2009年5月15日金曜日

[書評] ザ・ネクストビジネスリーダー 西浦裕二・山田英夫 [宮村]

・リーダーシップとは何か?(What)
・次世代のリーダーをいかにして発掘し、育てていくか(How)
という2つのテーマについて3部構成で論じられている。

現代は、古くからのルールで当たり前の事をこなせば成果がでる「平時」ではなく、様々な分野での変革が激しい「変革時(戦時)」であるとされ、そのような未来を正確に予測するのが困難な不確実性の時代には、「ルールをやぶること」ができ、「あたらしいルール(枠組み)」を作ることができるリーダ—像が求められている。これは、前回の読書で読んだ坂村健氏が言う「制度/インフライノベーションの重要性」と通じるところがあると感じた。

リーダシップとは何か、という問いに対しては、1つの決まった解答がない。というのは、環境に応じたリーダーシップの像があり、時代の変化、時代の要請によって求められるリーダーの資質は変化して然るべきであるからである。すなわち、リーダーシップとはコンテキストディペンデントなものなのだ。そのような中で、現在の「変革時」にリーダーに求められているのは、
1.霧の中を見通す(先見性)
2.勇気(意思決定力、実行力)
3.現場に通じる事(臨機応変な柔軟性)
であると言う。また、リーダを評価する際には、目に見えるTangibleなものよりも、目に見えない(Invisible)なもの(=Intangible)を評価していくべきだと言う主張には、大変納得した。あらかじめ決められたタスクの数をこなすだけでは不十分であり、タスクごとにの間にある目にみえないトレードオフ関係を見抜き適切な優先順位に基づいて実行するリーダーシップが求められる時代なのだと感じました。

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