えるか?っていうのと掛けているのかもしれないけど、言葉の内容がすぐに変換できなくて、ぴんと来ない単語はキーワードとしてあんまり良くないんだなと思った。

都合の悪いことも見えるようにして、見えるようにする視点もさまざまに設定すること。
そういえば小学生のときはこれが日常だったな、と思い出した。書道や絵などの作品はもちろんクラスには宿題の日記がとか、班ごとに名前を書いた紙とか、この前の漢字テストの結果の一覧とか。中学、高校と経るにつれてそういう掲示物はなくなった。小学校の教室はそのクラスや先生のカラーが表れていて、おもしろかった。どんな意図があったのかなんて考えたこともなかったけど、お互いに刺激を受けたり、相手のことを知ったり、見られることを意識して書くようになったり、効果があったな、と思う。
たぶん歳を重ねるうちに、そのほかで忙しくなるから、教室の掲示板のような取組は合理的でないとして省略されていくんだと思う。

本の中のノウハウの見える化は、ここまでするかー!と少し違和感を覚えた。全部がマニュアル化されていて、新しい効率良いやり方を考案する「遊び」の余裕まで奪ってしまうのでは、と思った。
自分自身がマニュアルに基づいて仕事をしていた時、あまりにも細かいその決まりに、目的を見失ってしまった。本来の仕事を行うことではなく、マニュアルを厳守することが目的になってしまった。
何事にもある程度のゆとりは必要だと思う。

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