2009年6月12日金曜日

【ホンヨミ!】知財革命【菊池】

 『日本のポップパワー』に関連し、知的財産についてもう少し知りたくなったため、本書を選んだ。本書は特許の話が中心ではあるが、日本のコンテンツ産業と同じく、まだまだ発展の余地が多い分野である。情報が、実存するモノの価値を超えていく時代にあって、知的財産の保護や、それを生かす環境が未だに不十分である。よく考えると、これは大きなビジネスチャンスが潜んでいるのではないか。そしてこの分野に精通している人材は、今後ますます重宝されていくと思う。本書でも触れられていたが、日本にはまだ、知的財産専門の弁護士が少ないし、技術分野に精通した弁理士も少ない。これはつまり、弁護士や弁理士というスペシャリストは、知的財産を扱うためのゼネラリスト的素養も求められるのだ。このような、専門分野を持ち、かつゼネラリストである人材は「スーパーゼネラリスト」と呼ばれることがある。これは知的財産分野のみにとどまるはずがない。これからの時代、ただのスペシャリストであるだけでは問題に対処しきれないのかと思うと、教育機関の在り方も相当変わってくるのではないか。10年後には、もしかしたら呑気にサークルで遊んでいられないのかもしれない。

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