2009年5月31日日曜日

【書評】世界級のキャリアの作り方【田島】

「世界級のキャリアのつくり方」 著:黒川清・石倉洋子

企業、そして国内での安定したポジションに拘らず、世界を飛び回ってまさにタイトルどおりの世界級キャリアを獲得し活躍している著者二名の共著。今まで読んだ本は「リーダーになる」という組織内での観点に立脚するものが主であった気がするが、この本は軸をしっかりと「世界」に据え、よりスケールの大きい目標をかかげて書かれている。金ゼミに入ってから、「プロフェッショナル」「キャリア」を意識する機会が増えた。前回のゲストでお呼びした現amazonの渡辺さんや、前前回聴講にいらっしゃった豊嶋先生は、能力を評価されて新しいフィールドへの転職を実現されている。「プロフェッショナル」と呼べる、他者から差別化された優秀な知識能力があれば、オファーが途切れることはなく様々な職場で活躍することができるのだ。リストラされたら終わり、という企業に依存した人間とは対極の存在だ。そして「キャリア」とは経験すればいいということでも、単なる資格のことでもなく、確実に自身の能力を前進させる実のあるものでなくてはならない。
正直今の私には、世界に名を轟かすキャリアウーマンになりたいという気があまり湧かない。目下今の私が抱いているビジョンが、社会科のすごい面白い先生になりたいというものだからだ。しかし、著者お二方は「世界」のキャリアに必ずなれと言っているのではないと思う。「世界キャリア」を目指せといっているのだ。もちろん私も、もし先生になったら生徒の記憶に残るすごく面白い授業をしてやろうというひそかな野望がある。そのためには小さいコミュニティで働いていても常に上を見ていることが必要であり、現状に満足せず高レベルを目指すことが必要だ。その意味でこの「世界級キャリアの作り方」は私にも意味のある本だと思う。
ちなみに私が社会科の先生になりたいのは、今のところ、自分が高校生時代歴史の授業を受けているときに感じた「面白い」という気持ちが一番自分のなかで信用できる感情だからなのだが、金ゼミで様々な刺激を受けている今、それが変わる可能性もある気がする。私の先生への願望が、何かの意地や保身の言い訳になっていないか、常に自分に問いかけていきたいと思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿