2009年5月22日金曜日

【書評】テレビCM崩壊【岸本】

 この本はテレビのコマーシャルがほぼ機能しなくなっている現状を整理した上で、それに取って代わるコマーシャルのモデルを幾つか提案している。残念ながら、YouTube等の動画サイトの爆発的普及の影響がギリギリ収録されなかったため、この著者が現在何を考えているのかが気になった。

 現状のテレビのコマーシャルは受け手の視聴状況を完全に無視した形となっている。そのため筆者は主に個別化された広告と体験型の広告の2つのモデルを軸に、ネット上でのマーケティングなどの話題を絡めて、これからの広告像を論じている。

 この本の中でも明確に論じられていなかったのが、客観的な広告効果を測定するための基準についてだ。確かに費用対効果を考慮する事である程度の広告収入は算定できるが、こと体験広告などになると客観的な効果は測定しづらいので、視聴率に代わる測定モデル像が知りたかった。

 個人的にどうすればGoogleの検索にヒットするかという方法論が興味深かった。ある新聞社ではGoogleで検索にひっかかりやすい記事の書き方を新人に研修で教えているという。流通のチャネルを握ったGoogleの優位性がこれからますます増していくのだろうか。


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 関連で、(手前味噌ですが)昨年度自分の書評の「グランズウェル」のリンクを貼っておきます。この本ではウェブマーケティングを行う上で、消費者と効果的な交流の仕方を、数多くの実例を用いて紹介しています。

 http://kimzemiblog2008.blogspot.com/2009/02/blog-post_13.html

 

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